謎解きにおける役割分担に関する一考察

想像以上に多くの反応をいただけたこのツイート。
せっかくなので結果や所感を纏めてみる。


みんなの謎解きクラスはこれだ

予想は外すためにある

アンケート結果はこちら。

ツイート時、実は「戦:魔:弓:殺=2:4:3:1」という予想をしていた。

「自己評価だと、謙遜も込みでオールラウンダーを選びやすそうだから、まず魔、次に弓」、そして、「"大謎は任せろ!"よりは"小謎なら解けます!"のほうが言いやすそうだから、戦>殺」と考えたためだ。

実際には、順位こそ正しかったものの、魔法使いがそこまで伸びず、そのぶん戦士と暗殺者が多かった。

これは、昨今の謎解き公演の成功率が大体6-8割程度である(恐らく回答してくれている層においてはもっと高い)ことを考えれば妥当かもしれない。

成否が明確な謎解き公演においてある程度成功を重ねていれば「小謎/大謎を解いた!」という実感は湧くはずだし、また、きっとそれぞれが自分の得手不得手をしっかり認識した上で役割分担をしているからこその高い成功率なのであろう。


世界は職業で溢れている

引用RT等でコメントのあった、「他にもこんな職業ありそう!」「自分は4つのどれでもなくコレ!」というものを集計してみた。
※似た趣旨のものは纏めている。括弧内にそれぞれの票数を示す。

1位 14票 遊び人(9) / 踊り子(5)  
「解いてはいないけど楽しんでいる」という意図が多く、一部「たまに会心の一撃を繰り出す」、「意図せず大謎を仕留める」というニュアンスが入っている。
多分に謙遜が含まれているように思うが、楽しむことは解くことより重要な場合もある。それに、遊び人と踊り子を極めた先にはスーパースターへの道が拓けている(*1)ので、是非とも謎解き界の輝ける星になってほしい。

2位 4票 吟遊詩人(2) / 旅芸人(1) / 太鼓持ち(1)
1位と近いが、「チームメンバーを応援して鼓舞する」という点が強調されている。
これも多分に謙遜が含まれているように思うが、チームの誰かが閃いた際に「天才!」などと唱えるとメンバーのステータスが上昇するという話はよく聞く。
なお、職業とは無関係だが、手練れたちが公演開始と同時に「よろしくお願いします!」と発するのは、ピオリム(*2)を唱えているのだとする説もある。

3位 3票 村人(2) / 農民(1)
「取り立てて特性がない」や「まだ職業につけていない」というニュアンス。
これも多分に謙遜が(略)、いずれの職業にもついていないということは、何にでもなれるということ。これから沢山の仲間に出会い、数多の心躍る冒険をしていく中で、いつか目覚めるのだろう。あなたのダーマ神殿(*3)は、次の公演かもしれない。


さて、ひとしきりドラクエの話をしたところで、惜しくもベスト3を逃したものの面白い職業たちを紹介する。

トレジャーハンター
「探索を得意とする」職業。
今回の4職を考えた際には所謂ホール型公演を想定していたのですっかり抜けていたが、ルーム型公演においてはかなり重要な役割である。
きっと、レベルが上がると任意の六角レンチを即座に見つけ出す特技を覚えるのだろう。実に羨ましい。

商人
「情報やアイテムの扱いを得意とする」職業。
必要なものをスッと出し、物量多めの公演でありがちな、「アレのアレが書いてあったアレどこいった?」という混乱状態からパーティを救う。
特に紙類やアイテムの多さに比してテーブルが小さい公演においては、「その量のアイテム一体どこに入れてるの?」という驚異の収納術で大活躍すること請け合いだ。

これらの他、引用リツイートなどから捕捉できた職業を全て挙げる。
詳細は割愛するが、なかなかユニークなものも多く、どんな職業なのか想像してみるのも面白いかもしれない。

2票
賢者/学者、バーサーカー、魔法戦士、召喚士、魔物使い/ビーストテイマー、電卓/計算機

1票
武闘家、盗賊、白魔道士、アーティスト、王様、寄生、暗黒魔戦士剣闘狂竜士


世界は斯くも職業に溢れている。


ロケットを飛ばせ!

特に昔ながらのオーソドックスな謎解き公演では、まず小謎が多数出てきて、その後それらの答えやストーリー、公演特有の設定などを利用した中謎を解き、最後は大謎へと収束していく、というものが多い。

このことを今回の4職と考え併せてみると、公演において各職が活躍しやすい"時間帯"が見えてくる。

小謎に強い戦士は序盤、中謎を得意とする弓使いは中盤、大謎キラーの暗殺者は終盤がそれにあたる。そして、オールラウンダーの魔法使いは公演を通して他職のサポートをする。

それを踏まえ、こんなことも考えてみた。

最初のツイートのとおり、「役割分担が大事」とよく言われるが、恐らくこの時の役割分担とはいわば「横断的役割分担」、すなわち、一時点における作業の分担を指していると思われる。

例えば、ある人は写真を撮りにいき、ある人は解けるものから謎を解き、ある人は答えを埋めていく、などだ。

しかし、今回の4職による役割分担を前提とするならば、むしろ「縦断的役割分担」こそ重要ではないかと考える。

つまり、各職が自ら活躍すべき"時間帯"に最大のパフォーマンスを発揮できるよう、他では力を温存する。逆に言えば、得意分野で1人分超の働きをして、他のメンバーを助ける。

こうして、多段式切り離しロケットの如く順番にチームの推進力たるべきメンバーを交代していく。これが「縦断的役割分担」だ。
これによって…



と、思考は拡がるばかりだが、全てを書くにはこの余白は狭すぎるので今回は止めておく。

もっとも、先にどんな展開が待つかも分からない謎解き公演において、実際には理屈どおりになんていかないかもしれない。
それに、そもそも謎解きクラスだって、状況や周りのメンバーによって変わるよね、という話は当然ある。

それでも、「せっかく大好きな謎解き、こういう視点で楽しんでみるのも良いのでは?」という考えから拙い文章を書いてみた。

楽しみ方は人それぞれ、しかも、一人につき一つである必要はないと思っている。
プレイヤーとしてひたすらに謎を解くのも勿論好きだが、今回各クラスについてあれこれ考えたり、アンケートに反応してくれた人たちのツイートを読んだりするのは、とても楽しい時間だった。

これを読んで少しでも共感してくれる人がいたら、嬉しい限りだ。


最後に、冒頭のアンケートへ自らも票を投じて終わろう。


あなたの謎解きクラスは?
→ 弓使い

他にどんな職業がありそう?
→ 研究者、コンサルタント、ライター





*1 ドラゴンクエストシリーズに登場する、基本職を極めた後つける上級職。
*2 ドラゴンクエストシリーズに登場する、味方全体の素早さを上げる呪文。
*3 ドラゴンクエストシリーズに登場する、転職をすることのできる場所。


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