7月25日(土) 鳥白島にて

7月25日。朝ご飯と着替えを済ませ、水筒に麦茶をつめ、鳥白島に向かった。

つまりはパソコンの電源を入れて『Summer Pockets REFLECTION BLUE』を起動した。

※以下ネタバレはしませんが、新鮮な気持ちでこれからプレイしたい場合は読まない方が無難です

二年前にプレイしたノベルゲーム『Summer Pockets』に四つのシナリオが追加された新バージョンだ。
主人公・鷹原羽依里が親戚宅のある鳥白島(とりしろじま)で夏休みを過ごす物語で、彼が鳥白島に降り立つ日がまさに7月25日だから今日始めることにしていた。

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二年ぶりに降り立つ鳥白島は全く変わらない様子で懐かしかった。
同じ物語に再び入っていくことのだるさは無く、またここに帰ってきた!と、夏休みに田舎に帰るような新鮮なワクワク感に満たされた。

変わらない叔母さん。変わらないうみちゃん(親戚の子)。変わらない風景。
二年前の記憶をなぞりながら島の仲間達に一人一人出会い直していく。旧友との再会のようでいちいち胸が熱い。

今回追加された四ヒロインのシナリオのうち、まずは完全な新キャラである神山識(かみやま しき)ちゃんのルートに進むことにした。
島の外の女の子で、再三「働きたくない」と主張するところに共感したため・・・。

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独特の口調で騒がしくてすぐに泣いて、でもどこか大人びたとても良い子。"カリスマロリ"っぽいオーラが漂っており好みだ。
識ちゃんと過ごす夏休みが始まった。

識ちゃんを交えた既存キャラ達との新たな絡みも結構多くて楽しい。
いつメンとなる蒼、のみき、良一、天善たちは相変わらずアホだけど、そんな彼らに何度も助けられてきたことをプレイヤーの私は覚えている。主人公の羽依里が覚えていなくても。

じーさんばーさんも漁師さん達もガキ連中も、鳥白島の皆さんは本当に優しくて頼りになる。この島に帰ってくることで改めて島の人々の温かさを思い知った。
都会で荒んでいる心にはよくよく滲みる。さしずめ俺は・・・・口説き方を忘れたホストだ。

識ちゃんは賑やかで毎日会うのが楽しいけれど、これがKeyというブランドのゲームである以上重い何かを背負っていることは明白で、これからどんな過酷な運命を進んでいくのかとても心配だった。
それでも、目を逸らさずに受け止めていくことがプレイヤーの使命だ。

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_______ゲームを始めて8〜9時間後(2〜3時間の休憩もありつつ)、神山識ルートをクリアした。
うおお・・・。

識ちゃん〜〜・・・!
やー。涙が滲んだ。
正直、キャラの出来は異常に良いがシナリオの出来としてはまあまあだった。涙が滲むだけで号泣には至れなかった。
それでも別に良いと思った。識ちゃんとの夏休みを自分の体験として読めた満足感がある。ノベルゲームならではの没入感はやっぱり特別だ。

なんといっても鳥白島は居心地が良い。
この夏を通してちょっとずつやっていこうと思う。夏休みは終わらない。
サマポケが教えてくれるのは夏休みへの意志とでもいうべきものだ。
大人になったからといって、実際の休日が少ないからといって、人は夏休みを諦めてはいけないのだ。と教えてくれる気がする。

今日はゲームの他に昼食のパッタイを作ったのも楽しかった。
とってもタイの味がした。焼きそばやら素麺やら食ってる場合じゃない、これからはパッタイを食おう。
家にいながら鳥白島へもタイへも行く、これがGoToキャンペーンだぜ。

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この三日間、夏休みのような平穏な心地に近付けて涙が出るほど幸せだ。明日が終わるまで明日は終わらないのだから、終わることなど考えずに楽しみきりたい。

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