7月4日(土) 電脳コイル
都市伝説によると、非の打ち所のないアニメ作品を観届けた人間は腑抜けになってしまうらしい。
202X年7月4日の今日、とある人は『電脳コイル』最終話に大号泣し、あとは腑抜けた土曜日を過ごしたそうだ。
その人は腑抜けながらもパステルをいじり、アイドルを観て、モノクロ写真を撮り、それからダルゴナコーヒーを作って飲んだらしい。
メガネをかけたまま。
その人の中に残ったのは、優子と勇子の物語。電脳と現実を繋ぐ本物の心。痛み。つながり。明日がある方向。
やがて時が過ぎ、現実が大黒市を追い越した時、その人はもう一度ここに帰ってくる。
もう一度明日を確かめるため。
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