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【築40年の空き家】 (5)どこに相談すれば良いのか?


1 不動産屋さんって?

住むところを探したりする時に「不動産屋さんに相談してみたら?」などと会話にごく自然に登場する「不動産屋さん」。

新聞広告を見ていると「ご成約御礼 ◯◯ホーム」とか「この地域で物件を探しています □□工務店」といった広告を目にします。

住むところ(宅地や建物)を売買したり、貸借したりする時に必ず関係してくる法律に「宅地建物取引業法」という法律があり、この法律に「宅地建物取引業者」という用語が出てきます。

法律の話を持ち出してきてややこしいかもしれませんが、住むところを探したりする時に会話に出てくる「不動産屋さん」は、この「宅地建物取引業者」のことだと思って、まず問題ないのではないかと思います。

2 宅地建物取引業者とのご縁

宅地建物取引業者(宅建業者)であれば、どこも同じかというとそんなことはありません。

私は、これまで二つの宅建業者さんとご縁がありました。

一つの業者さんは、「一般媒介契約」での売買をすすめてくれました。そして、もう一つの業者さんは、「専任媒介契約」をすすめてくれました。

一般媒介契約をすすめてくれた業者さんが「ウチ以外のところにも相談してもらって全然構わないですからね」と言っていたのが、とても印象に残っています。

でもその言葉の意味がわかったのは、それからずっと経ってからのことでした。

3 宅地建物取引についてわかったこと

(1) 取引や契約の種類

宅地建物取引業法でいう「取引」とは、売買、交換、賃借の媒介や代理のことを指します。

媒介と代理のちがいですが、たとえば宅地・建物を売却する場合、売却を依頼する人と宅建業者との間で取り交わされる契約のことを「媒介契約」といい、宅建業者は買い手を見つけ、売買契約が成立すれば報酬を受け取ることができます。

一方、売却を依頼する人の代わりに売買契約の締結をする権限までを宅建業者に与えてしまうのが代理契約になります。

(2) 一般媒介契約

宅建業者に売却を依頼する場合、一つの業者に依頼するよりは複数の業者に依頼するほうが早く売却ができるかもしれません。そのように複数の業者に媒介を依頼する方法を一般媒介契約と言います。

「2 宅地建物業者とのご縁」でお話しした業者さんが、「ウチ以外のところにも相談してもらって全然構わないですからね」と言っていたのは、実は「ウチは『一般媒介契約』ですからね」と言っていたということだったのです。

(3) 専任媒介契約

もう一つの業者は、「ウチ以外の業者と契約してもらっても構わないですよ」と言っていました。

この時は、気づかなかったのですが、ここでいう契約は「売買契約」ではなく、「媒介契約」のことを指していたのだったということが、後になって理解することができました。

話が脱線しますが、宅建業者に依頼して宅地や建物を売却しようとした場合、宅建業者との契約(媒介契約や代理契約など)と買主と契約する売買契約の二つの契約が発生します。

話を元に戻しますが、専任媒介契約とは、その宅建業者にしか依頼できない、つまり他の宅建業者には依頼することができない契約になります。

専任媒介契約には制約が多く、更新は可能ですが有効期間が3ヶ月であったり、2週間に1回以上、進捗状況を依頼者に報告する義務があったりするなど、一般媒介契約にくらべて宅建業者側に規制が多いのが特徴です。

3 まとめ

一般媒介契約と専任媒介契約について簡単に触れましたが、宅建業者さんの気持ちになってみると一般媒介契約のほうが良いのかなという気がします。

とはいうものの、宅建業者も売買契約が成立してはじめて報酬を受け取れるわけですから、もし専任媒介契約で受けてくれる業者さんがあれば、ラッキーなのではないかとも思えます。

今は空き家となってしまいましたが、ご先祖さまから引き継いだ大切な土地や建物なだけに、「この業者さんに任せたい」という宅地建物取引業者さんが見つかればと心からと思う今日この頃です。