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Shovel Head

私はバイクが好きです。

何故バイクが好きなのかそれはまたいずれ書くとして、最初に自己紹介がてら1番メインで乗っているバイクの事について書きたいと思う。

バイクに興味のない人は死ぬほど面白く無いので読むのはやめた方が賢明です。

Harley-Davidson FXE

これが私が乗っているバイクの名前。
バイクに興味がない方もHarley-Davidsonの名前くらいは知ってる人が多いと思う。
年式は1978年で乗り始めてからもう6年目で、総走行距離は4万kmを超えた。
一応FXEという発売当時の名前は付いているが、私のバイクはショベルヘッドやショベルと呼ばれている。
いつからかは知らないが、旧いハーレーに関してはエンジンの愛称で呼ぶ事が多い。
これは恐らく、カスタムして原型を留めていない車輌が多い事に起因しているかと思う。
現に私のバイクはエンジンとフレーム(多少切ったりはしているが)以外は全て手が入っており、ノーマルの面影はなく車種を判別できるのはエンジンとフレームに打刻されたフレームナンバーくらいで、FXEの面影は皆無。
マニアックな人ならある程度までは絞れるかと思うが、パッとみて車名まで当てる事は無理だろう。

この写真はちょうど組み上がって車検を取る前の状態。
やはりいつ見てもカッコいい………。
こうなる前の写真は無くなってしまったが、元々はアメリカのどっかの倉庫にボロボロの状態で保管されていたやつを日本に持ち込み、エンジン、クランク、ミッションといったバイクが動くのに必要な部分を1度全てバラして組み直し、私がオーダーした形に作り上げてもらった。
懇意にしているバイク屋は非常にセンスが良く、このバイクを作ってもらうにあたり口を出したのはタイヤサイズと外装の色、あとはとにかく細くコンパクトに作って欲しいという事だけだった。
組み上がってからカスタムした事といえば、これに乗ってキャンプに行く為にシーシーバーという荷物を固定するのに必要なパーツだけで、ずっとこのまま乗っている。

細かい箇所は割愛するが、主な仕様は

タイヤF21インチR18インチ
始動はキックオンリー
SUキャブ
オープンプライマリー(乾式クラッチ)
ジョッキーシフト

といった感じ。

タイヤサイズ

何故これにしたかというと、所謂アメリカンバイクらしさが少し薄れるという事。
このFRの組み合わせは、悪路走行を前提としたオフロードバイクでよくある組み合わせだ。
ただ、これはストロークの長いサスペンションで車体も細く軽く作られている事が前提で、私のバイクはフロントもリアもリジッドではなくサスペンションは採用しているものの、そのストローク量は微々たるのもので最早サスペンションとしての役割を果たしているのか分からないレベルで、何故そうしたのかと問われると単純にカッコいいから。
それに尽きる。
取り回しとか小回りとか色々あるがとにかくそのサイズ感がカッコいいから。
そもそも峠を攻めるようなバイクではないし何よりもまずカッコよさを優先するのがハーレーのチョッパーというもの。

エンジンの始動はキックオンリー

エンジンをかけるにはセルスターターとキックスタートという方式があるが、少々めんどくさいキックスタートオンリーにしている訳はこれもやはりカッコいいからという事。
クランク付近の出っ張ってモッサリしたセルモーターを取っ払ってバッテリーを小型化でき、当初オーダーした車体を細くコンパクトにというコンセプトには無くてはならない仕様ではあるが、理由の9割はカッコいいから。
問題点はエンジン始動するにあたって排気量1,200ccのエンジンに火を入れるのにクソ重たいクランクを回す為、キックを踏まなければならないというのと、気温やさまざまな要因でエンジンが全くかからない時だ。
後述するがそれに関しては始動性の良いキャブレターを採用する事によってある程度は回避さしているのと、コツさえ掴めば2〜3回踏めば容易にかける事ができる。

ただ何かの原因で永遠とキックを踏む羽目になるとバイクを捨てて帰りたくなるほどに辛い。

SUキャブ

シリンダー内部に混合気を送るパーツ。
これにした理由は真冬でも始動性が良く、トルク特性がマイルドで低速も扱いやすく、燃費も良いという優等生な面で、条件が良ければ30km/ℓ走る事もある。
ただ元々当時はレース用に作られたキャブレターなので、私のバイクの軽さと相まってアクセルを開ければ開けた分レスポンス良く反応してくれる。

オープンプライマリー(乾式クラッチ)

これもう単純にカッコいいから。ただそれだけ。
実に清々しい理由。

パワーロスが少なく、放熱性やメンテナス性に優れるが、レーサーを公道仕様にしたと謳っているドカティの1部車輌や、実際にレースで走るバイク以外に乾式クラッチを採用しているバイクは私が知る限り存在しておらず、今現在市販されているバイクのほぼ全てが湿式クラッチを採用している事からもメリットよりデメリットの方が大きいと言える。

ジョッキーシフト

私が思うチョッパー最大の特徴と言っても良いこの仕様。
通常教習所で乗るMTのバイクは、左ハンドルにクラッチレバー、右ハンドルはアクセルとフロントブレーキ、左足はシフト、右足はリアブレーキという仕様で、世界中のメーカーがほぼこれを採用している。カブやベスパ、英車に大きい逆チェンジの様にちょっと異なるものもあるがそれはまた今度。

そのジョッキーシフトというのはどの様なものかというと、まず左ハンドルにクラッチレバーは無い。
あるのはグリップのみ。
ではクラッチはどこにあるかというと、通常シフトがある左足の部分にある。
四輪MT車の様にクラッチペダルを踏んで操作をする。
そしてミッションに直に装着されたシフトノブを左手でガチャガチャ操作してシフトチェンジをする。
シフトノブの位置はタンク横であったりする場合もあるが、ジョッキーシフトというのは左後のちょうどお尻の下くらいに位置している事が多い。シフトチェンジする様が、馬に鞭を入れれいる様に見えるのがその名前の由来。

ちなみに、1952年くらいまではタンク横にシフトノブを配置したハンドチェンジをハーレーは採用していた。

バイクの免許を持っている人ならこの仕様が如何に乗りにくく怖いかという事が分かると思う。
厳密には異なるが、スーサイド仕様なんて呼ばれている事からも頭がおかしい輩が乗るバイクだということが分かる。
組み上がった当初、頭で色々シミュレーションはしたがどう考えても乗れる気がしなくて、自分でその仕様にオーダーしたにも関わらず、ごめんやっぱ無理やから元に戻して?と言いそうになったが、私はええカッコしいなのでグッと堪えた。
しかし慣れとは凄いもので最初はビクビクしながら乗っていたものの、要は車と同じ感覚だと思えばすぐに慣れてしまった。
ただたまにギアが入った状態で不意に左足を離すとスコーンとエンストする事もあるし、未だに左折時に前の車がノロノロしていると左足が着けない為怖い時もある。

何故そんな乗りにくい仕様にするのか

それはチョッパーが生まれた背景や色々な要因はあるがそういう乗り物だからという事と、とにかくカッコいいからとかなんやかんやあるが

「バイクに乗ってる俺カッケー!」

もうこれだけ。
これしかない。

以上が私が愛してやまないバイクの話。

ではまた。


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