平穏である毎日への居心地の悪さを気づいてしまう短歌
いつまで経ってもたどり着けない城、理由のわからないまま巻き込まれる裁判、そして、朝目が覚めると蟲になっているサラリーマン。
チェコ出身の小説家フランツ・カフカは、不条理という言葉がよく似合う作家である。そして、その不条理は不条理らしく、最後まで理由が説明をされない。いや、理由などないのであろう。だから不条理なのだ。
この短歌で参照されているのは「変身」という小説で、主人公のグレゴール・ザムザは目が覚めると、自分が大きな蟲になっていることを発見する。そして、彼は自分が蟲にな