181.忘れられなかった元彼のこと①

20年以上前の話。
すごく好きで好きで、2年ほどの片想いの末に念願叶って付き合った"ヤマダくん"という男の子がいた。別れてから10数年経っても完全には忘れられなかったのに、あるきっかけで忘れた、というお話。

高校1年生の頃、学校の遠足があった。そのとき、制服ではない普段着姿のヤマダくんを見て一目惚れしてしまった。ヤマダくんはお世辞にもイケメンではないけど、私にとっては素敵だったのだろう。

でも、当時私には付き合って半年ほどのオタク系彼氏がいた。だからたった半年で他に好きな人が出来たなんて認めたくなかったし、信じたくもなかった。当時の彼氏はとにかく私のことが大好きで、むしろ怖いくらい依存してて、「マイと別れたら俺は死ぬ!」とよく言っていた。ホントに死んじゃいそうだったから、「他に好きな人ができたから別れて」なんて口が裂けても言えなかった。

いけないと思えば思うほど大きくなるヤマダくんへの想い。そのまま1年ほど経っても、やっぱり一目惚れしたヤマダくんのことが好きで好きで仕方なくて、彼氏のことは気持ち悪いとすら思うようになってしまった。だから、私が嫌われればいいのだ!と、彼氏が嫌がることをたくさんして、「もう、別れてほしい」と向こうに言わせてなんとか別れた。

晴れて独り身になったので、ヤマダくんに振り向いてもらえるように努力した。ヤマダくんの元カノはどっちかというと派手なタイプだったから、私も髪を切って、スカートを短くして、当時流行りだったルーズソックスを履いて、キャラチェンジした。
すると、それまで私のことをスクールカースト最下層のオタクだとスルーしてた男子たちが態度を一変させて「マイちゃんはダイヤの原石だったんだ」などと言い出した。数人に告白もされたけど、私が見ているのはヤマダくんだけ。

用事もないのに食堂で待ち伏せして偶然を装って話しかけたり、遠回りしてヤマダくんのクラスの近くのトイレにわざわざ行ったり。そんなことを繰り返しているうちに明らかに避けられるようになってしまった。
そしてあるとき「◯◯さんが猛烈にアタックしてくるけど、こっちはそういうつもりはないから」と、フラれた。いや、私、告白すらしてないんですけど…と思ったけど、そう言われちゃ仕方ないなと身を引くことにした。

私がフラれたというのはなんとなく周囲にも伝わっていたのか、近づいてくる男子が増えた。その中の一人に付き合ってもいいかな?と思える人もいたけど、やっぱりヤマダくんしかいなかった。

告白されてないのに私をフッたヤマダくんは、私が周囲にモテだすと、逃した魚は大きかったとなったようで、逆にちょっかいを出してくるように。結局、ヤマダくんに告白されて付き合うことになり、私は2年の片想いを成就させたのだった。

長いので続く。

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