【企画参加】『忘れられないあの人』
一度の合鍵の熱ひた隠し
ひとたびのあいかぎのねつひたかくし
ぶかぶかの部屋着にわざと残り香を
ぶかぶかのへやぎにわざとのこりがを
口結び髪に揃いの匂ひかな
くちむすびかみにそろいのにほひかな
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ベッタベタに片想いの句を詠んでしまいましたああああ。
ちょっと恥ずかしい。
でも、小説やシナリオで恋愛物を書くのは苦手というか抵抗あっても、俳句とか短歌とか歌詞とかで書くのは結構好きかもと気付けた今回。
あっ背景の解説ですね……!
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私がまだ、年齢的にも精神的にも今よりさらに未熟で若かりし頃。
同じ職場の先輩に片想いをしていた。
ある日、先輩とごはんに行った際に終電を逃してしまい(若気の至りと言い訳させて)、まさかの家に泊めてくれるというイベントが発生(イベントって言うな)(まあ、特になんにもなかったんですけどね)。
お互い翌日も仕事のシフトが入っていて、先輩のほうが出勤時間が早かった。
1つめの句は、先に家を出なければならなかった先輩が、私に家の合鍵を渡してくれて、それを返さなければという時のことを詠みました。
一度の合鍵の熱ひた隠し
別に彼女じゃないし、たぶんこんなことは1度きり。もうこの鍵を使うこともないだろう。合鍵、返したくないな、もう少し味わっていたい特別な感じ。そうこうしているうちに握りしめていた鍵に体温で熱が宿ってしまった。でも実際は特別でもなんでもないから、バレないように隠さないと、熱を帯びた恋心も今回のお泊りも。
——みたいな感じの句です。なんか全然上手く表現できてない気がする。
2つめ、3つめの句は、恋愛以外の別のひとやものについて詠もうと思っていたのだけれど、1句絞り出すのにかなり時間と気力を使ったため断念。そのまま同じエピソードでもう2句詠みました。
ぶかぶかの部屋着にわざと残り香を
借りた部屋着は先輩の匂いがして、別に特別じゃないのに勘違いしたくなって、もうこの部屋に来ることはないと思うけど、この部屋着に残った私の香りでちょっとは思い出してほしいなって、わざと香水の香りを残した(今思うと迷惑すぎる)
口結び髪に揃いの匂ひかな
「シャンプーはここ、バスタオルここに置いておくから」と説明を受けて、お風呂も借り(ほんっと若気の至りって言い訳させてほしい)。
シャンプーの香り同じとか、やだちょっと特別感(お黙り)。職場でバレないかしら。もちろんお互いこの件に関しては口をかたく閉じて何も言わない(暗黙の了解)けど、同じシャンプーの匂いがしちゃってる。こそばゆいような、ひやひやするような。もう色んな感情……!
——みたいな感じの句です。
結局どうにもならなかった恋。
別にお互い恋人がいたわけでもなくて、悪いことをしたわけではなかったと思うのに。これ以来なんとなく後ろめたさにも似た気まずさがあって。元通り仲の良い先輩後輩に戻れなくなってしまったことを、すこし、ほんのすこし後悔している。あの日ちゃんと帰っていたら違っていたかな、となんとなく今でも思うことがある。そういう意味で、忘れられないあの人。
というわけで、alohaさんに背中を押していただいて。
ラベンダーさまのこちらの企画に参加させていただきます……!
締切日に駆け込み&長くなってしまって申し訳ない気持ちが1割と、
素敵な企画のおかげで、これまで見ているだけだった俳句に挑戦するきっかけをいただけて良かったという気持ちが4割。
残りの5割は、
うわああああ。吐きそうううううううう。
あああああすごく緊張するううううう。
いつも俳句はフォローさせていただいている方が詠まれるのを楽しむばかり。自分で詠むのは初めてで。
こんなんでいいの? 大丈夫? なんかおかしくない?
と、心臓ばくばくしながら、これを書いている。
たぶんここから投稿ボタン押すまでまた十数分掛かるのでしょう……(遠い目)
拙い句ですが、参加させてください😌♡
どうぞよろしくお願いいたします。
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