「染、色」の感想

だいすきな正門良規くんの初主演舞台、
「染、色」をグローブ座で見ました。

一回目は記憶がほんとに無くてキショい感想しか書けなかったけど、二回、三回観て、改めてストーリー上での気付きだったり、舞台そのものへの気付きがたくさんあって、忘れたくないなと思うことばかりなので 書き留めておこうと思います!たのしかったな~、戻りたい~。

正門くんが演じた「深馬」という人間
やっぱり、何度観ても得体の知れない人でした。

最初の北見や原田と楽しそうに作品を作るシーンや、ゼミの先生の部屋で飲み会を楽しむシーンから一転、
杏奈が倒しかけたキャンバスを抑えて、糸が切れたみたいに笑うシーン。酒飲んで女とイチャコラはたらいてた癖に、
いきなり心臓止めてくるような「笑い」の場面(があるんです...)。

(上手く言えなくて自分の感覚をそのまま言葉にしちゃうんだけど)あのシーンがそれまでに引っ張られて浮かぶんじゃなくて、それまでがあったからこそ突然沈むような感覚を生むのってメチャクチャ凄いなと思っていて。
普通はえ、突然どうした!?って思うはずなんだけど、何故か深馬が元々得体の知れない人間であることをそのシーンだけでいきなり理解できてしまう気がして、腑に落ちて沈む感じと、これから展開されるであろうストーリーにのめりこむ準備をするために意識が沈んでいく感じ。

その感覚ってきっと、もちろん照明や音声、演出にも裏付けされてるとは思うんだけど、やっぱり一番は正門くんの元々持っている人間らしさとか生々しさ少しの陰りみたいなものが深馬を演じるにあたってにばっちりハマってたからなのかなと思ったりもしました。原作読んでたからかもしれないけど アハハハハ

あのシーンが最初にあったから、深馬が真未と出会ってグラフィックアートを楽しんでいるように見える場面でも、ずっと深馬に対して何か引っ掛かりがあるまま観させられる。見る側に深馬という人間を一秒たりとも純粋に理解させてくれない感じ。

エッ...それって私が感じてるアイドルの正門良規そのものじゃん...(????)

(↑こういうこと突然言うし...)

あのシーンのせいで私は最初っからモヤモヤしながら深馬を見続けることになってしまったので、1番印象に残ってるし 絶対に感じたことを残しておきたいなって思った好きなシーンです。

そして案の定最後まで得体は知れなかった 何アイツ?って一生思ってるんですけどアイツ何?

絵を描ききるということが「死ぬ」ことであると真未に言われて理解して、吹っ切れたように見えた深馬が、
壊された絵を目の当たりにして取り乱すこともなく「また死ねなかった」と諦めるだけだった深馬が、
「こうなる運命だった」という理由で絵を壊した犯人の"真未"に激怒したこと。
そしてその後、これまでじわじわと真未に染められてきた深馬が「君は(私となら)何にだってなれる」「私が深馬の自由になってあげる」と真未に差し伸べられたその手を振り払ったこと。

先生や杏奈が展覧会用の絵の下描きを見てハッとしていたり、深馬がその絵を1度真未に描き足されそうになったとき「この絵は駄目なんだ」って言ってそれを止めたりした時から違和感がずっとあったんだけど、あの絵は深馬にとって何だったんだろう?マジで一生死ぬほど分からん‼️‼️

非日常的な時間を真未と過ごして、これまで薄々感じていた自分自身への「限界」を忘れて、自分が非凡であるように見えることに酔っていた
(理解できない詩に惹き付けられていたり、真未に普通の人生だなと言われて顔が曇ったり、ポリダクトリーという肩書きにこだわっていたり、「分かりやすい不幸がある君には分からない」というセリフがあったり、深馬自身凡人が感じる限界にぶち当たっていたからこそ非凡に憧れている場面はすごくあった気がするし)
深馬のあの絵は、初めて1人で、正しく死に向かいたかったものなのかなあ。え~、そんな力ってそもそもの深馬にあったの?.........
スイマセン、ほんとに何言ってるか自分でも分からないんですけど.........書きながら爆笑してます 何この感想!?

あの絵の意味が私にはずっと分からなかったから、深馬の絵を壊されてからの行動がずっと分からなくて、結局 「得体の知れない」人で彼が終わってしまいました
深馬の非凡に憧れて、非凡に気持ちよく溺れているような感じは凄く人間らしくて、共感があったからこそ、真未に染まりきれば見えたはずだった「非凡」への道を捨てて、杏奈とただ時間が過ぎるだけの日々を過ごした深馬がずっと分からなかった。

深馬は真未と過ごした日々の中でも心の底では自分の限界を分かっていて、でも本当の自分が持っている「非凡な何か」の存在を信じていたのかなあ.........エッどういうこと?スミマセン‼️これがほとんどの人間の正直な意見です‼️‼️‼️‼️‼️聞いてるか‼️シゲアキ大先生‼️‼️‼️‼️‼️‼️

でその後のまあ...ちょっとだけ理解できたかな🎶みたいなオタクの頭をボコボコにぶん殴った、全部深馬の自作自演だった感じの回想シーン もうお手上げです 意味がわかりません わたしはあの時意識を宇宙に飛ばしていました
ここが分かったら気持ちいいんだろうなと思うんだけど、分からないでいるままが気持ちよかったりもするんだよね 深馬が変な詩に惹かれるって真未に言った時、「理解できないことが気持ちいいだけ」、「酔っ払ってんのよ」って返すシーンがあるんですけど まさにそれです

自分の意思で真未との日々から抜け出したはずだったのに、最後に真未にすがって、真未と一緒だったからこそ非凡だった自分を取り戻そうとするような最後のシーンと、本当はそうじゃなかったことを思い知らせるように、果てることの出来ない自分と、消える壁のスプレー。
最後のシーンは原作と同じで、あの回想みたいな、答え合わせみたいなシーンがなければ少しは腑に落ちて終われたかもな。...ハ~~🎶全く分かりませんでした🎶ハイ🎶

分からないことはたくさんあったけど、所々に感じる登場人物の「人間らしさ」はストーリー関係なくズカズカ心に踏み込んで来る感じがあって、そこが凄く凄く良かった。(何回も言ってるけど)非凡に憧れる深馬、才能に嫉妬する北見と滝川、誰かに必要とされたかった原田と杏奈。
それぞれが痛いくらいの人間らしさがあったからこそ、それを裏切って難しく進む物語についていけなかったところもあるかもしれないなと思っています。でもま~~~言っちゃえばそれが良かった。

そう思うと、ずっと人間らしくなくて、分かりやすい不幸があって、非凡を気取り続けていられたのは綺麗に真未だけなんだよね。ハッとするよね。

これ以上考えてもわかんないし、わたしはしばらく「酔っ払って」いたいので、理解が出来た彼らの人間らしさと一緒に、理解できなかったことで気持ちよくなっていたいと思います。

QLAP!のステージレポで、原作が熱帯夜みたいにじっとり張り付いてくるような物語だとすれば、舞台の染色は閃光みたいな刺激が続く物語(ニュアンス)だったって言ってた。確かにそうかも~

舞台のことは分からないなりにいろいろ思ったことを書けたので、最後に正門良規に感じたヤバさを書いて終わりにする‼️

初の主演舞台、舞台作家としての加藤シゲアキくんのデビュー作、評価を受けている小説のリメイク。計り知れないプレッシャーの中で、何度も何度もインタビューで言っていたように「死ぬ気で」作り上げたであろう正門くんの深馬は、絶対に絶対に誰も真似できない、正門くんだけの深馬でした。
深馬は本来の正門くんとは全く違くて、正門くん自身も深馬のことを全て理解はできないと言っていて。でも、わたしがグサグサ刺された深馬の人間らしさは、正門くんの生粋の人間くささがあったからこそだと思っていて。

わたしが最近感じている正門くんの大好きで尊敬している所は、決して器用に生きられるタイプではなくて、ダサい部分も沢山あるんだけど、そんな自分を絶対に卑下しないところ。不器用な部分を人間の愛おしさとして素直に見せてくれるところ。誰かと自分を比べて、沈んだりしてしまわないところ。特別じゃなくても、うまく世渡りができなくても、置かれた場所で、誠実に
自分と相手に向き合い続けていれば何かが起こる事を証明してくれる
ところ。

深馬と背反した人間らしさがある正門くんが演じる深馬は本当に唯一無二だったと思います。前も書いたんだけど、深馬のように元々「得体が知れない」人が深馬を演じたら、私の中で深馬は「"ただの"得体の知れない」人で終わってしまうように思うので。

そしてさ~~、こんだけ自分と正反対の役を作って、こんだけ重い舞台にのめりこんでいたのにも関わらず、Aぇの活動ではそんなの微塵も感じなかったんだよね。冠番組もあって、ドラマの撮影もして、ラジオもあって、並行してグレショーの舞台やったり、いろいろ鬼スケジュールだったはずなのに、相変わらずブログは気持ち悪いし、バドミントン下手だし、アヒージョのこと煮物って言うし.........

正門くん、アホみたいなスケジュール完璧にこなす自分のこと、一つも堂々と誇ろうとしないんですよ 私だったら「忙しいわ~~~~‼️‼️‼️‼️‼️(大声)」って言うんですけど...

いつかこじけんが正門くんはドラマ(DIVER撮影してた時)で忙しかった時も、Aぇでいる時はAぇの事しか考えてなかったし、ドラマの台本も俺達の前では読まなかったって言ってて、そのことを凄く褒めて「頑張ったね」って言ってたんだよね ヤバ
「染、色」を見て、舞台の稽古期間にこなしていたであろう仕事を見て、本当に本当に、根がそんな人なんだなって思いました。こじけんにいっぱいまた褒められてほしいよ.........Aぇのみんなが染色観て正門くんのこといっぱい褒めて欲しい ビジネス距離がしっかりしてるグループだからこそ、メンバーに褒められるのって友達に褒められるのとまた違うと思うから。大晴‼️分かったか‼️(?)

正門くん、そんな風にずっとずっと誠実にお仕事をしてきた中でお芝居が好きだし、お芝居を頑張りたいって言い続けてきて、満を持しての初主演舞台がこれなの、メチャクチャカッコよすぎて爆発して死ぬよ

自分で意地でもつかみ取ってやる!!みたいなハングリー精神がグイグイ前に出る人ではないけど、とにかく与えられたものに誠実に向き合って、期待以上のものを返そうと必死になる正門くん、そんな自分に何一つ驕らない正門くんがこれからも素敵なお仕事に恵まれますように。
ファンの前で絶対に自分が抱えているものの重さを見せない正門くんの周りに、生み出した成果を純粋に認めてくれる声がたくさん生まれますように。

こんなきしょいバカデカ感情が生まれるくらい、この人のこと、絶対好きになって間違いなかった...........................って叫びたくなっちゃうような舞台でした。

ここから大阪公演が始まるけど、何事もなく千穐楽まで駆け抜けていってほしいし、一公演だって無くならないでほしい。それくらい、一公演一公演終わるのが(入ってなくても)惜しいと思う舞台です。見られて本当に良かった!これから正門くんを応援していく中で、きっと何度もそう思う。

でもさすがに本来の正門良規摂取したいので、サマスペはいかせてください 

~完~

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?