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2023/11/10のJAZZ掲示板

ジャズ関連の情報を拾ってコメントを付けて貼るという、いわゆる“ニュース・キュレーション”のジャズ版としてトライしています。他人様の記事を取り上げてアレコレとコメントを加えるのは「余計なお世話」と捉える向きもあるかもしれませんが、少しでもジャズの情報を多く&広く届けたいという目的のため。それだけに、コメントは独善的にならないように気をつけて、記事にも記事を書いた人にもプラスになれるように気をつけて臨みたいと思っています。


盛岡で再興したジャズバー“S”のワインと有機肥料への取り組み

岩手・宮古市で東日本大震災に被災し、盛岡市内へ移転してジャズバーを経営する“S”の取り組みについて紹介する、6分ほどの地方TV局のニュース・スポットを文字起こしした記事。

発信元の番組映像も記事内に動画で貼ってあるので、ぜひ見ていただきたいです。

というのも、この“S”のJBL Paragonが被災して、それが復活したことを喜びたいのと、震災前から興味をもっていた宮古での山葡萄ワインづくりを軌道に乗せたこと、ワインの製造過程で発生する食品残渣から肥料をつくることを思いついて事業家にまで発展させているなどなど。

とても盛りだくさんな内容で、どれもドキュメンタリー番組が1本、できてしまいそうなものだからです。

ジャズ喫茶やジャズバー「あるいはジャズクラブ)は“嗜好性が高い”施設と考えられてきたせいか、環境への配慮やバリアフリーに対して後れを取っていたことが否めないと思います。

“S”のマスター、堀内繁喜さんの取り組みは、震災からの復興とだけでは語り尽くせない、業態を越えた可能性への挑戦になっているのではないでしょうか。


湘南ふじさわジャズミーティング vol.4開催

11月4日に神奈川・藤沢で開催された「湘南ふじさわジャズミーティング vol.4」のようすを伝える記事。

トリを務めた「吾妻光良&The Swinging Boppers」をクローズアップしていますが、サブ会場ではオーディションを勝ち抜いたアマチュア・ミュージシャンによるライヴも行なわれたり、大型商業施設壁面へのプロジェクターによるライヴ映像投影やYouTubeによる配信など、メインのキャスティングだけに頼らない、各所に工夫が見られるイヴェントだったことがうかがえますね。


上原ひろみがブルーノート東京へトラ出演

上原ひろみさんがイリアーヌ・イリアスさんの代役として、11月17日と18日のブルーノート東京公演をソロで行なうというニュース。

スポーツ紙に取り上げられるのも、アニメ映画「BLUE GIANT」ヒットの影響でしょうか。

“映画の沢辺雪祈みたい”に「上原は物語と同じ状況」になったとする指摘がありますが、映画後半の導入部の雪祈がトラ(=エキストラ、代役)としてフレッド・シルバーのバンドに参加したのは系列店のcotton's(丸の内コットンクラブ)だし、ラストを同じ状況にするならばイリアーヌ・イリアスさんがアンコールで登場しなければ……と、この映画のファンにとっては突っ込みたい箇所がある記事だったりします。

なお、イリアーヌ・イリアスさんが出演予定のブルーノート公演は11月15日と17日&18日で、振り替え公演は以下のとおり。

2023 11.15 wed. バンクシアトリオ featuring 須川崇志、林正樹 & 石若駿
[1st]Open5:00pm Start6:00pm [2nd]Open7:45pm Start8:30pm
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/banksia-trio/

2023 11.17 fri., 11.18 sat. ▶︎上原ひろみ ~ソロ~
11.17 fri.
 [1st]Open5:00pm Start6:00pm [2nd]Open7:45pm Start8:30pm
11.18 sat.
 [1st]Open3:30pm Start4:30pm [2nd]Open6:30pm Start7:30pm
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/hiromi-uehara-solo/

バンクシアトリオも旬のユニットだし、要注目です。

ブラジルを代表するピアニストとしてグローバルな活動を展開するイリアーヌ・イリアスさんの容態は、オフィシャルサイトにも見当たらないので心配ですが、快復されての来日を待ちたいと思います。


稲垣次郎インタヴュー

御年90歳の稲垣次郎さんへの貴重なインタヴュー記事。

日本のジャズロックを切り拓いたキーパーソンのうちでも最重要的存在である人物だけに、内容がすこぶる“ヒップ”です。

1970年代の音楽業界に文化を生み出す土壌があったことを伝えるエピソードの数々は、ジャズ・バイアスやロック・バイアスが薄れてきた現在ではピンとこない部分もあるかもしれませんが、“気概”が重要であることを伝えてくれているような気がします。


ロイ・ハーグローヴを追った映画「人生最期の旅」アンリ監督インタヴュー

ロイ・ハーグローヴさんの最期の1年を追ったドキュメンタリー映画「人生最期の旅」のエリアン・アンリ監督を取材した記事。

アンリ監督は、「チェット・ベイカーの『レッツ・ゲット・ロスト』(ブルース・ウェバー監督/1989年)とチャールズ・ミンガスの『Mingus: Charlie Mingus 1968』(トーマス・ライヒマン監督/1968年)」を参照しながらこの映像づくりに臨んだというところも興味津々。

「こちらが計画を立てても、ロイはその通りには絶対に動いてくれない人だったんですよ(笑)」というあたりも、監督と対象の距離感の近さを感じさせるように思います。

アンリ監督がインタヴュー中心の編集にNGを出したのも、最近のジャズ系のドキュメンタリー映画を観たときの教科書的な後味とリンクするような気がします。

RHファクターへの言及も興味深いし、なぜこの映画にロイ・ハーグローヴの楽曲が使われていないのかを含めた、元マネージャーのラリー・“ラグマン”・クロジアーとの確執を解くヒントもったりと、映画を観る前の予習に効果的な内容だと思います。


第17回 TACOTACO JAZZ FESTIVAL開催へ

11月12日に兵庫・明石の西部市民会館で開催される「第17回 TACOTACO JAZZ FESTIVAL」のお知らせ記事。

チラシだけでなく、タイムスケジュールと出演者をきちんと伝えるということも、前触れとしてはとても重要だと思います。


サマラ・ジョイ インタヴュー

グラミーの最優秀新人賞を受賞してノリにノッているヴォーカリストのサマラ・ジョイを、とても丁寧に取材している記事。

フロントロウ編集部名義ですが、構成もまとめ方もすばらしいので、署名原稿で出すべきだったのではないかと思っています。


富澤えいちの執筆担当記事の紹介です。


本日は以上。

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