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リスクマネジメントの教材

このマガジンを通じ、リスクマネジメントについてさまざまなことをお伝えしてきました。それでもまだ入り口にすぎません。これからも定期的に記事をアップしますので、よろしければお立ち寄りください。コメントやご質問もお待ちしております。

読者の皆様の中で、リスクマネジメントに関心をお持ちの方、リスクマネジメントを勉強してみたいとお考えの方に、教材になりそうなものをいくつかご案内したいと思います。
まず当たっていただきたいのは、先般ご紹介した「JISQ31000 リスクマネジメント−原則及び指針」です。これは国際規格であるISO31000を日本語に翻訳したものですが、そのタイトルどおり、リスクマネジメントに関する原則的事項が網羅されています。JISQ31000の内容は、団体から個人まで、リスクマネジメントに携わる主体を問いませんので、まずはJISQ31000の読み込みをお勧めします。ただ、英語で書かれたISOの翻訳版ですので、表現がやや硬く、最初は若干読みづらいかもしれません。閲覧は日本工業標準調査会のページ(http://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISSearch.html)から可能です。

テキストをお探しであれば、Amazonで「リスクマネジメント」というキーワードを入力して検索すると、多数の書籍が紹介されます。ほとんどの書籍でJISQ31000の内容解説がありますので、JISQ31000の本体が読みづらければ、これらのテキストを参考にすることもできます。著者のバックグラウンドがテキスト内容に色濃く反映されているので、ご自身の業務分野に近い著者の書籍をお選びいただくと良いでしょう。できれば複数のテキストに当たるようにしてください。

ケーススタディとしては、(手前味噌な紹介ですが)中小企業診断士2次試験の過去問題がベストだと考えます。ケーススタディといえば、大企業の事例を思い浮かべるかもしれませんが、大企業では業務が細分化されており、各業務分野の専門性が高度に発達していることから、個人が全社的リスクマネジメントを学ぶためのケースとしては適切ではないと考えます(海外や国内のMBAを目指す方は別です)。むしろ、中小企業のように、経営者の立場で経営全体を俯瞰できる規模の会社を例にする方が、学習効果が高くなると思います。
試験問題で取り上げられている事例が、主に「このままではいずれ経営上の問題が発生する」企業に対する診断と助言という内容ですので、平素からのリスクマネジメントの視点で事例分析できることも利点です。つまり、業務上の「リスク探知(予知)能力」を鍛えることができるケース素材だといえます。2次試験の過去問題は中小企業診断協会のホームページ(http://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html) からダウンロードできます(解答は掲載されていません)。また、書店では資格学校が出版している過去問題集が販売されています。なお、市販の過去問題集の模範解答は、その内容が出版元により異なりますので、「どの解答が正しい」ではなく、「どのような着眼とロジックでこの解答になったのか」に注意して、解答と説明を理解するようにしてください。

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