見出し画像

企業が直面するリスク:収入減少リスク

 文字どおり、企業の売り上げや利益が減少するリスクのことです。代表的なものは、ライバル企業の出現による顧客喪失、取引先の倒産、価格競争の激化による客単価の低下などがあります。
収入減少リスクは、それそのものがリスクというより、収入減少の引き金となることがらがリスクである場合が多いです。先述の例でいえば、ライバル企業の出現、取引先の経営状況の悪化、提供する製品やサービスのコモディティ化といったものです。ですので、収入減少リスクに立ち向かうためには、こうした引き金となることがらの分析が不可欠です。
収入が減少の段階に入っている企業からは、景気が悪いとか、顧客の価格引き下げ要求が厳しいという意見がよく聞かれます。収入減少により財務状況が悪化し始めると、そうした「目につきやすい」原因に関心が行きがちですが、必要なのはそうした原因の背後に何があるかを見極めることです。例えば、ライバル企業の出現が収入減少の原因とみられるなら、なぜそのライバル企業が市場に参入してきたのか、取引先の経営状況が悪化しているなら、どのような理由で取引先の経営状況が悪化しているのかということです。原因の背景に着目した対策を打たなければ、収入減少リスクの根本原因を除去することが難しく、対症療法的な対策しか打てなくなります。そのためには情報が重要な役割を果たしますが、リスクマネジメントにおける情報の重要性については、稿を改めてご説明いたします。
また、収入減少リスクの特徴として、企業の内部要因が原因になっている可能性があります。営業活動の効率が低下していないか、高く売れるものよりも売りやすいものを売る傾向がないか、売掛金の回収努力が低下していないかといった、企業活動そのものの再点検も必要になることがあります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?