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企業が直面するリスク:財産損失リスク

前回ご紹介した、中小機構のリスクマネジメントに関するページで挙げられたリスクについて、同ページでの説明を踏まえつつ見ていきましょう。
財産損失のリスクとは、「火災・爆発・地震・風災害(台風など)・盗難などによって、企業が所有している財産が損なわれるリスク」のことです。災害や犯罪といった外部要因による財産現象リスクです。火災や犯罪のように、ある程度予防可能なものもありますが、天災のような回避困難なリスクイベントも存在します。特に地震や水害のような天災は、事業基盤に直接的な損害を与えるため、一旦発生すると、その被害復旧に、時間や金銭面で多大なコストを要することになります。事業基盤が破壊された場合、事業停止期間中の売上が止まり、収入が断たれるなど、フローとストックの両面で損害を被る可能性があります。
犯罪リスクの代表的なものは、小売業における客の窃盗リスク(万引きなど)、従業員による企業の備品や在庫の窃盗、資金の横領などがあります。また、虚偽の投資案件による出資金の持ち逃げ、他社への貸し倒れなども、企業経営に悪影響を及ぼす可能性のあるリスクイベントです。
率直に表現すれば、財産は最も直接的に人の欲望の対象になる存在です。財産の損失は、単に富だけでなく、将来の事業機会や投資機会が減少し、それに伴って将来の収益機会が失われることを意味します。また、損失に対する落胆が、経営者の事業継続モチベーションの低下をもたらす可能性があることについても留意する必要があります。
日々の資金繰りが厳しい企業において、財産の損失は企業経営の継続を直撃します。保険や緊急融資などの、財務的な事業継続手段についても常に検討する必要があります。

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