著作権の問題がありますので、全ての文章を他に使用したり転載する事を禁止します。kバレエ団「クラリモンド~死霊の恋~」全編鑑賞しての感想。

心象風景の坩堝が過熱し作品の中に舞にスパークする。
役者性の演技だけじゃない!

音楽がまるで生まれ変わり顔を持っているのでは?とする奇想天外な妄想にまでかきたてる。
ピアノの音が千本の足を持って駆け巡っているようにも・・・

何んと匂いまでしてくる。
修道僧の制服と魂の匂いが強烈!
女性からは甘い香りが漂う。
クラリモンドからは血の匂いがする。
不思議だ。

熊川さん凄すぎ!そして出演者皆様も凄すぎ!
多分世界一!!

天と地の、地獄の深淵の底の魂の果てしない尽きる事を知らぬエネルギーの跳躍のバネを感じさせ、それが奇跡のようでありおぞましくもある。劇場で見たらぞくぞくと震えるような気がします。(今も少しぞくぞくとしてきた)
森羅万象を凝縮したかのような心象風景の演技と舞がスパークする!
役者演技に置いて、舞を通して二重三重の演技演出と心象風景が醸し出される。

これがバレエのゆやくしゃ
何かグラス3杯くらい血を飲みほした気分にも?
怒涛の詩人のあつい血のような。
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始めて熊川さんの作品を最初から最後まで見ました。
たまたま先程クラリモンド全編放送を偶然に目にし見たところでした。(ラッキー♪)
予想以上に素晴らしかったです!
いつも動画で作品のクライマックスのシーンを見ており、熊川さんの役者性は世界一だと私は思っておりました。
最近はクレオパトラの美の肉感的エロスの極致に驚嘆しており、何度見ても飽きないという感じ。
今回のクラリモンドでは、さすが熊川さんの役者性の魂の血をひくダンサー達だと思いました。
クラリモンドが登場した時には、まさしく人相が娼婦でありビックリ!
修道僧達の厳かな舞も貫禄がありあの厳かな怖さが出ており、これは小説顔負けだと感嘆しました。
画家の軽やかな舞も完璧で、バレエの全てのトップステージの舞盛沢山ですね。

クラリモンドのドレスの裾の美しい事といったらもう!熊川さんの衣装への拘りは世界一ですね!
あの吸血鬼となり血を吸う為に噛みつく数度のシーンも迫力があり素晴らしかった。
全ての舞が素晴らしい事は言うまでもなく熊川ワールドの要である役者性がやはり群を抜いている。
バレエならはでの動作の演技に置いては、台詞以上の言葉が伝わってきます。
そして空間に置いても言葉や音があった。
クラリモンドの痙攣の発作のシーンでは、がくがくと震える音まで聞こえてくるよう。
小刻みな痙攣の震えの音すら響いてくる。

素晴らしい芸術だと思いました。

舞台装置的空間が醸し出す風景は異次元的なものを感じ、これは新しい発見であり驚嘆でした。
決してくどくない一瞬の表現が嫌味にならず自然でありました。
今回の発見で驚いたのは、空間が空気が息し生きており演じているとするところ。
やはり最初から最後まで見ないと、こういうところは見えないものだと思います。
役者(舞者)と空間の絡みの生きたシーン。
原本を超えた二次創作の新たな芸術作品!
これを作りだす熊川さんの芸術家魂に驚きます。

またバレエの課題と常に思われる物語の内容分からずして心に沁みるのが困難であるとするところに置いては、
シーンが変わるごとに若干の説明文があり分かりやすく、物語を理解しやすく舞台上のドラマの深みに到達出来るのもいい。演技と動作と舞で台詞が心に飛び込んでくる。
何て素晴らしい役者性なんでしょ。
皆が皆役者として演じている。全身に耳があり目があり魂となり空気や空間までが生きて燃えている。
クラリモンドの演技力の素晴らしさ!といったらもう。
肩の震えるあれらのシーンは、実際の病人より現実に見えます。
動画ならはでの顔の表情が見れるところもいい。
私は役者性に拘るほうなので多分動画派だと思います。
でも劇場で見るとまた違った素晴らしさがあるのだろうな。

今後、多くの若い人達にバレエを日本の誇りである熊川ワールドを知って頂き感動して欲しいです。
私なりに感想ぐらいしか言えませんが、この素晴らしさを知ってもらうべくアピール出来たらなと思います。
もっともっと特に若い人達に芸術の素晴らしさを伝えたい。
今後も過去の作品を含め熊川芸術から目が離せません。

追記;クラリモンドが吸血鬼となって復活し忍び寄るシーンのインパクトとまさに人間ではない魔物の舞が醸し出す迫力とまなざしは凄い!
どうしたらこんなに激しく舞い演ずる事が出来るのだろう?と見た事も信じられたいようなクラリモンドと修道僧との争いの舞の何んと激しい事でしょう。見たかもどうかも分からなくなるほど信じられない(マジで本当?みたいな)激しさであったので、3回見ました。
魔力のような神秘現象のようでもあり人間の魂の底知れぬ力のようでもあり・・・
細かいところから大胆なところまで全てに置いて、どうやってこのような振り付けが出来るのだろう?と思いました。
ドラマ性の役者演出といい舞の演出といい、心象風景の坩堝が過熱し作品の中でスパークしてます。
音楽も演技の中で生まれ変わり顔を持っているんじゃないか?と奇想天外な印象すら覚えます。

そして何んと匂いまでしてくるではありませんか?
修道僧の匂いが本当にしてくる。勿論女性の匂いも。
全部匂いがする。不思議だ。

心象風景の坩堝が過熱し舞の中でスパークするさまは、劇場で見たらもっと凄い迫力だと思います。

次回の作品も楽しみです!

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