メカたま日記(Day2)

今回のメカたま日記は、前回予告した通り「死闘 ストラットゲーム」をお送りするよ。これは、自分のキャリアでも、ベスト10に入るかどうかの凄さだった。それは4日前の事。この時は、実技の科目認定試験の日で、俺もかなり追い込まれている状況の中迎えた。そして練習に取り掛かってみると、全て終わらせるのに、約24分以上かかってしまい、このままでは、試験通過はおろか、ホントに今後も危うくなるという形だった。だけど練習してくうちに慣れて行ったが、そこでまた、思わぬアクシデントに遭遇した。何と練習時間が、試験開始まで、そんなに残ってなかったということ。結果やったのが、ストラット側の2本のボルトを締めただけという、すごく先行きが思いやられる状態の中、試験を迎えた。とにかく俺は、「せめてこれだけでもやらないと。いや、やらないとじゃねぇ、やるしかないんだ。今の俺には。」という言葉が、心の中に浮かんでいた。そして実物を用いての練習が出来ないという状況下において行ったのが、「イメージトレーニング」という、実際の状況と全く一緒の状態を、頭の中で思い浮かべてやるというやり方を採った。そして、とにかく落ち着く事を最優先にしつつ、行っていた。ハッキリ言ってもう「ゾーン状態」に入っていた。そして俺の出番が近づいてきて、使用する工具のセッティングを行っていた。トルクレンチ2本のセッティングやその他の工具のセッティングを。そして俺の出番が来た。さぁ、いよいよ自分の限界を超えた、「死闘」が始まった。先生「よーい。始め!!」という掛け声と同時に、工具を持って、さぁ戦闘開始。俺は、この時の為にと、体力が既に限界に等しい中、身体に膨大な負担が来る事を覚悟の上で、禁忌とも言える、「オーバーブースト」を発動して、強制的に「フルパワー」を発揮させていた。まずは、ストラット側の2本のボルトを外して、その次に、エンジンルーム側の3本のナットを外して、先生に「ストラット外しました。着けます!!」と言い、まさに死闘とも言える戦闘を始めた。超えるべき、倒すべき相手は、「どっかの誰かさん」ではなくて「俺」自身。そして途中、「オーバーブースト」で、体力がほぼ限界になった中、「せめて、最後くらいは…」と、今まで以上の限界を超えてやろうと、本来なら人間にとっては、かなりのリスクが伴うどころか、人によっては、今後にも影響が出る、「リミッターカット・オーバーブースト」を敢行して、ただでさえフルパワーなのに、それの約2~5倍近いパワー出すとかいう、かなりハイリスクで、非常にデンジャラスな荒業をやってのけた。そして上3本のナットを締めてからが、自分にとっての本番だ。予め15N・mを入力したトルクレンチを使い、固定が終わると、そこから、もうメンバー皆が俺を応援してくれていた。さぁストラット側の2本のボルトも取り付けに入った。もう体に伝わってくる痛みも、もう無いに等しい体力を気にしている時間が、とてつもなく惜しかった。試験会場には「ガンッ!ガンッ!ガンッ!」とボルトを叩き込む音が響き渡っていた。そして上側の「合いマーク」を合わせてそこから工具で固定しつつ、80N・mという大トルクを入力したトルクレンチを用いて、固定を終え、工具をリセットする作業に取り掛かった。そして全て終えて「終わりました。」と言って試験を終えた。結果は、規定時間から1分50秒オーバーの、11分50秒だったけど、練習より約13分近く短縮出来た。そして俺は、もうとっくに限界を超えていた身体でやってのけたから、思わず「これが…諦めないって…事だ!!」と言ってしまった。そして試験を終えた後思わずメンバーとグータッチしたのも、良い思い出だし、試験を終えた直後に、気が抜けたのか、自分の本来の限界を超えたパワーを発揮してしまった反動が来てしまい、右手親指に、今まで経験したことが無い激痛が襲いかかって来た。そして身体中もその反動が来てしまいものすごく痛かった。けど嬉しい反面悔しさもあった。「もう少し早ければ規定時間で終える事が出来た。まだまだ未熟な自分に、すげぇ腹立つし悔しい。」という悔しさも湧いていた。もう家に帰るなり、すごく疲れており、眠気に襲われて、次の日は、朝8時くらいまで目が覚めなかった。そして、右手親指の痛みも1日で治る訳無い為、「スタビライザー」で強制固定して過ごしていた。だけどあの試験で減点されたのは、規定時間オーバー(1分)の2点の為、被害を最小限に抑える事が出来たのが救いだ。もしも、あと10秒遅れていたらマジで危険だった。ハッキリ言って、俺はまともに試験を終えた記憶が無い。何かしらのハプニングに遭遇したりしている。だけどあの試験で俺は、10分という、超短期決戦ながら、意外な耐久性も披露する事が出来た。実はこの時、メンバーからは、「規定時間なんて、もうどうでも良いから的確に落ち着いてやれ。」と言い聞かされていた為、ある意味「時間オーバー覚悟」で、的確にやる作戦を採っていた。その為、規定時間オーバーも想定内だった。と言っても、この手のヤツを規定時間内に終えた事なんて無い為、敢えて安全策を講じていた。なんて言う裏側がある。でも翌日は「メカコン」観戦の為、家でのオンライン授業となったが、はっきり言って、まだ疲労が取れてなくて、ものすごく眠たかった。実際準備時間中に寝てしまったくらいだった。でも過去の自分との決着をつける事が出来て俺自身すごく良かったし、己の才能を過信して自惚れていた自分に決着をつけれた事がものすごく嬉しかったし、一区切り付けることも出来た。

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