書評:全国民が読んだら歴史が変わる 奇跡の経済教室(中野剛士)

そういや、noteなんてやってたなと思った。自分の読んだ本でも投稿するメモにしよう。

■内容の要約(たぶん)

日本経済はデフレに苦しんでいる。デフレは、「需要不足/供給過多」であるため、需要不足を埋め、供給力を高めすぎない政策が求められる。具体的には産業・労働者の保護、大きな政府的政策、減税など。平成以降の日本では、それとは真逆の増税、小さな政府、構造改革などインフレ対策が行われている。

デフレ下では、個人や企業が消費・投資を行わないため、経済成長が行われない。需要のない状況下では、企業のイノベーションなども発生しづらくなり、生産力が高まらなくなる。この生産力こそが日本経済の力とでもいうべきものだが、デフレ下では、生産力が毀損され続ける。

では、具体的にどうすればよいか。デフレ下においては、政府は財政赤字を拡大する必要がある。MMT(現代貨幣理論)によると、政府の財政赤字拡大は、それと同額の民間貯蓄を生み出し、不足している需要を埋める効果がある。加えて、日本政府が自ら通貨を発行することができる円建ての国債を利用している限りにおいては、円がデフォルトに陥ることはないため、ほぼ無制限に政府は赤字を発行することが可能。

しかし、財政赤字を拡大しすぎると、大幅なインフレとなってしまうため、財政赤字にも限度がある。それは、インフレ率(国債の長期金利)である。インフレ率を許す限りにおいては、政府は財政赤字は拡大可能。そもそも、経済成長は、マイルドなインフレを想定していて、インフレはデフレとは逆に「需要過多/供給不足」であるため、供給不足を埋めるために企業などは投資をすすめるようになり、経済成長をすることができる。

つまり、まず政府の財政赤字を拡大し、デフレを脱却しないことには、日本経済の立て直しは不可能である。

■感想

本書でも触れられている、貨幣に関する理解をすれば、中野さんの主張はすんなり受け入れられる。生まれてこの方デフレ下の環境しか知らないので、早くややインフレの状態になって欲しいもんです。ちなみに、中野さんに関しては、TPPが出てきたときから知っているけれど、その時と変わらず本質的な議論をされていて、かつ論理も明確なためわかりやすい。

最近、中野さんが2025年の崖に深く関わっていたというのをしって驚いた。

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