見出し画像

夫の死【4日目】

今日はお通夜。
お棺が葬儀屋に移動する時間は
当日の朝連絡が来る。

午後2時。
お棺をスタッフが運び出すと、私と子供も会場へ


父は要介護者で手助けがいる。
姉が車にのせ両親と会場に移動。
着くと車イスをお借りした。

会場の説明や、式の打合せを行う。

湯灌(ゆかん)を頼んだ。
寒いなか、裸でお棺にいることが不憫だ。
亡くなってから6日が経っていること
その間、体を拭いても洗ってもいないこと
顔についた血液を取りきれないのを何とかして
ほしい。

湯灌 8万8000円。
高くても自分では出来ないのでお願いする。

控室に、湯船を搬入して行う。
訪問入浴と同じシステム。

私と息子も一部 一緒に
スタッフの指導に沿って行う。
洗ってあげたかったが家族が肌に触れる行為は
無かった。

お湯で流しオイルマッサージ、顔剃り、死化粧、
整髪、死装束の仏衣を着た。

身長に足りなかったお棺をこちらの会社のものに代えてくれた。葬儀屋によりサイズが違うのか?

血色が良くなり、死化粧は美しく もう裸ではない
頭も真っ直ぐで見栄えに問題なし。
綺麗になって良かったね。

通夜式は夜7時
参拝者が来られる。多忙な中、遠方より時間を
作って参列して下さった方々。ありがたい。

口々に「信じられない」と言われる。
一週間前まで共に働いていた仲間達。
主人の行動的で陽気な人柄と目の前の姿が
私も信じられない。

お坊様が着くと別室に挨拶に伺い
通夜のお布施をお渡しした。
当日に支払うので、明日は葬儀・初七日の費用をお渡しする。

お坊様とは、電話では話していたが
お会いするのは初めて。
この先ずっとお世話になる方。


遺された者の心の持ち方など
ありがたい話しをお聞きする。

姉は泣いていた。私は涙は出ない。
自分は冷酷人間なのか?

通夜式。
お経の間、心の中で夫に今までのお礼や思い出話
ご苦労さまの言葉、お別れに沢山の方が来てくれて嬉しいねと伝えたり、後で読み上げる挨拶文を
復唱する等していた。

喪主挨拶の直前はプレッシャーでえずく。
来て下さった方々に、夫に代わり生前のお礼と
感謝の気持ち・元気な頃の様子・亡くなった経緯などを伝えた。


会場での宿泊者は私と子供、親戚2人の4人。
姉が遅くまで一緒にいてくれたので、
親戚とあまり喋った事がない私は大変助かった。

息子が不機嫌。
この数日は子供そっちのけで放置状態。


泊まる部屋を親戚と変われだの、
1人は暇だが皆と一緒には居たくない、食事も
別部屋を希望するなど何かと突っかかってくる。

15歳の彼は父親が亡くなり
私以上に心が乱れているだろう。
一緒にいてあげたいがそうもいかない。
後ろ髪引かれつつ、少し会話をしたら皆さんの元へ戻る。

親戚は明るい人柄。
弔い酒では久しぶりの再会に話が弾む。

寝不足続きで、寝入りそうになるのを堪えつつ
深夜2時を回ると姉も帰り、お開き。

今日こそ夫と同じ部屋、側で寝ようと決めていた
。が、親戚の男性達が案内した部屋じゃなく
お棺を安置した部屋で共に寝たいと布団を敷いた
。しまった!

もういいや。
私も隣に布団を敷くと、1人が遠慮して出ていった。やっぱり そうなるか 。。。


子供の頃から夫を可愛がってくれたであろう
叔父と従兄弟。県外から帰って来てくれている。


心残りではあるが、彼らを呼び戻し
私は別室に移動した。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?