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「タッチ決済」この一年、そして来年は

本邦においては「タッチ決済」がようやく芽吹き始めたという状況ですが、その動きを少しまとめておきたいと思います。

1.Visaのタッチ決済対応カードが、日本において1,000万枚を突破

わりと大々的に発表されたのですが、いまいち印象に残らなかったのはなぜでしょうか? それには理由があります。

2.Google PayでVISAのタッチ決済が使えるようになる
 これは正直驚きました。これまでFeliCa非対応NFC端末というものが存在していたわけですが、日本においてはそれが決済に全く使えなかったわけです。ただの電子マネー残金確認機でしかなかったわけです。ところがそれがいきなりタッチ決済が使えるようになったわけですからどでかい風穴が開いたといってもいいでしょう。

3.タッチ決済、使えるところが少ない問題
 これねぇ…… どうしたらいいんでしょうね。2019年12月現在、コンビニでそれが使えるのはローソンだけというのが、それを端的に表していると思います。イオンは2018年に導入するといっていたのですが近傍のお店ではまだどこも使えない状況です。来年は少し変わるのでしょうか……

4.タッチ決済をめぐる店員さんとの戦いの勃発
「タッチ決済でお願いします」
「すいませんこのレジでは使えないんです」
「タッチ決済でお願いします」
「すいません電子マネーはうち扱ってないんです」
「タッチ決済でお願いします」
「……」
「タッチ決済でお願いします」
「やってみますね…… やっぱりできません」
これみんな、タッチ決済を使える場所でいわれた言葉です。
いや、最近のPay系の勃興からすると、店員さんの苦労もわかるんですよ。覚えるのが多すぎると思います。しかしそれがタッチ決済チャレンジャーたちの挑戦を阻んできたのも事実です。来年は認知度が上がるといいですね。

ではここから少し海外に目を向けてみましょう。

4.タッチ決済の技術を応用した公共交通機関の「オープンループ」化じわじわと広がる
https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1905/24/news050_4.html

各国の切符や交通系ICカードではなく、タッチ決済機能付きクレジットカード(およびデビットカード)を使って改札を通過できるものすごい技術です。これを「オープンループ」といいいます。その国の公共交通機関でしか使えないものではないのでオープンなわけです。

特に海外の旅行者にとって便利なんですが、公共交通機関を運営する団体にとっても実はお得な話なんです。例えば独自のICカードを新たに作ることを考えてみてください。まず物理的なカードを作らなければなりません。またそのための改札システムを作らなくてはいけません。チャージするための機械を作らなくてはなりません。オープンループであればそれらが必要なくなるわけです。

あと、なんとなくFeliCaと比べて反応が遅いんじゃないのと思われがちですが……

オープンループの難しさは「入りと出の両方のタッチを認識し、差分をカード請求する」という仕組みにある。これを運営各社の料金ルールに照らし合わせて改札を高速処理する点も特徴だ。技術的には、入場時点ではカード番号だけをチェックしてすぐに通過させてしまい、移動中に処理を行うことでカード処理にかかる時間を低減し、例えばTfLでは500ミリ秒以内で処理を完了させている。

FeliCaの改札での処理速度は0.1秒以内ですが、これはチート的な速さですのでちょっと反則とも言えるので参考にならないのですが、ロンドン交通局の0.5秒以内というのは極端な混雑でなければ十分実用的な範囲であるといえます。

結論としては…… 使えるところ増やしてくださいい。あとJRさんオープンループ導入して。

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