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Google Fi入門・その2比較

前回はGoogle Fiの基本的な情報を書きました。ここで続く話としてはどのようにして使うのかという点になろうと思います。しかしその前に「果たしてこれを手に入れるのは本当に得なのか?」ということに触れたいと思います。といいますのもわたし自身そのほかの方法を調べてみるといささかGoogle Fiの微妙な部分についても気づくことがあったためです。

まず料金についてです。率直に言えば値段だけ見るとGoogle Fiはそれほど安いわけではありません。いやむしろ割高であるかもしれません。例えばThreeですと1ギガ990円、3ギガ1740円となっていてGoogle Fiのそれより安くなっています。忘れていけないのはGoogle Fiには毎月の基本料20ドルが発生するということです。

次に始めやすさについて。これが最大のネックだといえます。そもそもGoogle Fi側が使わせてくれない限り、始めることすらできません。そして物理SIMもアメリカ以外で受け取ることができません。さらに設定のページが英語しかないので言語的に敷居が高いといえます。

また「Google Fiが提供するすべてのサービス」が使えるとしている端末が限定されているのも地味につらいところです。

では利点は何でしょうか? 210以上の国と地域で使えるというのはほかのものと比べて秀でた特徴に見えますが一概にそうとは言い切れません。というのも日本の通信事業者の海外ローミングでも同程度の範囲をカバーしているからです。ではdocomoやauで海外でバリバリ使えるでしょうか? 問題はそこです。

Google Fiはどこで使っても、モバイルデータに限って言えば(制限を解除しない限り)月最大60ドルまでしかかかりません。もちろん通話料金は別ですが。この「どこで使っても同じ」というのは一見すると割高に感じさせる要因ともなっています。実際アジアやヨーロッパにおいてはこれよりも安い値段のSIMが存在します。ただ、すべて同じ値段というのは使う立場になってみると非常にわかりやすく、また無駄がないといえます。というのも多くのSIMにおいてはそのモバイルデータの容量で先払い料金が決まるからです。使い切っても使わなくても値段が同じなのです。さらに付け加えるとSIMの使える地理的範囲というのが決まっているのが通例でしかもその場所によって値段が違ったりします。Google Fiにはそれもありません。

加えて海外SIMにありがちな日数の縛りがありません。1ギガ・7日間とか3ギガ・30日とかのあれです。

料金についてはこれまたSIMにありがちなトップアップによる前払いではなく後払い方式で日本の携帯電話料金の支払いと同じです。繰り返しになりますがそれですので料金には無駄が発生しません。

そして、Google Fi向けに設計された端末を使えば何も設定しなくてもつながります。アクセスポイントとかアクティベートとか必要ないのです。正確には使い始める前にはGoogle Fiアプリのインストールを行い、そこで使用開始のための操作をする必要はありますが、すでにGoogle Fiのサイトで求められる入力が終わっていればほとんどといっていいほど作業することはありません。

と、長々とまとめましたが個人的な使用感を最後に述べます。

Google Fiは本当に素晴らしい。これはヨーロッパ周遊をしたときに実感しました。オーストリア、ドイツ、ハンガリー、スロバキア、チェコと飛び回りましたが問題なく使えました。ところでヨーロッパに向けて旅行するときに、できるだけ節約したいと思っておられるかたであれば中東系のエアラインでの移動になることと思います。あるいはアジア系ということもあるでしょう。そこで問題になるのは中継地点の空港のある場所です。目的地であるヨーロッパ向けのSIMを準備すると、その中継地では使えないということがあります。特に中東は鬼門でヨーロッパ周遊系SIMで使えるものはなかなかありません(使えるのはAIS SIM2Flyぐらいではなかろうか)。

では最終的なページとして、どのように使用するかについて次回まとめたいと思います。

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