どうこの先生きのこるべきか。(How should the teacher mushroom?)

 「生まれ変わる」という表現は不誠実だ。(輪廻転生の話ではなく、個人の生き様、有り様をまるっと変化させるという方の意味)
 これまでの自分や自分に関わってくれた人たちに対して失礼だし、「そもそも“生まれ変わりたい”って言うやつはだいたい生まれ変われないじゃん!」とも思う。今までの自分を消し去って新しくなりたいなんて、虫のいい話ですよ。
 なので「これまでの自分を延長したい」という表現をしたい。そもそも、生まれ変わって一から出直せるような年齢でもない。カードの引き直しではなく、手持ちのカードを強化していく方が現実的だろう。
 延長と言っても「ライフステージを高める」というような自分自身の望みと向き合わず社会に自分の価値観を丸投げして安心感を得たいということではない。あくまで自分のままで、自分の価値観で必要な能力を得たり、必要なものを得ていきたいということ。
 まずはその延長の一環として会話におけるジャブを覚えたい。
 僕は今まで、会話ではストレートパンチをひたすら撃ってきた。重い一撃。刺さる人には刺さるが、不謹慎で、他者を傷つけすぎる会話法。泥酔してわけわかんないことを言って面白がられる会話法。実際、俺もストレートパンチが大好きだし、他者を傷つけない面白さなんかないと思っている。不謹慎最高。
 でも相手を選んで撃たないと、味方だと思ってた人にすら嫌われかねない。嫌われた。「実は嫌だったんだな」ということに気づけていなかった。己の未熟と甘えを恥じた。
 閑話休題。ジャブはどうだろう。めちゃくちゃ面白かったり、深く刺さることはないが、場の雰囲気が賑やかになり、楽しくなる会話法だ。
 今日夜学バーbrat(店)で、ジャッキーさん(店主)の言葉はほとんどこのジャブだった。(本人も「面白さより楽しさの方が好きだ」というようなことを平素より言っていた気がする)
 周りも楽しそうにしていて、「あ、こういう面白さで良いんだな」と思った。確認できただけでも、ストレートパンチは「あくん(僕のこと。昔mixiで名前を“あ”にしていたのであくんと呼ばれている)、そこクーラー当たるけど寒くない?  あ、デブだから大丈夫か」くらいだ。相手をきちんと選んでいる。確かに、僕相手ならストレートパンチ一択だ。
 しばらくはストレートパンチを封印し、ジャブの練習をしようと思う。ストレートパンチを活かすためにも、ジャブは必修科目だ。幸い、人と話す機会には恵まれている。大振りのストレートパンチを撃っているのを見かけたら、後ろから頭を銃で撃ち抜いといてください。
 夜学バーbrat、お疲れ様でした。(明日閉店)

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