他のeスポーツプロリーグと比較したBPL2021

決勝戦からかれこれ2か月がすぎ、各チームのイベントも一回り行われてBPL2021は”過去”になろうとしています。
私もご多分に漏れずBPLにすっかりハマり、感想という名のお気持ちを書こう書こうと思っていたものの仕事が多忙になりもう2022が目前に迫ってしまいました。
仕事納めを迎え、ようやく今年の宿題がこなせそうです。
というわけで、あでりーと申します。ゲームに関しては最近は自分でプレイする暇があまりなく、専ら(”観る将”よろしく)”観るe”です。今回はBPLへ一つ想いをぶつけたく、どうやらnoteへ投稿するのがお作法らしいので一念発起アカウントを取得いたしました。

*.はじめに


ところで私はBPL以外にもeスポーツプロリーグを複数観させてもらっています。(仕事が多忙なのになぜ観ているというツッコミは不要で。耳寂しい時にはお供が欲しいものです)
・RSPL:シャドウバースプロリーグ
・SFL:ストリートファイターVプロリーグ
BPL2021については多くの方が分析を書かれているが、どうせなら他のプロリーグと比較する形で、なぜBEMANIプロリーグが盛り上がりを見せたのか、私の目から見て思うところを書いてみよう。もちろん3つとも好きで楽しく見ているのだが、今日はBPLとの比較ということで他2つはちょっと泣いてください。
なお私はどのゲームも少なくとも年単位でプレイしていたものの、IIDXはHYPERが弾けずストリートファイターは昇竜拳が出せない、シャドバはグラマスになったことがないクソザコです。すなわち『ゲームのルールは知っている、ただし見ているだけでは技術的な面はわからない視点から観ている』ことをご了承いただきたく、初心者目線ということで開き直って書いていきます。

1.RSPLとの比較…週刊コンテンツとして切れ目のない話題の提供


シャドウバースはプロリーグ以外にも3か月おきのRAGE、JGC、世界大会などイベントが目白押しで、結果としてプロリーグの開催がそれらのイベントを避けるようにしか配置できず、開催が不定期になっています。
BPLは週刊コンテンツとすることで視聴者への習慣づけが上手く働いている感がありました。やはり間が空いてしまうと興味は下がっていくものです。
加えて決勝前に1週置いたのも上手かった。サッカーワールドカップが(予選は毎日のように試合があったのに)準決勝、決勝になると試合のない日が出てきて、否応なく終わりを意識してしまい一抹の寂寥感を感じる、まさにそれと同じ感触でした。この辺はリーグ側も承知で日程編成したのでしょうか。
なおSFLは週3かつ月火木曜日なのでより頻繁に話題提供できているが、その辺は。。。好み?週末の夜に仕事を忘れてお酒を飲みながら、気持ち安らかな状態で視聴できるというのは個人的にはちょうど良かったのです。(そして試合を見ると安らかどころか心臓がどっかに行く)

2.RSPL、SFLとの比較…本来は対戦型ではないゲームでの対戦

BPLについて最初は「なぜ本来(直接相手に干渉して)対戦するものではないIIDXを試合化するのか」非常に疑問に思っていました。ところが蓋を開けてみればこの大成功。
対戦型ゲームは片方が相手を凌駕すると、相手側の技量は基本的には全く見えません。解説がその辺(駆け引きなど)を補足してくれることもあるけれど、基本的には負けた方は『ザコ』扱いになってしまいがちで。特にシャドウバースは後講釈がやりやすく、プレイへの非難が飛ぶことも多く感じられます。
ところがIIDXでは純粋に技量を競うことの副産物として、負けた側の技量も可視化されています。(10落ちもすごいが4落ちは化け物とか、2300超えが異常なだけで普通は2100オーバーでも十分勝てるとか)
さらに視聴者とプロとの技量差も明確です。対戦型ゲームだと(それこそ阪神ベンチ裏のヤジと同じく)自分なら勝てるとの思いから罵声も飛びがちだが、BPLでは基本的に視聴者はプロにはかなわないことが明白になっています。その結果としてコメント欄が非常に平和で、たとえ勝ち星に恵まれなかったり(参加したプロの中では比較的)弱いと思われているプロも、視聴者から大きなリスペクトを受けています。
コメント欄の治安が悪すぎると観る気を無くす層も一定数いると思われるが、BPLでは全くそんなことが無く、視聴者が熱量を保ち続けられた要因の一つになっているのではないかと思っています。

3.RSPL、SFLとの比較…試合間のつなぎのコンテンツ

普段ゲームを楽しんでいるときはなかなか意識できないが、プロ同士の試合ではどのゲームも試合前の設定時間が非常に重要であり、それ相応の時間がかかるということに気が付きました。
その時間を埋めるために過去戦績の紹介やインタビュートークなどが『つなぎ』として挿入されがちですが、BPLではDJプレイという他には無いコンテンツを持っており、試合開始までの時間が全然苦にならないのです。これは他に比べて大きく優位であり、『eSports×音楽』の狙いがバッチリとハマっていたように感じます。
音楽という面では試合終了直後~スタジオトークの間もしっかりとDJが繋いでおり、結果としてBPLは(生配信を逃して)視聴しているときに時間SKIPすることが全くありませんでした。すなわちコンテンツへの没入感がより深かったのでしょう。

4.SFLとの比較…技術面の見やすさ(但し後天的な要素として)

SFLを見ていて、技が決まったり勝負がつく過程について素人目からは難しさや駆け引きの過程が全く分からないなぁ、という想いを持っていました。フレーム単位の選択肢などさすがについていけないのです。
BPLでは譜面が難しさのポイントを示しているため、スピード感の割にはプロの凄技を見て取りやすいと感じています。ただし、譜面がRANDOMだとただただ『ノーツがたくさん降ってきて大変』となりがち。
ところがBPLは正規オプション優位となりました。正規譜面はトリル、階段、デニムなどの要素が比較的認識しやすくなっており、主観だがRANDOMに比べて『華がある』。Thor's Hammerとかは正規でプレイされたからこそ盛り上がったでしょう?
正規オプション優位については(個人としてSEIRYUプロの活躍もあったが)CHARGEの独立ジャンル化も寄与していると思われ、リーグ主催側の仕掛けとしてある程度正規優位を意識していたのではないかと邪推しています。
ともあれ、プロの技術的な凄さが素人目に分かりやすいと、特に初級者~中級者としてはよりコンテンツに興味を持続しやすいのではなかろうかと思われます。BPL2021が多くの視聴者を獲得できたのには、実はこんな要素もあったのではないでしょうか。

5.RSPL、SFLとの比較…”わかっている”ゲスト


進行面として、中級者(中伝の人捕まえて”中級者”が適切かはわからないが)のYUNOCY/NU-KO/EIKAのお三方のどなたかを進行解説以外に常時呼んでいたのも良かった。難しさの”実感”を語る役としても、試合とリーグの盛り上がりを視聴者と共有する役としても、とても良い仕事をしていらっしゃいました。
(本当は荒木さんや1048さんについても良いところ書きたいが、進行はRSPL・SFLも名実況・名解説がいらっしゃり全く負けていないので”比較”という面では書くところがない。だが、プロの凄さを言語化する解説や進行の役割はeスポーツの成功には欠かせないもので、お二人もBPLの盛り上がりに大きく貢献しておられたと思います)

*.終わりに


本当はもっと語りたいこと(5鍵初代を知る者として、とか!)いっぱいでテーマを絞ったことを若干後悔していますが、先達が既にたくさんの言葉を残してくれているので、まあいいか。
BPL2021は非常に良かった。(小並感)望むらくは2022、2023とBEMANIプロリーグが発展のサイクルを保ち続けられますように。。。BPL2021で全部出し尽くしました、とか無いですよね?

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