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ドリッパーのお話【V60編】

どうも、+ninth coffeeの代表兼ロースター兼広報担当の寺村です。

初回更新からだいぶ開いてしまいましたね。

今回は先日Instagramの方で少し触れた、ドリッパーのお話です。
昨今どんどんと増え続けているドリッパー…。
ぶっちゃけそれぞれ何がどう違うのかってよくわからないですよね。
私自身普段よく使うもの以外はよくわからないのも実情なので、自身の勉強がてら毎月1個新しいドリッパーを取り上げて紹介していこうかなと思います。

と、いうわけで月イチコラム初回である今回はHARIO V60のご紹介。

HARIO V60とは

HARIO V60は、グラスマグやコーヒーサーバーなどのガラス製品を製造、販売しているHARIO社が2005年に発売し、2008年頃より始まったスペシャルティコーヒーブームに盛大に刺さり、以後現在に至るまでスペシャルティコーヒー業界を中心に世界中で最も使用されている円錐形のコーヒードリッパーです。
ちなみにV60の”60”はドリッパーの壁面同士の開きが60°だからだそう。
今から10年以上前私が初めてV60を耳にしたとき、Version60の略かと思って試作の多さに震えたというのはまた別の話。

カラーや材質のバリエーションが豊富

V60はカラーや材質等、かなり種類があるので現在Amazonで今すぐポチれるものをピックアップしていきます。

最もベーシックなガラス製でオリーブ材の台座が付属しているもの。

300円台の安価で購入ができるプラスチック製のもの。

投げたり踏みつけたりして曲げなければ半永久的に使用できるメタル製のもの。

保温性が高く、赤と白の2色から選べる陶器製のもの。
こちらも結構安い。

ちょっと別種にはなりますが、ペーパーレスで使用できる金属メッシュフィルター。

あまり見かけたことはありませんが、ナイロンメッシュフィルタータイプ。

ペーパーフィルターのクリーンさを維持しながら浸漬式の安定した抽出を実現したSwitch。
(私も焙煎豆のテイストチェックに使用することもあります)
こちらは似たものだとクレバードリッパーなどがありますね。

蒸らしなしで1湯だけドリップするというコンセプトで作られたMUGEN。

などなど、現在Amazonで購入できるだけでも8種類もカラーリングや材質、コンセプトの違うものがあります。
特にSwitchやMUGENなど、今までのペーパードリップ抽出の固定観念を覆すドリッパーは面白いですね。
これからもHARIOさんのV60シリーズには期待です。

V60はフィルターも選べる

HARIO V60はそのユーザーの多さから純正フィルターはもちろん、非純正フィルターもいくつか販売されています。
もちろん中にはとりあえず形だけV60に合わせただけのような廉価品もあれば、プロユースを想定したハイエンドフィルターも存在します。
今回はそんなハイエンドフィルターもいくつか併せてご紹介。


純正フィルター


こちらはみんな大好き純正フィルター。
値段もかなりリーズナブル。
最近おうちコーヒー界隈では「箱版のフィルターの透過スピードが変わった!」と話題になりました。
・フィルターの内側面がザラザラした質感だったのがツルツルに。
・わずかに薄くなった
等、わずかな変更はあったものの、公式発表では「自社で抽出テストを行った結果、大きな差異は確認されなかった」とのことなので、実際問題どうなのかは真偽不確かですね。
もしかしたらコーヒー系YouTuberの方などが比較動画を上げてるかもなので気になる方は調べてみてください。


アバカフィルター


次はスペシャルティコーヒーを扱うコーヒーショップのバリスタ界隈から度々熱視線を浴び続けるアバカフィルター。
三洋産業さんというところが作っている、アバカというバナナの近縁にあたる植物の繊維を用いて作った紙フィルターです。
紙の両面にクレープ加工という凹凸加工施すことによって抽出スピードをコントロールしています。
また、アバカという植物の繊維は一般に紙の製造に使われる木材の繊維の50%程度の細さであるため、非常に湯の抜けが早いことがこの商品の特徴です。
さっさと抽出終わらせて余計な雑味出さずに美味しいコーヒー仕上げようぜ!がコンセプトの商品ですね。
私も使っていますが、湯の抜けが早すぎず遅すぎずの絶妙なラインなので非常に抽出コントロールがしやすい印象です。ドリッパーの中にたまりすぎないのは淹れていてとても気持ちいいです。

また、このアバカフィルターは浅煎り用、中煎り用、深煎り用のラインナップもあります。
 (Amazonでは売ってませんでした…)


浅煎り用
中煎り用
深煎り用


この三種類、違いとしては厚みとクレープ加工の凹凸の深さです。
この凹凸の深さが深ければ深いほど目詰まりを防ぎ、湯通りをスムーズにする効果が高くなります。

なので
浅煎り:加熱時間が短く水分含有量の多い関係で抽出効率の低い為、長時間湯に触れるクレープの凹凸が浅いもの
深煎り:高温に長時間晒されて多孔質化し水分含有量が低く抽出効率が高い為、湯通りがはやいクレープの凹凸が深いもの
という位置付けだそう。

先日手持ちの浅煎り用で検証したところ、アバカのノーマルフィルターで3分程度で抽出が終わった浅煎り豆で、概ね6分程度の抽出時間となりました。
あまりに遅すぎない?抽出しくじってた??
焙煎度に合わせたフィルターっていう着眼点は非常に面白いですね。



最後に

Sibarist CONE FAST Specialty Coffee Filter


Sibarist CONE FAST Specialty Coffee Filter

こちらのフィルターは私も2022年のSCAJのKiguさんのブースで初めて見て、度肝を抜かれた商品です。
今まで見た中で一番抽出速度が早く、今まで見た中で一番高価!笑
お値段なんと25枚で2,310円!100枚入でも5,830円!

そんな震えるお値段ですが、抽出速度は圧倒的に早いです。
HARIO Switchを使用した抽出実験では

HARIO 純正フィルター
2分17秒

Cafec T-92 Light Roast(先述の浅煎り用アバカフィルター)
1分56秒

Sibarist CONE FAST 
47秒

という結果だそうです。
こう見るとSibarist圧勝ですよね。
欲を言えばアバカの標準フィルターも比較として挙げてほしかった…
まぁこういう特異な性能を持っている超高級フィルターなんかもあったりします。


まとめ

さて、長々と書き連ねましたが、やはり世界中で一番使われるV60。
ブリューワー本体もですし、フィルターもですが、カスタマイズ性の幅が非常に広いのが一番の特徴かと思います。
みなさんもお好みの組み合わせを見つけて、より自宅でのコーヒーライフを楽しんでみてください。

それではまた!



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