Appleのプレス機PVが嫌悪され、ドカ食い大好きもちづきさんが受け入れられている様子なのが、とても気持ち悪い

ある朝、Appleが発表したiPad ProのCMが物議を醸していた……いや、普通に炎上していたと言っていいだろう。楽器や画材、遊び道具を巨大プレス機で潰していく様を映した映像だったからだ。
大半の日本人はあれに嫌悪感を感じただろう、自分もそうだった。
だが、Youtubeにはああいった「様々な物をプレス機やシュレッダーにかけてバキバキに粉砕していく映像」が一定の再生数を獲得できる娯楽として投稿されている。有名なのは、ランボルギーニ・ガヤルドをシュレッダーやプレスに掛ける動画だ。

どちらも投稿から1年程度しか経っていないにもかかわらず、再生数は億越え。プレス機に至っては2億オーバーである。
これ以外にも、小型のプレス機でクレヨンや絵の具を潰してブチャッと飛び散らせたりする映像も多数存在する。
そう言った映像を「娯楽」とみなす一大勢力が海外にはいるのだ。

なので件のAppleのCMも、日本人は怒る人は多かったがそれを窘める人も少なからずいた。自分も既にプレス機動画をいくつも知っていたので、その流れだろうなというのは薄々思っていた。

それが巡り巡って「怒っているのは日本人だけ」のような言説が出てくるのはさほど時間はかからなかった。自分はこれには反対である。
欧米にも、プレス機動画に嫌悪感を示す人はいる筈である。アメリカ人にだってハンバーガーが嫌いな人はいるのだ。そして実際、半日ほど経ってからAppleはCMの件を謝罪した。Xでも、Appleに対し「品が無い」と言った旨の英語のポストが散見された。
まあAppleは今までも定期的にやらかしてるので(これは別にAppleだからとかではなく世界中の企業がそうである。任天堂だってバーチャルボーイやWiiUといった黒歴史製品を生み出してしまっている)、この話はこれで終わりだなと感じた。

その翌日。Xで新たな話題が沸騰した。
「ドカ食いダイスキ!もちづきさん」なる、限界グルメマンガだった。
TLに流れてくるスクショを見ただけで、虫唾が走った。
キマった顔をしたOLが、現実で作れてしまう頭のおかしいジャンクフードをたらふく食って「血糖値スパイクで"至る"」などとのたまっているのである。
そして、TLに流れてくるのはそれを受け入れ面白がっている人たち。

気持ち悪い。直感的にそう感じた。

昨日あれだけ、下品に物品を破壊する映像に嫌悪感を示していたクセに、下品な現実の限界ジャンクフードを食って間違いなく早死にする主人公が出る漫画を普通に受け入れて読んでいるのだ。

物品が実際に破壊される事はダメで、現実で人死にが起こり得る事態を描いた漫画はいいのか?

じゃあ何か
もしiPad ProのCMが「リアルに作っただけの全編CGです」と言ったら嫌悪感は抱かなかったのか?
もちづきさんがドラマだったら笑えるのか?
それこそ、海外から見れば「おかしな感覚」ではないのか?

もちろん、「もちづきさん」に対しても否定的な意見を言う人は散見された。主に医者であったり、現実の糖尿病患者であったり。
最初は笑っていたオタクも、少し冷静になって「現実でやっちゃダメだよ」のようなことを言う人はそこそこいたが、
「初動で嫌悪したiPadと、初動で受け入れられたもちづきさん」という事実は覆らない。

教えてほしい、何が違うんだ?

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