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どうなってしまうんだこれからのアニメ。

久しぶりにアニメの話をしよう。

今期(2020年4〜6月)のアニメ界は、世のご多分に漏れず最悪の状況に見舞われた。その予兆は前期(1〜3月)の半ば頃から見え始め、4月下旬にもなると死んっ昨アニメの制作現場はどこもかしこも完全にストップしてしまった。

放送開始前に全話の制作がほぼ終了していたアニメはいくつかあり、「かくしごと」や「新サクラ大戦」「プリンセスコネクト・リダイブ」など、優れた作品が最後まで完走できそうなのは幸いといえる。

しかし、「放課後ていぼう日誌」「天晴爛漫」「キングダム」(第3シリーズ)など、放送開始後3話ほどで中断を余儀なくされた作品が多々あったことは、辛い記憶として残るに違いない。

加えて、3月以降公開予定だった劇場版アニメはすべて公開延期となり、緊急事態宣言が解除されても、いつ劇場にかけられるのか全く目処もスケジューリングも立てられないままだ。当初から6月以降に公開を予定していた映画を優先するるのか?3月に予定していた分から順番に公開していくのか、関係者の間でも喧々諤々のことだろう。今の所関連する話は全く外に聞こえてこない。

おそらく、3〜4月公開予定だった作品のほとんどは製作作業を終えて劇場にかかる日を待つばかりのはずだ。それなのに表に出せず早数ヶ月。作品を劇場にかけて、お客にお金を払ってもらうことで収益を得ている業界で、その払われるはずのお金がないことは死活問題そのものであり、下手をするとようやく公開にこぎつけた頃には関連会社の何社かがこの世から消えてなくなっていることも考えられる。アニメを見せたい、作りたい、その気力だけでは乗り越えられない限界がもうとっくに来てしまっている業者もいるだろう。

しかし残念なことに、国や政治家様連中から彼らに手を差し伸べようとする具体的な動きが全く聞こえてこない。

アニメは不要不急の道楽ごととでも思っているのか?いやそんなはずはあるまい。何しろついこの前まで「アニメはクールジャパン政策の旗印」と言わんばかりに群がろうとする政治家がゾロゾロといたじゃないか。彼らは今どこで何をしているのか。

取り返しがつかなくなる前に、早くなんとかしてほしい。ファン同士のムーブメントだけではどうにかなるものではない。他にも多くの問題を抱えている現状であることは理解するが、アニメ会だけ置いてきぼりにされていいはずはない。

そうこうしているうちに、間もなく7月がやってくる。1年前、アニメファンが悪夢を目撃してしまったあの日からもうすぐ1年だ。志半ばで夢絶たれこの世を儚くしてしまった京都アニメーションのクリエイターたちは今のこの事態をどう天から見つめているのだろうか。


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