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営業の組織化・仕組み化でやってきたこと【PMFから売上拡大フェーズへ】

アダコテックの佐藤です。アダコテックは製造業向けに産総研の特許技術を使いAI外観検査サービスを提供している会社です。ご興味ある方はこちら(https://adacotech.co.jp/)をご覧ください!

先月が弊社の期末となり、今月から新しい期が始まりました。
前期は我々のターゲット市場調査(PMF)をメインに実施し、その結果をもとに、今期は売上を拡大する営業へシフトしていきます。
そこで、今期迷いなく全力で進んでいくために、このタイミングで前期の振り返りを行いたいと思います。

目次
1.自動車業界をトコトン深掘りした話
2.自動車業界で得た知見を活かし、他の業界へ広げていった話
3.ターゲットが決まり、売上拡大に挑戦する話

1.自動車業界をトコトン深掘りした話

振り返ると2年前、資金調達に成功し、産総研の特許技術であるHLAC技術を活用した「AI外観検査のサービス化」および「販売」をしていこうというフェーズでした。その当時はまだお客様も少なく、製造業のお客様は検査を実施していることは間違いないが、業界ごとにどのような課題があるのか、どの課題に対して我々の技術がフィットするのかは分かっていなく、まずは広く市場調査を実施する状況でした。
⇓【当時実施した内容のnoteです】

まずは5つの業界に絞って市場調査を開始しましたが、5つに絞っても全業界を深く調査していくには時間がかかりすぎる為、いままでの実績から自動車業界を最優先とし、前期の前半は徹底してお客様にヒアリングを実施していきました。それでもまだ範囲は広く、自動車は約30,000点の部品で構成されており製造している企業は数多くあります。そんな中で我々の技術の特徴から考え、他社と差別化ができると想定できる”パワートレイン部品”に絞り、その部品を製造する約40社に絞ってヒアリングを実施していきました。とは言っても、過去にコンタクトをとったことがある会社は数社で、ほとんどはコンタクト履歴がありません。そこで、お客様のHPに問い合わせをしたり、代表電話に連絡をしたり、少しでも繋げてもらえる可能性のある知り合い・商社・金融機関などに連絡をし、ご紹介をお願いしてアポを取っていただくなど、あらゆる方法で一つ一つ地道にアプローチをしてヒアリングをしていきました。(なかなか大変で、やっている時はくじけそうになりましたが、結果をみると思ったよりコンタクトができ、自信がつき、いまでもコンテンツを変えたりしながらこの方法は続けております。)

ヒアリングにあたっては、以下のような内容を1社1社聞いていきました。
・製造工程のどの工程で検査をしているのか?
・既にシステム化をしているのか?人で検査をしているのか?
・現状システムで課題はあるか?
・人での検査に課題はあるか?
・人での検査は何人で検査している?
・具体的な検査の内容はなにか?
・検査の時間はどれぐらいか?
・自動化するために必要な検査精度は?
・検査にかけれる予算はいくらぐらいか?
などなど
また、業界動向からも考え、今後生産量が増えるだろうEV関連の部品が積極的に設備投資をしていくのではないか、など仮説を立てながら質問もブラッシュアップして事実データを集めていきました。とにかく我々が自信をもってお客様に提案できるよう業界の検査情報を深堀りしていきました。
これは同時に、HLAC技術をたくさんのお客様に紹介するということでもあったので、多くのお引き合いにも繋がりました。
このフローは、その後のターゲット業界を新しく広げていくにあたっての基礎となっていくので、非常に為になった半年だったと振り返ると思います。

2.自動車業界で得た知見を活かし、他の業界へ広げていった話

自動車業界をヒアリングしていく中で見えたこととして、今後生産量が増えていく部品は設備投資を積極的に行うことでした。考えれば当たり前のことですが、実際の情報から判断することが大切です。
例えば初めは、既存の生産部品であれば、すでにラインで生産しているので課題も分かり、生産ボリュームも分かるので、その課題を改善・解決することでどれぐらいの効果がでるか見込め、その為に予算を使う。というストーリ―を考えることができます。その課題解決を提案できれば採用される確率が高いのではないか、そのようなことを考えて、既存の課題をヒアリングしていきました。
しかし、そこで分かった事は日本の製造業の生産技術は質が高いということでした。(海外はまだ情報がないので、製造業全体がそういうことなのかもしれませんが。。)
現在動いている生産ラインは、計画時に精度も期間も事細かく検証を行い、運用時はほぼ想定通りに動いています。もちろん、計画時には新しい技術がなく、昔からの方法で計画され実施している工程に対して、新しい技術が生まれることで既存ラインの生産性をさらに上げれるものはありますが、システム化(自動化)できない工程はなかなか難しい内容が多いのが現状です。よって、いま計画通りに動いているラインに新たにシステム導入や置き換えの提案は、かなりの新しい技術がないとそう簡単には受け入れてもらえません。さらには、我々のようなAIを使ったこれからのサービスの採用は期間としての実績が少ない為、さらにハードルが高いです。
そんな中でも提案を聞いてもらいやすいのは、少し先の時期(検討に時間がある)のこれからの新製品の生産ラインや、生産量の大幅アップが見込め生産タクトを縮めることが必要な既存生産ラインの検討に対して紹介していくのがベターだということが分かりました。
そこで自動車業界においてキーワードとなったのが”EV化”でした。EV化に使う部品は、いままでの部品の延長ではなく新しい部品構成が多く、技術的にも多くの企業で作れる部品のため、新しいプレーヤーを含めこれからどう生産していくかがキーになります(良い品質の製品を早く多く生産できるメーカーが有利)。また、地球環境保護の点からも、全ての自動車メーカーが早急に対応を迫られています。
⇓(参考:三井住友銀行の調査情報 https://www.smbc.co.jp/hojin/report/investigationlecture/resources/pdf/3_00_CRSDReport052.pdf) )

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それと、EVという名の通り多くの電子的な制御も必要になり、電子部品・半導体メーカーが注力すべき市場にもなっています。これまでは電子部品・半導体業界については、生産工程は確立されており、新しい技術を持ったプレーヤーの新規参入は非常に難しい業界だと考えていました。ただ、この車載用部品については、これからの技術を使い工程設計する可能性もあり、提案を聞いてくれるタイミングであることがわかりました。
さっそく、自動車業界調査時のノウハウをもとに、EVで使う製品リストとその製品を製造している企業リストを調べて作成し、アポ取りを実施していきました。前回時間がかかった所など勝手が分かっての今回であったため、とても効率的に進めていけたと思います。
結果、半年の期間で約100社程度のコンタクトを実施することができました。
⇓(コンタクト情報は、後で分析・集計できるようNotionに履歴を記入)

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3.ターゲットが決まり、売上拡大に挑戦する話

さて、前期に行ってきた内容を振り返ってきましたが、今期はPMF(前期)で調査した情報を活かし、売上拡大に向けての挑戦となります。
ターゲットとする業界と企業は決まり、市場動向から提案のタイミングとしては良い時期だということが分かりました。また、それぞれの業界における課題もいくつか分かり、解決できるソリューションであることも分かりました。ただ、課題については、同じ業界であっても企業によって詳細は異なる事も多いので、全てに完全にフィットするソリューションではないことは認識しつつ、個々の企業に真摯に向き合ってアプローチしていくことが、これから我々が行っていくことであるということも分かりました。ここからは売上を着実に積み上げていくステージです。これも当然のことですが、お客様にご契約いただくために重要なことはお客様の計画するタイミング(予算を取り設備投資をするタイミング)をきちんと掴んでいく、また、時には我々がそのタイミングをつくっていき、きちんと契約をいただくことが最も重要なことです。
そのためには、分析した蓄積データからきちんと計画をたて実行し、定期的に進捗を確認して、必要であれば改善していくことが必要です。
ちょうど1年前にも、”営業計画と進捗管理”のnoteを書きましたが、今期は前期よりも明確なKPIを設定し、常時進捗を確認して、うまくいったことうまくいかなかったことは何か、うまくいかなかったことを改善、もしくは新しい方法を考え実施するなど常にPDCAを回していくことを行っていかなければいけません。
準備は整い、これからが我々の技術で製造業の新しい検査の有り方を作っていく新しいフェーズの始まりです。我々のミッションである「モノづくりの進化と革新を支える」がこれからいよいよ実現に向けて始まります。
ぜひ皆さんご期待ください!!!

我々と一緒にモノづくりに革新を起こしましょう!
メンバー募集中です。 https://adacotech.co.jp/recruit

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