生成AI「Copilot」の著作権侵害で提訴されたら「責任を持つ」と言い切ったマイクロソフトの未来はどうなる??
ChatGPTを主軸に、いかにビジネスに利用するのかについて、ベタに言うと、「実際、生成AIを使うって、どうやったら稼げます?」的なご相談が増えてきている足立明穂です。
日々、私のnote記事を読んでいる方なら、そんなことは聞かなくても分かるかと思いますが、使ってないとイメージしにくいですよね。
そして、ネガティブな要因もあり、大きい課題の一つが著作権。生成AIの出力が、知らぬ間に著作権違反になっていることも起きうるので・・・。
ところが、ここに終止符(?)を打つかもしれないニュースが飛び込んできました!!
なんと、マイクロソフトの生成AI「Copilot(コパイロット、副操縦士の意味)」で生成したものが、著作権違反で訴えられたらマイクロソフトが責任をとるそうです!!
いやー、こんな宣言したら、もう、マイクロソフト以外の選択肢は無くなるかも!!
でも、実際、どうなっていくのか? 詳細が発表されていないのですが、私なりの予測をしてみました。
その結果、「うまいこと考えたなぁ・・・」って思いますよw
※注意
あくまでも私個人の意見です。マイクロソフトは詳細を発表してないので、今後の発表等で確認してください。また、私は法律の専門家ではないので、あくまで個人的な意見であることはご了承ください。
そもそも、生成AIでつくったものが著作権違反になるってどういうこと?
著作権って、なんとなく分かってるけど、具体的になにがどうなのか、よく分からないですよね(^^;
文化庁がサクッと解説したセミナー動画が、ものすごく参考になるので、これを見ておくことをお勧めします。
資料はこちらから
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/pdf/93903601_01.pdf
著作権は、そもそも、「人が作った」ということがポイントなので、コンピュータが自動生成したものには、基本的には著作権はありません。
しかし、その生成物を何かに利用するとなった場合、だれかの著作物に酷似していることだってありえますよね。
そこが問題になります。
生成AIが作ったネズミの絵が、たまたまミッキー・マウスに似てしまうということだってありえるのです。
そうすると、生成AIが作ったのだからといって、それをTシャツにプリントして販売したら、ディズニーから「真似してる!」と訴えられることになります。
ここは、人が作ったものであろうが、コンピュータが自動生成したものであろうが、関係はありません。誰かが著作権を持っているものに似ているかどうかが問題になるのです。
マイクロソフトが責任を持つということは・・・・
さて、ここで、マイクロソフトの生成AIであるCopilot(コパイロット)が、作ったモノが、たまたま誰かの著作物と似ていて、訴えられた場合には、どうなるのでしょうか?
先の記事では、そのときには、マイクロソフトが肩代わりして、責任をとると言っているのですよね。
訴えられた裁判などをやってくれるそうなのです。
ということは、企業などが、広告やプロモーション、あるいは、映画のシナリオを書いたり、プレゼン資料を作ったりとかで、安心して生成AIを使えるようになります。
だって、著作権で訴えられても、マイクロソフトが責任を持ってくれるのですから!!
すごくないですか??
では、具体的に考えてみると・・・
ということは、マイクロソフトの生成AIを使って、ミッキー・マウスそっくりのキャラクターを作って、Tシャツにプリントして販売しても、何かあったら、マイクロソフトが責任持つのだから、何でもアリなんじゃ・・・・
って、思いました?w
さて、どうなるのか? 詳細が述べられていないので、ここからは、私の想像(妄想?)で考えてみました。
1)あなたが、マイクロソフトのCopilotを使って、仮面ライダーに似ているキャラクターを作成
2)そのキャラクターを使って、Tシャツにプリントして販売
3)石森プロから「著作権侵害だ!」と訴えられる
この後、マイクロソフトに連絡して、
「おたくのCopilotで作ったキャラクターが著作権侵害って訴えられたから、責任とってよ!」
と伝えたとします。
マイクロソフトは、すぐに「あ、じゃあ、こちらで責任もって対応します!」・・・って、なるでしょうか?
おそらく、いろいろと手順があるはずです。
・あなたがCopilotの正規ユーザかどうか?
・そのキャラクターはCopilotで作ったモノかどうか?
この2点は、必ず確認されますよね?
で、その確認のために、ユーザ登録の名前やメアド、いつ作ったのか、どんなプロンプト(Copilotへの指示)を使ったのかは、確認するはずです。
マイクロソフト側では、履歴情報も残っているはずなので、いつ、あなたが、どんな指示を出して、仮面ライダーのキャラクターを作ったのかを確認します。
プロンプトに、「仮面ライダーに似た正義のキャラクター」とか「さらに進化した未来の仮面ライダーの姿」とか、最初から、仮面ライダーに寄せるように指示していた場合は、ダメでしょう。だって、あなたは、最初から著作権違反になるような指示を生成AIにやらせてる確信犯なのですから。
たまたま、似てしまった場合はどうなる?
誰が見ても分かるような似ているものって、見ただけで『そりゃ、使っちゃダメでしょ』ってなるわけなので、そもそもそれを分かって使うことはありません。
しかし、Tシャツにプリントして売りだしたら、ある国で放送されているアニメ番組のキャラクターそっくりだったということも起きうるでしょう。
そもそも、世界中で生成AIを使っているので、今までとはけた違いにコンテンツって増えています。
ネット検索すれば、似たようなのが出てくる可能性はありますよね。
ということは・・・・
ええ、Copilotの仕組みとして考えられるのは、出力結果をまずはネット検索して似てるものがないか確認しているはずです。
もし、似ているものがあれば、もう一度生成するようなことを行うでしょう。
何度も似たようなものがでてくるなら、そういう注意をユーザ側に表示するかもしれません。
なにせ、マイクロソフトは、Bingという検索エンジンを持っていますし、そういう仕組みもノウハウも持っているのですから、組み合わせるのは容易だと思われます。
では、マイクロソフトが責任を取るケースって??
このように考えてみると、マイクロソフトが責任を取るケースって、どれぐらいあるのでしょうか?
ネット検索しても出てこないコンテンツとなると、かなり限定された地域でしか知られていない地方の『ゆるキャラ』といったものでしょうか?
そうなると、今度は、「類似している!」と訴えられた場合に、そのキャラクターを知りえたのかどうか?ってことが問題になります。
著作権侵害になるかどうかってのは、似ているだけではなく、それが制作される前に知りえたのかどうかというのも争点の一つになります。
例えば、地方のタウン誌に使われているキャラクターに似ていると言われたとて、その地方に行ったこともないし、そのタウン誌を見たこともない。インターネットにも掲載されていないから、検索しても出てこない。
そのキャラクターに似ていると言われても、知りようがなかったしぃ・・・ってなことになり、似ていても著作権侵害に当たらない可能性もあります。
こう考えてみると、マイクロソフトが肩代わりして責任を持つケースって、意外と少ないのではないかな?とか思うようになりました。
とは言え、世の中には、一獲千金を狙って(?)マイクロソフトから賠償金をせしめようとする人達も出てくるでしょうから、Copilotを鬼のように使い倒して、どこかで見たようなコンテンツが生成されないか挑戦する人が出てくるかもしれません。
そうなると、マイクロソフトに利用料をたくさん払うお客さんになっちゃってるのかもしれませんがwww
どう思います?w
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