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「NFTアートが売れません」という質問が多いので・・・

「だれにでもわかるNFTの解説書」の著者、足立明穂です。
3刷になっても、まだ、アマゾンでは売り切れてしまうほど好評で、ありがとうございます!!

元々、FacebookTwitterのアカウントはあったので、本を出したことでいろいろなお問い合わせやビジネスのご相談を受けています。
その中で、予想外だったのですが、多いのが「NFTアートを出品してるのですが、ぜんぜん売れてません。どうすればいいですか?」と質問を受けます。

いろいろと忙しくなってきているので、このnoteで、私の回答を書いておきます。そうすれば、「note、見てね!」って返答するだけなのでw。

NFTで出品すれば売れる時代ではない

書籍にも書いたのですが、「NFTにすれば売れる」という時代はとっくの昔に過ぎています。あ、「とっくの昔」と言っても1年もならいでしょうけどw

そもそも、ビープルさんのNFTアート「Everydays: the First 5000 Days」が75億円で落札されて以降、「何やらNFTアートとかが売れるらしいぞ・・・」という認識が広まったように思います。

そして、その後は、世界中でデジタルデータがNFT化され、大量に出品されるようになりました。マ―ケットプレイスも次々と乱立するようになり、毎日毎日、何百、何千というNFTアートが出品されています。

ちょっと考えてみればわかると思いますが、そんな中で「あなたの作品」を見てくれる人がどれぐらいいるでしょうか? TickTokやInstagramよりかは数ははるかに出品数は少ないけれども、すべての作品を見ることなどできません。

出版される本と同じぐらいは出てると思います(知らんけどw)。出版されている本すべてに目を通す、いや、表紙を見るだけすらできないですよね。雑誌にしても、すべての雑誌の表紙を見るなんて数が多すぎて無理な話。

そんな現実を見た時に、マーケットプレイスに出品しただけで売れる、いや、見てもらえると思うのは、大きな間違いです。

どうやって売れていくのか?

では、NFTアートはどうやって売れていくのでしょうか? まずは、そもそも購入者が、どのような気持ちで買うのかを知っておく必要があります。いくつかの理由はあるかと思いますが、基本的な購入者の心理は同じだと思います。

1.金額に見合うものと思えるか?

当たり前すぎるほど当たり前ですが、支払う金額に見合うと感じているから購入します。それが、1000円でも1000万円でも、「この金額に見合うもの」だと思っているからお金を出します。

「これって、たぶん100円程度だよなぁ・・・」って思いながら1万円を出す人はいません。特にNFTアートは、後々、価値が上がるということを望んでいるからこそ手に入れるのであって、いくら好きな絵であっても見合わない金額だと思えば買わないですよね。

マーケットプレイスに出品すれば、購入者と接することがないから好き勝手に値段を決めればいいと思っているかもしれませんが、100万円で売るのであれば、それがなぜ100万円の価値を持つのか、クリエイターが説明する必要があります。説明というのは、OpenSeaであれば、descriptionに書かれていることがめちゃくちゃ重要なのです。

先のビープルさんの「Everydays: the First 5000 Days」は、毎日毎日デジタルアートの時代が来ると信じて1日1作品、5000日間描き続けた5000枚のデジタルアートを張り合わせて作った集大成になっています。これを聞くだけでも、5000日間(約13年半)の労力ということを考えれば、10万円とか100万円ではないよなぁって感じますよね? こういう『価値』をしっかりと伝えないで、10万円と言われても見向きもされません。

2.あなた(クリエイター)はどんな人なのか?

最近のマーケティングでも重要になってきていることなのですが、「誰が作っているのか?」は、とても重要です。何も有名なクリエイターであるとか、受賞歴があるとか、そればかりではありません。どんな想いで作品を作っているのか、クリエイターとして何を目指しているのか、どこまで本気で取り組んでいくのかといった、クリエイターとしての本気度、ユニークさなどが必要です。

購入する側からすれば、クリエイターとしてもっと有名になって世界で知られるようになれば、嬉しいですよね。そのクリエイターの初期の作品を購入したということになれば、自分が発掘したクリエイターのような気持になります。そこまでいくなら、クリエイターとしての熱意や何を目指しているのかといった「どんな人」なのかが大事なポイントになります。そして、これらは、なぜか作品やタイトル、作品の出てくるタイミング、作品数などに現れてきます。クリエイターとしての熱い想い、ありますか?

3.仲間を作ろうとしていますか?

悲しいかな、一人でコツコツとやって売れるというのは、本当に一握りの人で、しかも、天才と言われるような才能に恵まれた人だけです。独創的なクリエイターであっても、仲間がいてはじめて売れるようになります。

あなたのの作品を見てくれるようなと仲間はいますか? あなたの作品を批評してくれる知り合いはいますか? 「いくらだったら売れると思う?」と話せる友達はいますか? あるいは、キュレーターなどの評価のプロの意見をもらうことができますか?

ビジネスの世界でいうマーケティングになるのですが、テストマーケティングのようなことをしなければ、作品の方向性や見せ方が合っているのか、ズレているのかすら気が付かず、無駄な努力をすることになりかねません。

アーティストといえども、基本的なマーケティングのことは理解しておかないと、「稼ぐ」ことはできないでしょう。

まずは、売れている作品のリサーチをしましょう!

ごちゃごちゃ書きましたが、とにもかくにも、売れている作品はなぜ売れているのかリサーチしてください。先の「Everydays: the First 5000 Days」が、なぜ75億円で売れるのか、どんな人が購入したのかなど調べていますか?

「NFTアートを出品しても売れません」と言ってくる人は、びっくりするぐらい何も調べていない人が多いです。私はアートは素人ですが、「NFTの解説書」を書くためにアートの価値がどのように決まるのかとか、美術オークションの歴史など、いろいろと調べました。さらに、NFTアートで話題になったものは、どこで火がついたのか誰が引っ張り上げてきたのかなど調べています。

こういうリサーチをしていくと、先に書いたように「売れたものが、いいもの」になる図式が分かってきます。そのルールを分かっておかないと、「いいもの」を作るのは当然なのですが、車の両輪のようにマーケティングも知ってこそ、NFTアートが売れるようになるのです。

村上隆さんのこの2冊は、必読です!


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