アクチュアリー試験2022 生保2の感想
※私は日本アクチュアリー会の正会員ですが、試験委員ではありません。本記事は個人の感想であり、記載内容の正確さは保証できません。
前回は生保1についてざっくりと感想を述べました。
というわけで今回は生保2について。
生保2
問題1:穴埋め等は平常運転でしょうか。しかし実際に画面で見て解答するのは、慣れないとやりにくそうですね。
問題2:(2)は最近追加された教科書からの出題ですね。生保コースの二次試験全般についてですが、「この問題はあれを書けってことだな」と想像が出来るまで仕上げることを目指しますが、新範囲からの出題は書いてても不安になることがあると思います。その意味で解答を書きにくかったのではと推察します。
問題3:(1)は内部管理の利源分析。実務をやっていないと想像しづらい場面ですね。監督用利源分析は各社共通でやり方まで決まっていますが、内部管理は各社で異なることが大前提ですね。そもそも利源枠を使うかどうか、利源も6つかどうか、費目の各利源への付け替えも含めて、「会社が利源分析で把握したい内容」に応じて各社が工夫をしているところです。追加Vの話は、実務での経験は限られるかもしれませんので、その場で考えて書く場合は難しいかもしれません。
(2)はソルベンシーについて。経済価値ベースについては時事問題ど真ん中と言えます。現行ソルベンシーと、経済価値ベースの両面について、与えられた観点AからCを軸に幅広く書ければよいのではないでしょうか。保険計理人の役割も絡めて書けると、解答に深みが増しそうです。ただし、Cの「収益性向上」については結構難しいと思っていて、そもそも収益性をどう測るかが単純ではないのが生命保険会計の課題になっているので、ここをどう絡めるかが鍵になっていそうです。
まとめ
今年は後輩や部下の論文添削もしていないので、久々に頭の体操になりました。私が受験生のときに強く意識したのは「問われている粒度で解答する」ということです。今回の生保1の論文(1)のように、前提条件が割と決められているときは、深い論点まで触れていました。一方で、今回の生保2の論文(2)のように、ざっくりと問われているときは、広く浅く論点を展開していきました。これが今年の問題でも当てはまるかどうか、模範解答を見ないとわかりませんが、少しでも参考になれば幸いです。
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