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1日5分の免疫学⑭~T細胞の話

本「T細胞の話しよか」
大林「わーい!推し細胞!」
本「T細胞抗原認識をするTCR(T cell recptor、T細胞受容体)の土台となる蛋白CD3。つまり、CD3蛋白を表面に持っている血球細胞はほぼ間違いなくT細胞
大林「ちょいちょい出てくるけどCDとは?
本「細胞は、表面に色んな蛋白を持っててな、それの国際的な分類Cluster of Differentiation…略してCD。で、通し番号がついてる。通し番号だから、番号自体に意味はない」
大林「オゥ……」
本「CD4はMHCクラス分子と、CD8はMHCクラス分子と結合する共受容体とよばれる分子やで」
大林「共受容体とは?
別の本「CD4CD8は『T細胞補助受容体(T-cell co-receptor)』と呼ばれ、TCRが『抗原とMHCの複合体』を認識するときに協調して働く
大林「Tセル コレセプター…」
別の本「T細胞他の細胞と接触することで機能する」
大林「どエロい表現~!!!」

本「Th1Th2の話しよか」
大林「ナイーブCD4T細胞は、NK細胞が出すIFN-γやAPC(抗原提示細胞antigen presenting cell)が出すIL-12の環境下で抗原提示と共刺激を受けるとTh1に分化しやすい!」
本「更にTh1は自らもIFN-γを出して他のナイーブCD4TもTh1へ分化するよう促進する」
大林「大学OBが会社で自分の派閥作るみたいだな」
本「それだけじゃない。IFN-γはナイーブCD4TがTh2に分化するのを『抑制』したり、Th2がTh2系サイトカインを作るのを『抑制』したりする」
大林「そこまでやるの?!」
本「勿論、Th2もナイーブCD4TがTh1に分化するのを抑制したり、Th1がTh1系サイトカインを作るのを抑制したりする」
大林「Th1とTh2、ガチで薄い本のお題になる関係性だな…」
本「どっちかに偏ると問題が生じるからせめぎあってもらうのがちょうどいい」
大林「薄い本が厚くなるやつだ……」

本「Th1に偏ると肉芽腫やⅣ型アレルギーになる」
大林「Ⅳ型アレルギー……金属とか漆とかにかぶれるやつ!」
本「Ⅳ型アレルギーについて詳細はまた後日な」
大林「うぃっす」

本「で、Th2に偏ると…」
大林「典型的なアレルギー!IgEィイイ!いいいいいちがた!」
本「そう、Ⅰ型アレルギーな。これもまた後日」

本「Th17Tregの話しよか」
大林「炎症系の指揮官と、攻撃を抑制する制御官!」
本「Tregは、ナイーブCD4Tから分化する細胞で、同じくCD4Tから分子したTh1、Th2、Th17の働きを抑制する方向に働く」
大林「一人だけ……いや、一種類だけ違う方向性……萌える!!!」
本「Tregは、TGFβIL10をつくって直接Th1やTc細胞(CD8陽性T細胞/細胞傷害性T細胞/キラーT細胞)、B細胞の活性化を抑制する」
大林「その『直接』抑制するって表現の詳細お願いします」
エ本「Tregは標的細胞と物理的な接触で抑制活性している。B型肝炎の慢性肝炎ではTregが異常に多く発生し、感染が終息する前に免疫抑制している」
大林「物理的な接触とかエロス溢れる!!!」

本「Th17IL17をつくるからその名が付いた。IL17は、上皮細胞や血管内皮細胞などにIL8、IL6、GM-CSFをつくらせる。これにより、貪食細胞の遊走、活性化、増殖が促進される」
大林「好中球祭りだ!ファイアー!(炎症)……で、GM-CSFとは?」
Wiki「Granulocyte Macrophage colony-stimulating Factor:顆粒球単球コロニー刺激因子。白血球の分化を促進するサイトカイン」↓↓↓

本「ナイーブCD4Tが分化するときに、周囲のサイトカインがTGFβのみだとTregになり、TGFβに加えてIL6(+IL23)だとTh17になる」
大林「へぇー、その辺は覚えるしかないんだろうな」
Web「トランスフォーミング増殖因子(Transforming Growth Factor-β:TGF-β)。細胞の増殖や分化を制御して、細胞死を促す」
大林「覚えられるかな……」

《今回のポイント》
CD3蛋白を表面に持っている血球細胞はほぼ間違いなくT細胞
ヘルパーT細胞制御性T細胞は、表面にCD4も持ち、MHCクラス分子と結合する
細胞傷害性T細胞(Tc細胞、キラーT細胞)はCD8も持ち、MHCクラス分子と結合する
★「Th1 対 Th2」「Treg 対 Th17」の勢力争いのバランスが崩れると困る!

次回は、アポトーシスとか、B細胞とか…雑多な順番ぽく感じられるけど、自主勉してる本のページ順ですよ!(「休み時間の免疫学 第3版」)

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