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1日5分の免疫学③非特異的貪食作用

大林「さて、ついに炎症反応が起こる……?」
本「マクロファージやマスト細胞が、侵入した異物を『なんかあかんやつ!』だと感知した場合……」
大林「そいつらを排除するために……」
本「マクロファージやマスト細胞は、炎症性サイトカイン、ケモカイン、脂質メディエーターをばら蒔く」(※本によってはケモカインを炎症性サイトカインに含めて説明するものもあります)
大林「これらの物質は他の細胞たちも作るんですよね」※医学大辞典参照

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本「ばらまかれた炎症性サイトカインと脂質メディエーターは、主に血管内皮細胞に作用する……」
大林「つまり、マクロファージマスト細胞が敵を感知して『敵が来たぞ』血管内皮細胞に連絡する。血管内皮細胞たちはその連絡を受けて隙間を拡げる……そして、その隙間から……ケモカインで呼び寄せられた白血球がやってくる!」
別の本「白血球は、ケモカインの濃度濃い方へと移動する」
(※参考文献「分子レベルで見た体のはたらき」

本「マクロファージ各組織にいるから、敵が現れた現場に集まるの簡単だけど。好中球のほとんどは血管内をヒューンと流れてるから。ケモカインわざわざ呼び寄せないといけない。」
大林「高速道路を巡回してるパトカーに連絡して、一般道に降りて住宅街に来てもらう感じかな」
本「マクロファージは所属する組織によって呼び名が変わる、肝臓にいたらクッパー細胞とか」
大林「呼び名が変わるの、混乱するなぁ」

本「さて、炎症の話の途中ですが、ここで『非特異的な貪食』について説明するで」
大林「音で聞くと『人食い的なドンショク』で怖いなぁ」
本「マクロファージは、その表面にあるセンサーTLR感知した『なんか怪しいやつ』をとりあえず無差別に食べる!
大林「これが『非特異的な貪食』」
本「細菌だろうがウイルスだろうがゴミだろうが、無差別に食べる!
大林「雑だな!
本「じゃあ、君は細菌とウィルスと何かの欠片、触って区別できるか?」
大林「無理です!」

本「ちなみに、細かい話だけど……」
大林「どんとこいや!」
本「貪食といっても細胞に口があってモグモグするわけではない」
大林「細胞膜の一部が凹んで取り込む感じですよね」
本「それをエンドサイトーシス(飲食作用)と呼ぶ」
大林「飲食……?貪食じゃなくて?」
本「エンドサイトーシス(飲食作用)にはファゴサイトーシス(貪食)とピノサイトーシス(飲作用)がある」
大林「ピノって飲むって意味なの?」
本「(答えない)……貪食作用の定義は、直径1µm以上の粒子細胞内に取り込む作用のこと」
大林「1マイクロメートル……0.001mm」

本「さて、本筋に戻ろう。『特異的な貪食』があるということは?」
大林「『特異的な貪食』作用があるということ!特定のターゲットに集中して襲いかかるから、特定のターゲット駆逐するのに効率がよい

というわけで、次回は「オプソニン化による特異的な貪食」を勉強します。

《今回のポイント》
監視役細胞(マクロファージ、樹状細胞、マスト細胞)は、自分の表面についているセンサーTLR敵を感知したら、炎症性サイトカイン、ケモカイン、脂質メディエーターをばらまく
炎症性サイトカインと脂質メディエーターは、血管内皮細胞に作用して隙間を拡げる。ケモカインは血管内を巡回している白血球(主に好中球)を呼び寄せる



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