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1日5分の免疫学⑥抗原提示細胞とMHC分子

大林「前回で、B細胞のことが少しわかった気分」
本「因みにB細胞プロフェッショナル抗原提示細胞が1つ!」
大林「プロ……?!なんだその中二的な響き!」

プロフェッショナル抗原提示細胞
Professional Antigen Presenting Cell
:細胞の表面にMHCクラスⅡ分子を持ち、CD4陽性T細胞に抗原提示することに特化した細胞。

大林「えっ、CD4陽性T細胞に抗原提示できるのはMHCクラス分子を持つ細胞だけ?!特権?!
本「せやで。体内のほとんどの有核細胞はMHCクラス分子を持っていて、それ使って抗原提示するんやけどな、CD4陽性T細胞にはMHCクラス分子がないと抗原提示できない」
大林「流石はCD4!免疫の司令塔になる細胞に抗原提示できる細胞は選ばれし者…!」
※CD4陽性T細胞は、免疫の司令塔であるヘルパーT細胞などに分化する

【メモ】MHC分子とは?
主要組織適合遺伝子複合体(major histocompatibility complex; MHC)。
なんだこの呪文。
細胞にとっては「自己=同朋、攻撃対象ではない」という
クラスⅠクラスⅡに分類され、ほとんどの有核細胞はクラスⅠを持ち(
赤血球は無核細胞でMHCクラスⅠ分子を持たない)、クラスⅡを持つ細胞は限られている。

大林「では……その選ばれし細胞とは?!」
本「マクロファージ(&単球)、樹状細胞、B細胞や」

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《今回のポイント》
体内のほぼ全ての有核細胞は、自己である証MHC分子をその表面に持つ。
MHC分子には、クラスⅠクラスⅡがあり、Ⅰはほぼ全ての有核細胞が持つが、Ⅱは一部の細胞のみが持つ。
CD4陽性T細胞抗原提示できるのは、MHCクラス分子を持つ細胞だけ。
MHCクラス分子を持つ細胞で、抗原提示に特化した細胞はプロフェッショナル抗原提示細胞と呼ばれている。
プロフェッショナル抗原提示細胞は、マクロファージ(&単球)、樹状細胞、B細胞。
その他の細胞は、自身が抗原に感染した場合にMHCクラスⅠ分子に抗原を載せてCD4以外の細胞に抗原提示する。その抗原に対応するCD8陽性T細胞(Tc細胞)は、その感染細胞を破壊する。
※追記2019/9/6※
細胞は正常時(感染していない)、MHCに自分の体の構成たんぱく質の断片を結合させて、それを細胞表面に提示している。
それに触れたT細胞は、「自己(=攻撃対象ではない)」と認識する。

次回は、「T細胞の成長(分化)」を勉強します。

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