1日5分の免疫学⑧CD4陽性T細胞の分化とサイトカイン
本「ナイーブCD4陽性T細胞がどのタイプに分化するかは、サイトカイン環境次第!」
大林「ポケモンGOで言うならイーブイがどのタイプに進化するか的な?」
本「CD4陽性T細胞は、IL-12とIFN-γを浴びるとTh1に分化する」
大林「ILはインターロイキンの略で、IFNはインターフェロンの略。どれもサイトカインで…サイトカインとはつまり、細胞たちがばらまく物質……他の細胞の分化や増殖、攻撃を誘導したり、強化したり攻撃そのものだったり」
本「CD4陽性T細胞は、IL-4を浴びるとTh2に分化する」
大林「Th1と違って一種類とはシンプル♪」
本「でも、Th2になる決定的な因子は詳細不明。更にTh2は自分でIL-4を出してTh2を増やしていくけど、最初にIL-4出すのは誰なのか不明」
大林「えっ何それ、気になる」
本「CD4陽性T細胞は、TGF-βだけ浴びるとTregに分化する」
大林「Treg……免疫反応を抑える制御性T細胞(regulatory T cell)!」
本「TGF-βに加えてIL-6、IL-23を浴びるとTh17に分化する」
大林「Th17……炎症系の指揮官だ!ファイアファイア!」
本「あ、せや、ちょっと確認しておこか。Th……ヘルパーT細胞の名前の由来は?」
大林「サイトカインをつくって他の免疫細胞の活動をhelp補助するから!ヘルパーって呼び名は家政婦さんみたい」
本「ヘルパーT細胞が作り出すサイトカインによってほかの免疫細胞の働きが調整されているとも言え、免疫の司令塔とされる」
大林「その説明なら『免疫の司令塔』で納得」
本「話戻るで。Th1の作る主なサイトカインはIFN-γ!覚えといて」
大林「Th1は、インターフェロンガンマをつくる…ふむふむ」
本「Th2の作る主なサイトカインはIL-4,IL-5,IL-9,IL-13」
大林「種類多ッ!サイトカイン職人か」
本「Th17はIL-17」
大林「名前の由来ですな、覚えやすい」
本「ちなみにTh1が作るIFN-γと、Th2が作るIL4,5,9,13のどれもがバランス良く揃った環境でB細胞がIgGを作る」
大林「好中球の食欲アップなオプソニン化のIgG!意外、Th1とTh2のどちらもが必須の存在なんだ」
本「Th2の作るサイトカイン(特にIL4)の方が多いと、IgEが作られてしまう」
大林「細菌を食べるより、アレルギー反応に傾いちゃうのか……Th1とTh2には是非ともいいバランスでせめぎ合い続けてほしいものですな。薄い本が厚くなる!!!」
《今回のポイント》
覚えることが多すぎる。
ひとまず、サイトカインの種類として、
IL(インターロイキン)
IFN(インターフェロン
TNF(腫瘍壊死因子)
ケモカイン
は覚えておきたい。
そして、Th1の作るサイトカイン代表は、IFN-γということも。
次回は、「ウイルスとの攻防」について勉強します。
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