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1日5分の免疫学⑫色々な免疫細胞

本「全体の流れは話したから、次は各細胞について話しよか」
大林「よしきた」

本「まずは好中球!好中球は白血球の50%~70%を占め、細胞内に特殊顆粒を持つ『顆粒球』」
大林「貪食した敵をその顆粒で消化・殺菌するんだっけ?」
本「顆粒にはリゾチームミエロペルオキシダーゼ(MPO)といった分解酵素が含まれてるからな」
大林「酵素(こうそ)の名前長いなぁ」
本「あと、好中球はNADPHオキシターゼという酵素によって活性酸素を放出する」
大林「えっ、好中球は敵を食べるだけじゃないの?!しかも活性酸素とか強力!」
本「うん、活性酸素周囲の細胞を傷害する。だから好中球が集まった組織は炎症してしまう」
大林「好中球が炎症を起こすって聞いたことある……そういうことか」

本「IgGによるオプソニン化で好中球の貪食がパワーアップて前言うたの覚えてる?」
大林「ミートボール食べやすくするために爪楊枝刺すようなもんでしょ?」
本「もう少し正確に言おか、IgGはYの両腕部で抗原(敵)にくっつく。好中球の表面にはIgGの尻の部分と結合しやすい受容体がある」
大林「爪楊枝というより雪見大福のピックか」

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エ本「好中球非常に短命」※エ本…「エッセンシャル免疫学」
大林「知ってる。半日から一日って教科書やネットで…」
エ本「損傷組織浸潤から数時間で死ぬ
大林「思ってたより早ェエ!!!」
別の本「4~5日生きる」※追記2019/9/6
大林「どっち??!??!?!」
★好中球の紹介4コマ漫画はこちら↓↓↓

本「さて、抗原提示細胞といえば?」
大林「マクロファージ、樹状細胞、B細胞!」
本「実はこの3つのなかで樹状細胞がダントツに抗原提示能力高い!覚えておくように」
大林「なんと」
本「共刺激分子がダントツに多いんや
大林「出た、エロい共刺激」
別の本「あと、放射線状にいっぱい突起出してるからT細胞に接触する確率が高い」
本「樹状細胞は、細菌を自分の表面のTLRで感知したり、ウイルスを取り込んで自分の内部のTLRで認識したりする」
大林「それってさ、細胞内に入りこむ奴(多くはウイルス)は自分の内部のTLRで認識して、そうじゃない奴(多くは細菌)は自分の表面のTLRで認識する感じ???」

本は答えてくれなかったが、生命進化的にありうる…

本「ちなみに、樹状細胞が抗原を取り込むのは貪食作用じゃないからな」
大林「B細胞が抗原を取り込むのも貪食作用じゃないもんな…でも、じゃあ、なんなの?なんていうの?抗原取り込み???」

本は答えてくれなかった!

本「次、NK細胞は、感染細胞やがん細胞を非特異的に傷害する」
大林「生まれながらの殺し屋Natural Killerきたー!」
本「NK細胞が、標的を見分ける方法は、細胞傷害『抑制受容体』と『活性化受容体』という2つ一組の受容体で……」
大林「なにそれ」

本「抑制受容体はMHCクラスを認識する。相手にMHCクラスⅠがついてるとNKは傷害しない。」
大林「よく擬人化表現で『味方の証明(身分証)』持ってると殺されない!みたいに描かれてるよね」
本「MHCクラスは、ほとんどすべての有核細胞に発現してる分子」
別の本「がん細胞にはあまり発現しない」
大林「待って、赤血球もMHC分子持ってないよね?大丈夫?」
本「活性化受容体は、損傷や感染した細胞が表面に出す各種分子を認識する」
大林「あ、そうか、2つ一組の受容体ってことは、MHCクラスⅠがなくて、且つ、表面に感染した細胞が出す各種分子があって初めてNK細胞がその細胞を傷害するってこと?危険なミサイルの発車ボタンは2つ同時に押さないと発動しない的な感じ?」
エ本「NK細胞は、細胞を傷害することのできる強力な毒素を持っているので、その毒素を出すにはいくつもの制限が存在します」
大林「なるほどねぇ~」

長くなってきたので一旦ここで区切ります!

《今回のポイント?》
免疫システムを知るのに、
「細胞の表面」のしくみや、
「免疫細胞の攻撃力の制限とバランス」に注目すると、
理解が進む(……ような気がしてきた)

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