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1日5分の免疫学(27)先天性免疫不全②

大林「前回は、T細胞やB細胞が機能しない先天性免疫不全の話だった…」
本「今回は、好中球が機能しない先天性免疫不全についてやるで」

◆届かない声~Google音声入力開発担当者様へ~◆
「こうちゅうきゅう」を「白血球」に変換しないで欲しいです。
「こうちゅうきゅう」単品なら、変換候補に「好中球」がありますが、「こうちゅうきゅうに」「こうちゅうきゅうより」といった助詞が続くと「白血球に」「白血球より」しか出ません。
確かに、好中球は白血球の一種であり、代表格ですが、「こうちゅうきゅう」と発声してるのに「白血球」に変換されると、そこだけ手入力になって手間です。どうなってるんだ……好中球は白血球だけど、白血球は好中球とは限らないんだぞ。キラーT細胞やヘルパーT細胞、マクロファージも白血球だよ……


大林「好中球といえば、菌を貪食して、殺菌する!」
本「これから紹介する疾患では、貪食正常だけど殺菌ができない」
大林「えっ……じゃあ、好中球の中に菌が生き続ける……?!」
本「例えば、慢性肉芽腫は、好中球のNADPHオキシダーゼ異常があるため活性酸素産生できない
大林「つまり殺菌能が低下!」


本「そうなると、カタラーゼという酵素を持ってる菌が特にヤバイ。これは活性酸素を分解する。ブドウ球菌、緑膿菌、大腸菌、クレブシエラ!」
大林「クレブシエラは聞いたことないなぁ」

WEB「暗褐色または赤色の乾ブドウゼリー様の痰……」
大林「あっ、ごめん、読んだことあったわ。生物の分類の界・門・綱・目・科・属・種もまだ不慣れで菌の世界が記憶に残らなくて…」

本「アスペルギルスなどの真菌にも感染しやすくなるで」
大林「その辺にあるカビじゃん、免疫が低下すると危ないなぁ」

本「尚、好中球は働きが悪い分、数が増える
大林「え、数で補おうとするの?」
本「まぁ、殺菌能の指標となるニトロブルーテトラゾリウム還元試験(NBT還元テスト)は著しく低下するけどな」
大林「ニトロ ブルー テトラゾリウム……?長!」
臨床検査18巻12号「好中球が黄色のNBT色素を取り込んでのち,還元作用により黒色のformazanを形成するが,この現象を好中球機能として間接的にとらえる方法である」
Wiki「還元(かんげん、英:reduction)とは、対象とする物質が電子を受け取る化学反応のこと。または、原子の形式酸化数が小さくなる化学反応のこと。」
大林「NBTって色素の名前か、おk把握」

本「次に、Chediak-Higashi症候群
大林「ちぇでぃあっくひがし症候群?東さんが発見したの?」
Wiki「キューバの医師モイゼス・チェディアック(Moises Chediak)と、日本の医師東音高によりヒトの病気として報告された(チェディアックは1954年、東は1956年に報告)」

Wiki「遺伝性免疫疾患のひとつ。白血球のうち主に好中球の機能異常を認める非常に稀な疾患」
大林「おぉう…」

小児慢性特定疾病情報センター>対象疾病>
疾患群別一覧>免疫疾患の疾患一覧>31. チェディアック・東(Chédiak-Higashi)症候群
https://www.shouman.jp/disease/details/10_04_031/


本「好中球が細菌を貪食すると脱顆粒が生じ、顆粒の中のミエロペルオキシダーゼ(MPO)などの酵素が放出される」
大林「脱顆粒……好中球の中にある顆粒が放出されるんだよね、そして一緒に産生された活性酸素で殺菌!」
本「この疾患では脱顆粒が障害されてる」
大林「好中球の中に顆粒が蓄積しちゃうのか……便秘みたいな感じ?」
本「それだけやない、好中球の遊走にも異常がある」
大林「現場へ行けないってことか」
本「あと、皮膚や髪の毛のメラニン細胞のもつ色素顆粒にも異常がでて、白斑(はくはん)赤毛・銀髪とかにもなる。この疾患は常染色体劣性遺伝やで。覚えてるか?前回やったで」

大林「うっ……常染色体(じょうせんしょくたい)染色体以外の染色体のことです。伴性遺伝(はんせいいでん、ばんせいいでん)は、性染色体に依存する遺伝形式……」

大林「あ、さっきの慢性肉芽腫は?」
本「どっちもあるけど伴性が多めやな」
大林「そういうのもあるんだ、ややこしいな」

本「長くなったから今回はここまで!」

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