1日5分の免疫学(23)Ⅱ型アレルギー
本「Ⅰ型アレルギーはもうバッチリか?」
大林「ともかく1番メジャーで、1番反応が早いんだよね!」
本「Ⅰ型アレルギーの主役な抗体(免疫グロブリン)は何や?」
大林「Ⅰ型アレルギーはIgEィィイイイイイイ!!!!!!!!!」
本「じゃあ、今日はⅡ型アレルギーについてやるで!Ⅱ型アレルギー反応とは、必要のない抗体によって補体が活性化し、細胞・組織傷害が生じる反応!」
大林「よくわからん!」
本「必要のない抗体とは、自己抗体とか作って欲しくなかった抗体」
大林「作って欲しくなかった抗体……まぁ、自己抗体なんか、自分のパーツを敵認定してる抗体だから、作って欲しくないなぁ」
【復習】
★自己抗体とは、自己を攻撃する抗体。
★抗原とは、抗体が結合するもの。あらゆるものが抗原になりうる。
★抗体を作るのは形質細胞(B細胞の最終形態)。
本「自己抗体によるⅡ型アレルギー疾患として、自己免疫性溶血性貧血、血小板減少性紫斑病、橋本病(慢性甲状腺炎)、Goodpasture症候群、重症筋無力症など」
大林「自己免疫性要血性貧血は、赤血球の膜の蛋白質を自己抗体で攻撃、血小板減少性紫斑病は血小板の膜の蛋白質を自己抗体で攻撃、重傷筋無力症は筋肉と神経の継ぎ目を自己抗体で攻撃……橋本病は女性に多くてホルモン異常で大変ってことしかまだ知らない、Goodpasture症候群は初めて聞いた」
本「それぞれの疾患については好きに調べて。ともかく、Ⅱ型アレルギー反応は、自己抗体が自分の細胞に結合することによって補体が活性化し、その細胞を傷害してしまうことや」
大林「出たよ、補体。補体が活性化するのはタンパク質の一生を何冊か読んでようやく雰囲気はうっすらわかったけど……まだ難しい」
本「血液型とは?」
大林「赤血球の型でA、B、AB、Oがある」
本「ちなみにゴリラは全員B型」
大林「まじか」
本「赤血球がA型、というのは、赤血球上にA抗原が存在し、血清中に抗A抗体はもたないということ」
大林「抗A抗体……Aに抗う抗体……Aを攻撃する抗体はもたないということ」
本「A型は抗B抗体をもち、B抗原が侵入したら攻撃する。B型は抗A抗体をもち、A抗原が侵入したら攻撃。O型は抗A抗体と抗B抗体をもち、」
大林「A抗原とB抗原が侵入したら攻撃する」
本「つまり、A型の人は血清に抗B抗体を持っているからB型の赤血球の輸血がダメ」
大林「ABO不適合輸血!輸血されてきた赤血球を攻撃してしまう!」
本「せや、これが自己抗体以外で作って欲しくなかった抗体によって生じるⅡ型アレルギー反応の代表や」
大林「あ、じゃあ、Rh式血液型不適合妊娠とかも?この類型?」
本「薬物がハプテンとして赤血球上の蛋白と結合し抗原性をもつ物質となってしまう薬剤性溶血もある」
大林「溶血って赤血球が破壊されるってことだよね」
本「さっきのRh式血液型不適合妊娠やけど、胎盤通過できる抗体はIgGだけやで、覚えときや」
大林「IgGだけ…!」
本「Rh(+)とは、赤血球にD抗原が存在し、そのため抗D抗体をもたないということや」
大林「Rh(-)の女性がRh(+)の胎児を妊娠しても、胎盤は抗体IgGしか通さないから大丈夫?」
本「出産のときに胎児の赤血球(D抗原付き)が少しは母親の血液に混ざる…」
大林「そしたら抗D抗体Gが作られて…」
本「Rh(+)の第二子妊娠の際に?」
大林「抗DIgGが胎児に届いて胎児の赤血球を攻撃してしまう……なるほどそういう仕組みだったのか」
本「じゃ、次回はⅢ型アレルギー反応について勉強するで」
大林「Ⅰ型は1番早くてIgE、Ⅱ型は自己抗体などの『作って欲しくなかった』抗体事案……」
《今回のポイント》
Ⅱ型アレルギー反応は、作って欲しくなかった抗体によって補体が活性化して起きる細胞や組織の傷害。補体のことはやっぱりまだよくわからないので後日なんとかしたい。
作って欲しくなかった抗体は、自己抗体と、自己抗体以外。
自己抗体以外の代表例は、ABO不適合輸血。
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