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Fジャパンの「gateリターンズ2016 妄想レビュー③」

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ユニット美人 

『Ufo, Nitrogen In Tank, Began Intruding Japan INtelligently ~ UFO、タンクに窒素を詰め、日本を頭脳的に侵略中 ~』

[作・演出・振付]紙本明子[出演]ユニット美人 ほか

[作品紹介]ピンチになるといきなり頑張り出す人がいる。敵が現れると、それまでさえないキャラクターだった奴が主人公になったり。友人の怪我をきっかけに、本気で野球に取り組むようになって甲子園を目指したり。本番1週間前にセリフを覚えたり。じわじわ訪れる危機には、気づけても頑張れない。地道に頑張れ無い人間には、わかりやすいピンチが必要なのだ。そうやって干支が3周した。

[Fジャパン妄想レビュー]

「お、おなかが吹田市・・・!」

黒木さんは言いました。

客席は静まり返っています。

そんな客席の様子をにらみつけながら、さらに黒木さんは変な顔をしながら大きな声で言いました。

「お、おなかが吹田市・・・!」

やはり客席は静まり返ったままです。

「うう!も、もうだめだ…」

黒木さんが悶絶し始めました。

頭をかきむしりながら

「あ~もう。ほんまに。あかん!あかんわ、私」

そう言いながら後悔しています。

そんな中の出来事でした。

信じてもらえるでしょうか?

黒木さんがいきなり爆発した のです。

これは比喩ではなく、現象として本当に爆発したのです。

驚きました。

火花が飛び散り、煙は立ち込め、客席は騒然となり、

その混乱の中、セリフが聞こえてきたのでした!

「あの時死んだのは昔の私でした。それに気付かせてくれたのが、タンスの奥にあったこのブルマだったんです」

そうです。

爆発した黒木さんがブルマを持って、そこに立っていたのです。

演技も真に染まると、爆発しようが次の場面があるかぎり舞台に立てるのか!

と、大変に驚きました。

そして黒木さんは

「明日のために早く寝ます!」

そう言って帰っ ていきました。

そして。

それからユニット美人の本編が始まりだしたのです。

まさかと思いました。

黒木さんはこれだけのために、冒頭3分のために爆発したのかと。

驚きましたが本編が始まるとそんな事もあっさり忘れてしまうという本編の恐るべき破壊力。

これがユニット美人か!



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ソノノチ 1人の『つながせのひび』

[脚本・演出]中谷和代 [出演]藤原美保

[作品紹介]ここしばらくのあいだ、わたしたちはいろんなばしょで、ちいさいこどもにえほんのよみきかせをするかつどうをしてきました。そのことをとおして、えほんのなかにつまった、たからものみたいなせかいを、そっとえんげきにするほうほうを、かんがえはじめました。たったひとりで、はじめのいっぽをやってみます。

[Fジャパン妄想レビュー]

上の文章、写真、藤原さんという俳優さん、SNSとかを見ていても、

溢れかえるこの「ソノノチ」さんの世界観がすごい。

これはもはや代表の中谷さんの世界観でもないでしょう。

生みの親ではあるのでしょうがそれが育って今やもはや

「ソノノチ」

として建立したのではないかと思います。

だから舞台の本番を見ても改めて、

やはりこれは「ソノノチ」なのだと思った次第です。

「顔で人を判断するな」

とはよく言われる言葉ですが、

優しそうな顔をした人は、一緒にいるとやはり「優しい雰囲気」に包まれた柔らかな空気を放っています。

ただやはり一方で

「顔で人を判断するな」

というのも 真実ではあると思うのです。

いわく優しそうな顔をした人は優しいかもしれないけれど、「優しい」だけの人間などいないということなのです。

ソノノチさんは演劇でソノノチの世界を創っていました。

藤原さんが万華鏡を持って眺めているあの世界は「ソノノチ」だったのか、

それとも「こちら側」だったのか。

あなたはどっちだと思ったでしょうか。

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