かがみの孤城
かがみの孤城を読んだ。ある出来事をきっかけに学校へ通えなくなったこころはある日自分の部屋の鏡が光だし鏡の中の世界へ行けるようになる。そこには自分と同世代の男女が他に6人と狼の面をつけた少女がいて、この世界に願いの鍵があり、それを使えば願いを叶える事が出来ると聞かされる。期限は3月の30日まで。こころたちは鍵を見つける為に城へ通う生活を始める。
最初はメンバー同士も知らない人たちだったけれど段々と打ち解けてそれぞれにとって学校には行けなくても友達になって大事な場所になっていく様子が良かった。男女も年齢も関係なく仲良くなれるのって大人になった今でも理想というか羨ましいなみたいな気持ちになる。
私は学校に行けなくなるような経験はなかったけれど、地味系グループだったのでスクールカーストでは下の方だったのし学校に行きたくないみたいな気持ちは常にうっすらあった。でも親に言っても絶対に不登校とかになったら怒られるのが目に見えていたし(私もそこまでではなかった)そういう気持を言った記憶はあまりない。でも特に辛い事があって嫌いになった同級生がいて、その人とクラスが一緒の時はとにかく辛くて辛くて親に話した事がある。親は一緒にその人の悪口を言ってくれて、私が悪いと怒られなかったのが嬉しかったし心強かった事を思い出した。こころが親に最初は何があったのか言えなかったけれど、話が出来た事で学校に行けない自分を受け入れてもらえて一緒に戦ってくれるようになった部分を読んでその事を思い出した。大人になると子供の時に人間関係で辛い事があってもどうしても時間が経って記憶は薄れていってしまう気がする。でも自分が子供の時にそういう経験をした事があったらちゃんと覚えていれば自分の子供だったり身近で関わりのある子が辛い思いをしている時に話を聞いて理解してあげられるのかなと思えた。どうしても子供が一般的な普通から外れた事をしてしまうと親って怒ると思うんだけど、(犯罪系だったら怒っていいんだけど)人間関係の悩みとかいじめとかで学校に行きたくないってなったら少し休んで別の方法を探してもいいんだよって理解出来る人間に自分もなりたいなと思えた。そしてかつて子供で多少苦しい気持ちを経験した事あるからこそ分かるよって言ったり、それでも勉強は自己流でもしておくと困らないよとか大人になったからこそ言えるアドバイスもしてあげたいなと思った。
かがみの孤城は最終的にみんな自分の時間で自分の人生を戦っていくんだろうけどそれぞれ頑張っているんだろうなと希望が持てる終わり方だったのが良かった。自分の弱い部分もさらけ出せる仲間に中学生で出会えるって貴重だし絶対に心の中にそこで得たものが残っているんだなと思えて良かった。いつかみんなで会えたらいいのになとも思った。
最後ネタバレになりそうだから若干濁してみたらよく分からなくなってしまった。自分語りもしてしまったけどたまには昔を思い出すのもいいかなと思ったり。
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