秋、運動会、餃子、串カツ、ビール

時差出勤の日は、少し遅めに家を出ることができる。
いつもと違う時間のバスに乗り、いつもと違う時間の電車に乗る。
バス停でよく見かけるご近所さんは、今日はいない。

「ザ・秋の空」と思わせる澄み切った青空、肌寒い風。いつも運動会を思い出す。
運動会の日の朝は、こんな感じだったな。ちょっと肌寒い気温が、少しだけ緊張感を呼び寄せてくれる。

今日が仕事じゃなかったら。薄手のジャンパーを羽織って、ドライブに出掛けていたかもしれない。窓を全開にして、カーラジオを聴きながら。

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朝の涼しさは、夜もまたやってきた。
日が落ちるのも早くなり、19時過ぎだと辺りは暗い。
涼しい街並み、過ごしやすい気温。

わがままなもので、秋になると夏が恋しくなる。
暑い日に、鉄板の上でジュウジュウうなっていた餃子をつつきながらビールを飲む楽しさ。
串カツをほおばりながらハイボールの炭酸にやられたあの日。
餃子や串カツの匂いは、そろそろおでんの匂いになるころ。

おでんと熱燗に気が変わる前に。やっぱり餃子と串カツとビールを楽しみたい。
他愛も無い話をしながら、お互いのあれこれを笑い合えるような空間を楽しみたい。

同じ気温でも、春の風は優しくて、秋の風はそっけない。
気付いたら来年までおあずけになってしまう。