何を失いたくないですか?

食器を洗っていて、にわかに涌いてきた一文。

どういうワケで今涌いてきたのか、
全く思い当たることがない不思議。

たとえば、観てない人には恐縮なんだけど、
朝ドラの「虎に翼」の昨日の放映回で、
大家族の家事を一手に引き受けている主人公の義理の姉が
自分の任務があまりにも大きくなってしまって、
自分が失いたくないものを、
すっかり失ってしまっている現状を家族に話し、
家族はそれを理解して、みんなで現状を変えていく
というシーンがあった。

泪。
私はそれができなかった。

やりたいことが特にない
とか
やりたいことが見つからない
とかいうのを、
頻繁に見聞きするんだけど、
そういう人も、
やりたくないこと
とか
失いたくないもの
は、見えている人が多いんじゃないかな?

私は約2年半、老親のサポートに注力して鼻歌もうたわない生活で、
歌声も楽器演奏技術も創作の時間も全部失った時間を生きてみた。

無理だった。

このごろ、
文字を手で書く時間よりPCでタイプする時間の方が圧倒的に多くて、
手で書く時に漢字を思い出せなくてペンが止まる、
ということが頻繁に起きる。
チャリにあまり乗らなくなって、
時折乗ると、坂で成り立っている神戸の道をあちこち走るのがしんどい。
いわゆる足で走ることもしなくなってて、
たまに乗ろうと決めた電車めがけてほんの20〜30メートル走るだけでも
めちゃくちゃ息が上がっている。

生き物は、使わない機能は衰えてしまうようにできている。

やれAIの発達だ、医療技術の発展だ、ということで、
生身の人間を補助する術が急速に拡がっている。
望まなくても、そういうものに絡め取られていく日常だ。

去年の秋、里山の収穫祭におじゃまして、
私が小学生だった頃のような日常を送っている子どもたちに
いろんなことを教わった。

何が欲しいか、
よりも、
何を失いたくないか
という切り口から考えていったほうが
もしかしたらいいのかもな。

そんなふうに思ったので、アップしておきます。

 * * *
 
ごくたまにしかここに投稿しないなか、
読みに来てくださったアナタにありがとう!
感染症騒動により、ライブの場を失ってしまった時間のことを
演る人も観る人も、胸に刻んだことだろう。
大手も含め書店が次々と閉じてしまったり、
スーパーのレジがセルフになってお店の人と他愛もない会話を
交わすこともできなくなってしまったり、
街で一休みする木陰やベンチがなくなってしまったり…
まぁ、挙げたらホント、きりがないくらいだけど。
IC カード使うことで失うものは何か?
みたいに、つどつど、意識して生活していきたいな、と。

ひとまず、
いくらやっても超絶技巧は手に入らないけど、
やるのをやめてしまったら
今持っている声や演奏能力も失ってしまうので、
とにかく日々練習ですな。
身体使わないとダメね。

今日もアナタが、ちっちゃな嬉しいことに気づけますように。
ではまた〜♪


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