始まりの朝〜ハムエッグ。
外山達郎(40歳・バツイチ)。
3年前に離婚してから女性の影らしきものすらなく、もちろん離婚の原因も浮気といったものではなく、シンプルに性格の不一致。
一度の離婚で、恋や愛に興味がなくなった訳ではないが、ただ日々、食べることに夢中。
そして今日も何かに想いをはせながら、何かを口に運び、身も心も満たされてゆく。
————月曜の朝。
遮光カーテンを嘲笑うかのような強い日差しによって叩き起こされる。
スマホの画面には、6:18の表示。
まだ、眠りについてから、2時間半しか経っていない。
月曜朝一の定例会議は、リモートでの参加となる為、時間的にはまだかなり余裕があるが、強い日差しによる無言の圧力に抗うことができず、のそのそとキッチンへ向かう。。。といっても、単身者向けの1Kの為、向かうというほどでもなく、3、4歩で冷蔵庫の前へ。
冷蔵庫の中には、卵とハムとミネラルウォーター。
それ以外は、タコワサやキムチ、缶ビールに割り材といった、月曜の朝から口にできるようなものはなく、必然的にハムエッグを作ることに。
フライパンを火にかけ、オリーブオイルをひと回し。
そこへおもむろに卵を2つ割り入れる。
ベーコンであれば先にベーコンをクリスピーの一歩手前まで焼いて、となるが、個人的にハムの場合、火をあまり通さない方が好きな為、卵の白身が固まってきた頃にふわっと乗せる程度。
蒸し焼きにするのも好きだが、今朝はそのまま、サニーサイドアップ。
千切りにできるキャベツなどある訳もなく、そのまま皿にスライドオン。
卵2個に対して、ハム1枚を半分に。
月曜の朝はこれくらいがちょうど良い。
とろとろの半熟の黄身をつけて食べるトーストなどもある訳がなく、グラスに注いだミネラルウォーターと割り箸をスタンバイ。
いただきます—————
まずは焼き目のついた白身をペロリ。
わずかに香ばしさを感じた口内をミネラルウォーターで流すと、トロトロの黄身へハムを突っ込んでパクリ。
ハムの塩気と黄身のハーモニーを楽しんだら、すかさず凹んだ黄身をめがけて醤油を数滴。
合わない訳がないこの組み合わせをオンする白いごはんなど、もちろんなく、ミネラルウォーターと共に流し込む。
残すは卵1個分と、ハム半分。
ハムは先程と同様、黄身に突っ込んでパクリ。
そして、先程の黄身と醤油の残骸を一滴残らず吸い込んでやると言わんばかりに、皿に口をつけ、一気に吸い込む。
———————ごちそうさまでした。
洗い物は皿とグラスのみ。
さっさと片付け、スマホの待ち受けに目をやると、6:43の表示。
定例会議には、まだまだ時間があるが、二度寝は危うい。
マンガアプリを立ち上げ、今日もグルメマンガを読み漁る。
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