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「特捜戦隊デカレンジャー 20th ファイヤーボール・ブースター」感想

※画像は東映公式より

2024.6.7に公開されたデカレンジャーの20周年映画を見てきた。

スーパー戦隊作品のうちほぼフルで見たことあるのは実は8作品しかないが、デカレンジャーは自分にとってはその一番最初であり、当時リアルタイムで見ていたので思い入れがある。10周年の映画も見に行った。

そして20周年の映画であるが、とても面白かった。時間を重ねて変わったもの、変わらないものを思いながら懐古できれば十分だと思っていたが、上手く勘違いさせられて結果的に意外に感じたような側面もあって新鮮な気持ちになる経験をできたのがプラス。


※余談:フルで見たことあるスーパー戦隊
(感想はネタバレを含むので、それを避けるためのスペース確保のために記載)

・特捜戦隊デカレンジャー
・魔法戦隊マジレンジャー
・侍戦隊シンケンジャー
・海賊戦隊ゴーカイジャー
・特命戦隊ゴーバスターズ
・烈車戦隊トッキュウジャー
・怪盗戦隊ルパンレンジャーvs警察戦隊パトレンジャー
・暴太郎戦隊ドンブラザーズ



予告編に上手く騙された(?

たぶん製作側は「これがデカレンジャー!」という正統派な作品を作り上げたのだと思う。
が、事前の情報などから20年経った今に沿った作品を作るように見えていて、そういう期待でいたところに正統派を真っ直ぐぶつけられたのもあって非常に面白く感じた。

予告編などを見ていると次世代レッド・ピンクが登場するなど、世代交代がテーマであるように見える。
20年経ったら人は変わる。これは自分が生きてきた中での実感としてもあったので、宇宙警察の組織の中で彼らもそういう立場になったのだと素直に受け入れていた(組織体があるだけにそういうテーマの作品も進めやすい環境にある)

だが、冷静に当時を思い直すとバンはそういう奴ではなかった。もっと熱くて前のめりでギラギラしていた。
歳を重ねて立場や役割が変わったとしても、自分の良さや持ち味までも必ずしも変える必要はない。ホージーの言葉でそれを思い直して、一つ殻を破ったのは大人になったバンの成長だ。
デカレンジャーはまだ若く未熟な部分も多い青年たちが様々な事件を通して成長していく物語であった。20年経ってまたそれを、当時からアップデートされた世界の中で描いた作品と見受けられたので、テーマとして非常に面白く感じた。

SPDメンバーの印象


>バン
自分が大人になって、彼も大人になって、の立場から見ると一番印象が変わった。

戦隊物のレッドと言えば正義感たっぷりの熱血キャラを連想することは多いだろうが、バンもその例外ではない。
自分がデカレンジャーを見たのはいわゆる思春期にあたる頃合いだったので、こういう根拠もなく勢いで物事を通してしまうのがフィクションの綺麗事に見えてあまり好かなかった。
それが歳を重ねると、このスタイルに大人ではない子供っぽさを感じるようになって逆にかわいく見えてくる。パトレン1号とかそれ。

ので、20周年で見るバンはこれから自分がそれに成り行く年齢にいることもあって、なんら変わっていないのにカッコ良く見えるようになっていた。
台詞としては「還暦」(になっても最前線を突っ走るんだというニュアンス)というワードチョイスも次の20年を見据えた視点ですごく良かった。

こうやって感想を残しておこうと思ったきっかけであるくらいには自分にとって大きかった。

>ホージー
演者がYoutubeを始めていて、当時のクールなキャラから一転関西のクセ強おじさんだということを知った(
そのキャラクター性が劇中にも取り入れられているように感じた。

因みに、映画の入場者特典カードはホージーだった。よく見ると(?)やっぱり顔が良い。当時カッコ良かったひとが歳を重ねてもカッコ良くいてくれることは嬉しい。

>セン
全体的にリアクションがめちゃくちゃオーバーになっているように感じた。

ストーリーと高知県を絡めるにあたって、自然な(?)脈絡でそれを繋げるのはマイペースなセンの役割になると思うが、高知PRにあたってリアクションが薄いわけにはいかないので、というところだろうか。

>ジャスミン
キレイなお姉さんがおじさんみたいなギャグと仕草を繰り出してそれがかわいい、みたいなのを絶妙なバランスで成り立たせているキャラ。

台詞を忘れてしまったが「◯◯Happen歩いて10分」が個人的な今回のお気に入りだった(

これはディスのつもりではないのだが、メイクとかそういう部分も当時の撮影技術と比べたら上がっている感じを改めて受けた。
(ジャスミンはエスパーで心を読むシリアスな描写の関係でド・アップみたいなのが多かった印象があるため)

>ウメコ
良い意味で当時と全然変わらなかった。
キャラクターとしての個性は強くない方だが、マスコット的な存在感と安心感がある。

ストーリーをシリアスにするもコメディにするもウメコの使い方次第みたいな感じで、今回もルイを上手く馴染ませるのに良かった。

>テツ
目立ち過ぎず、目立たなさ過ぎず、いい立ち位置だった。
追加戦士だけあって本編では噛ませ犬だったり特殊な立場にいることも多かったが、そうでない扱いにデカレンジャーの1メンバーとして馴染んだ感じを受けた。

>ボス
デカマスターへの変身がないのが良かった。
役割としては司令官で隊員たちをメインに据える話でデカマスターが出てきてしまうと、てんこ盛りでテーマもはちゃめちゃになってしまう。

>スワン
出演してくれて嬉しい。
やっぱりここまで揃って地球署のメンバーという感じがあるため。

>ルイ
これはルイボスティーということでしょうか?(

地球署のメンバーが違和感閃き直感みたいな感覚的な根拠で行動するので、客観的には理解ができず相容れないという設定。
個人的にはもうちょっとツンデレな感じでいてくれる方が魅力的に映った。ウメコを撃ったシーンで感情的な側面を出しつつ、事件解決後は「なくはない悪くはない」くらいに理解を示す距離感の方がリアリティがあるように思えたので。


舞台の高知市

ストーリーではセンの閃きで唐突に高知に飛ぶことになり、観光名所を巡ってお土産を集めることになる。
露骨なPR感のある時間だったが、そんな不自然を天然として馴染ませるのにセンは適任なキャラだった。

事件自体は東京で起きている設定だったので高知ロケ感をあまり感じられていなかったが、デカベースの撮影場所が高知県の施設だったと知って驚いた(なくなったから新設したのだと思って見ていたので)

映画で地域の町起こしをする目線だと、もっと劇の舞台を地域に寄せた感じを出す必要があるんじゃないかとは思いましたが、20年の時を経てバンに感銘を受けたこの想いを馳せるためには高知に行くべきなんじゃないかとなったので、結果的には映画の狙いとして成功した例になっている(

ということで7月に高知市に行く計画を始めた。47都道府県すべてに行ってみたい身としては未到の地なので、良いきっかけになったしとても楽しみだ。


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