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「仮面ライダー剣 20th Anniversary STAGE&TALK」感想


2024.2.10に開催された「仮面ライダー剣 20th Anniversary STAGE&TALK」に行ってきた。

仮面ライダー剣はリアルタイムで見ていて
・人生で唯一見終わって涙した映像作品
・ハンドルネームの元ネタとして使用
と、とても思い入れが強い作品である。

その作品の20周年記念イベントが開催されるということで、迷わずチケットの申し込みをした(因みに、これを書いて今のHNを20年ずっと使ってきたことに気付いた)

参加した感想としては、本当に行って良かったと感じるものだった。翌日以降も余韻が残っているし、特にショーに関してはもう1回見たいという気持ちが強く、どこかで再び開催されたり円盤にならないかを願っている。



■ネタバレなし感想


◯ブレイドを好きなひとはたくさんいる

これはリアルイベントがないと一生感じられない体験だったと思う。
当時は日曜日の放送を見て月曜日に友だちと話をして面白いと盛り上がっていたのだが、インターネット文化が発展してブレイドの世間評価を調べてみると、オンドゥル語や人物の迷走からネタ扱いされがちなことを初めて知った(因みに自分は当時から滑舌は気になっていなかった)

なので、このイベントにはそういうネガティブ要素もひっくるめてブレイド作品が好きなひとが集まると思っていたが、そういう人たちがまさかこんなにたくさんいるとは思っていなかった。

◯ショーの舞台演出クオリティがすごい

特撮作品はたくさん見ているが、キャラクターショーを見るのは実はほぼ初めてだった。
演者の「変身!」に合わせてスモークを焚いて変身スーツをまとったアクターが登場する…くらいの乏しい想像力だったが、今どきの技術をもってすれば、もっと素晴らしいものができるのだった。

一番びっくりしたのは変身の演出。
ブレイドの場合は畳(オリハルコンエレメント)をくぐり抜ける必要があるが、プロジェクションマッピングでそれを小さな壁(持ち運びできるようなサイズ)に投影しつつ、その壁が演者の前を通過する間にスーツアクターと入れ替わる形で変身を実現していた。
舞台装置は見当たらなかったので、おそらく壁の裏側には人力で壁を運ぶスタッフがいて、壁の移動に合わせて演者とスーツアクターも素早く動いているのだろう。どの角度から見てもそれが成り立つようにするには技術がいる。

ブレイド作品と舞台演出の相性は良いと感じた。
アンデッドを倒す方法は爆撃・灰化などではなく封印なのでスモークで自然にやりやすかったり、必殺技のロイヤルストレートフラッシュも同様にプロジェクションマッピングでやりやすいように感じる(これらは編み出された状態を見ているからそう感じているだけで実際には企画から実現まで様々な苦労があったと思うが)


■ショーの感想(ネタバレあり)

ここからは具体的な内容に触れる。
ので、ネタバレ要素が含まれる。

なお、座席は2F前列正面だったので、舞台を俯瞰する意味ではとても良い位置だった。

(ネタバレ回避のためのスペース)


◯橘さんと始
ジョーカーの姿となった始の元に最初に現れたのは橘さんだった。橘さんは「始!」と呼んで入ってくるが、これは結構意外だった。
橘さんと始は本編では「友達(剣崎)の友達」くらいの距離感でしかなく、当然「始」と呼んだことはない。トークショーでもこの話題はあったが、ここに本編以降の彼らの関係性の深まりを感じることができて、とても良かったと思う。
あと始を助けに来たはずなのにコーカサスに負けてしまう絶妙な頼りなさに橘さんらしさが表れていて良かった(

◯剣崎登場
「その必要はない!」
突如、客席通路から颯爽と現れる剣崎(2Fなので登場の瞬間は見えなかった)
ジョーカーでありながら人間であることも捨てていない剣崎はブレイドに変身してマンティスと対峙するが、見た目的にはブレイドvsカリスであるためBGMが『覚醒』なのがとても熱い。
ブレイドが剣を振るう一方でマンティスは徒手空拳なのだが、アローはカリス(ジョーカー)としての武器だからこれが自然なのかなと勝手に納得していた。更に言うと、マンティスは人語を発しているように演出では見えているが、対話が発生しているのはアンデッドのみなので、カテゴリーAとしての設定に忠実で非常に良かった。

◯レンゲル念願のキングフォーム
このショーの一番の目玉であろう。
実は最初はコーカサスが操っていたアンデッドが誰かちゃんと見えていなくて、レンゲルvsコーカサスのシーンでようやくタイガーの存在に気付く。あれこれあるのか…と思っているうちにタイガーを封印。アブソーバーを取り出してからの流れは圧巻で、EVOLUTION KINGが流れたときの高揚感に加えて、睦月の「これが俺のキングフォームだ!」という台詞が非常に良かった。
レンゲルのキングフォームは色合いや質感はギャレンに近く、全体的にごてごてしている感じはあるのだが、それはレンゲルとマッチしていて個人的にはとてもかっこいいと思った。

◯剣崎と始の共闘
ちょっと長いけど、ひとまとめ。
まずキングフォームを解除させられた睦月を倒すために剣崎が現れるのだが、ここでラウズするカードがタイムスカラベ。仲間のピンチに駆け付ける展開は既にレンゲル登場時にやっていたが、タイムで時間を止めることで演出を変えるというのが構想として面白かった。
そして、リモートでジョーカー・始を解放。レンゲルを撤退させて剣崎と始の共闘になるのだが、ここでの始の「仲間の思いを、無駄にはしない…!」という台詞はアウトサイダーズEP.4に登場する橘さんの台詞であり、チベットで研究をしていた睦月しかり仲間への思いが共通認識として存在しているのが良いと思った(本編ではすれ違ってばっかりだったので)

◯4人の同時変身
同時変身は今回のショーで一番期待していたことだった。既に書いたが、本編ではすれ違いばかりだったので、同時変身はケルベロスに挑むときのたった1回と少なかった。
これは脚本によらず実現しやすい演出だと思ったので、これを見れたら満足くらいに考えていたのだが、暗転からスモークとともに立ち上がって姿を見せる…『ROUND ZERO』を再現したこのシーンの演出も非常に良かった。
『ROUND ZERO』は平成ライダーの中で最も好きなOP曲ではあるのだが、OP映像としては何がコンセプトなのかあまり分からない部分はあった。今回の演出があったことで、受け手としてはあの映像に意味を見出だせるようになった感じがする(始のリフティングや広瀬さんのティッシュとの格闘とかは結局分からないけどね

◯4人のキングフォーム
レンゲルが揃ったので豪華にできる。『rebirth』が消去法でBGMに充てられた感じはあるが、あった方が盛り上がるのは間違いない。
戦闘に関しては、全員でアナザーブレイドに斬りかかるシーンでギャレンラウザーの銃口の刃がちゃんとアクションに活かされていて良いも思ったし、相手の攻撃を避けながら攻めるライダーに対してブレイドだけ相手の攻撃を受けながら微動だにせず前進して殴りかかる、当時からの戦闘感が出ていた。
アナザーブレイドへのトドメはフォーカード。トークショーであったが、「これが俺たちの絆の力だ!」という台詞は椿隆之考案らしく、フォーカードの持つ意味合いの解釈が一致していて良かった。

◯ラストシーン
厳密なラストは異なるが、アナザーブレイドを倒して変身解除した4人のやりとり。
橘さんに対する剣崎の「ありがとうございます!」はあの頃さながらであり、始の剣崎に対する「お前が戻って来るのを人間たちの中で待っている」(正確な台詞が分からず曖昧)はあの頃から進んだものであり、色々詰まっていると感じた(あいまい表現すぎる
仲間の絆を確かめあった上での「また会おう!」は私たちにも向けられているようなメッセージで良かった。そして、再会を約束してのグータッチ…は『ELEMENTS』の再現。良かったし、OPが2曲あることの強みを感じた。

■ハイタッチ会

握手とかチェキを含めて、こういうのを全くやったことがなかったが、せっかくなので参加した。

当時幼かった自分が20年経って大人になり彼らと同じ目線(背丈)で向き合えていること、当時大人に見えていた彼らが20年経って今もなおヒーローであり続けていること、を眼前で実感できてとても感慨深かった。


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