幹事

大学時代、部活で平部員をやっていたが、同期から準幹部と言われることがたまにあった。
理由は、「一番幹事をやっていた」からだろう。これに関しては自負があるくらいだ。
回生旅行や海水浴、鍋に飲み会、遊びなど、小さいものから大きいものまで色んな計画をしてきたわけだが、
ここ最近、幹事の経験が仕事に活きてるな、と思うことがある。

そもそも幹事って何すんねん、という話だが、

①やりたいことを思いつく
②人を集める
③日時を決める
④当日の細かい動きを決める
⑤当日仕切る

簡単に言うとこれらが主な仕事だろう。
ただあくまで簡単に言えば、という話であって、細かい点で考えることも多い。
例えば、やりたいことが思いついても、これに賛同してくれる人は誰だろうと考えたり、
こいつは最低でも呼びたい、という人を考えて、そいつらに根回しをしてから企画を立ち上げたり、
日時や当日の動きを決めるうえでも、ある程度周りの意見を伺う民主的な姿勢を取る必要があるし、
当日仕切るために多少心を鬼にしなければいけないこともある。

…とまぁ、こんな感じで考えなければいけないこともたくさんあるわけだが、別に苦労話がしたいわけではない。
むしろ個人的には幹事はオイシイ立場だと思っているくらいだ。
まず自分のやりたいことを実践できるのはもちろん、
こっそり恣意的な操作をすることもできてしまう。
多少面倒はあるものの、自分としてはそこまで苦でもないし、
それでやりたいことをやって、しかも感謝までされたら儲けもんである。

そして何より、仕事に活きることが多い。

聞いたところによると、某大手自動車メーカーでは、
「大学時代花見の幹事をしていたやつは出世する」
と、言われているそうだ。(真偽の程は定かではない。)

これを聞いた時は、「へー、そうなんや、俺出世できるかもな、ウハ」とか思ってたわけだが、
実際なるほどなあ、と最近思うようになった。

うちの職場だけかもしれない、ということは最初に留意させてもらいたいが、
社会人になり、若手のうちは「ロジ調整」を任されることが多い、と思う。
「は?ロジ?これだから社会人はそうやってすぐカタカナばっかり使いやがって…」
とか思うかもしれないが、そういうもんなんだからしょうがない。郷に入っては郷に従え。

で、ロジ調整ってなんぞや、という話だが、
会議や出張、飲み会などの日程調整や出席者の取りまとめ、行程の案内など、
事前業務を総称してロジ調整、ロジ業務、などと言う。

ここまで言うと察しのいい皆さんなら分かるだろうが、
幹事の仕事とロジ調整は似通うところが多いわけである。

例えば上司から「この会議の参加者と日程と調整しといて」と言われたときに、
「最低限この人たちは出席してないといけないよな」
「この日は空いてそうだけど前後の予定が長引く可能性もあるからやめたほうがいいよな」
「この人には事前に根回しして説明しておいた方がいいよな」
など、様々な状況を勘案しつつ決めていく必要がある。

他にも飲み会一つとっても、学生の飲み会とは全く違うので、
事前に偉い人の好みを伺ったり、乾杯のお願いを事前にしておいたり、
当日の行程を事前に考えて案内しておいたり、、、
そんな業務が多々あるわけである。

「は?なんでそんな上司の顔立てなあかんの?やっぱ社会はクソだな」

まあ分かる、言いたいことは十分分かる。
だが、ここで思い出していただきたい。

「大学時代花見の幹事をしていたやつは出世する」

結局そういうことなわけだ。
いかに上司の手を煩わせないようにスムーズに調整業務を行うか、ということが、
この日本社会においては出世を左右する要因の一つになるということだ。
そんなんクソくらえだ、と思う人は起業して自分が一番上に立つしかない。郷に入っては郷に従え。


未来の希望を削ぐようなことを言ってしまったわけだが、
逆に言えば、学生のうちに幹事をたくさんしてロジ力を積んでおけば、
社会人になってもそれなりに仕事ができると思われる人間になれるかも、ということも言える。

そんなわけで、皆も人任せにせず幹事をしような、と俺は言いたい。
幹事力を積んでたら出世できるかもしれないのだから。


…まあそんなこと言って幹事してる自分が一生窓際族ならウケますけどね、ハハ…………









出世してーーー!!!!!!!


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