モデリスト vs 検品のパワーバランスは拮抗するほどいい
おはようございます。こんにちは。こんばんは。
今日もお疲れ様です
アカンプリッシュ デザインワークス広報部と申します。
ものつくりにおける、作り手側と検品する側(品質管理)。
両者のパワーバランスは、拮抗している方がいいぞ
という、今回は結論を先に述べるかたちで、話をしていきたいと思います。
基本、自社アトリエでサンプルから量産まで製作をお受けしております。
ただ、ご依頼の数量や、内容(コスト、納期)、リピート依頼品か、そうでないか等により、外注(国内)に出す場合と、海外の協力工場に製作依頼をすることがあります。
日々養われていく検品力
検品チームメンバーには、服飾学校を出ているものや、入社するまで、縫製業やブライダル業界に触れたことのなかったものもいます。
ただ、いわゆる縫製には、素人だったメンバーも、自社アトリエで上がってきたものや、それ以外の工場で上がってきたものを、何千着と見ていく中で、目が養われ、感覚も磨かれていき、能力を発揮していきます。
商品と対話しながらつくりあげる、一番の理解者モデリスト
一方、モデリストたちは、お客様からご依頼をいただいて、商品をご納品するまでには、早くて3ヶ月、OEM等の企画立ち上げのものになれば、1年以上かかってご納品することがあります。
その間、商品について一番理解し、わかっているのがモデリストです。
生地の特性、縫製上の難易度、デザインに対しての完成度等、
様々な観点を熟知した状態で、品質の仕上がりを見定めます。
ただ、そうやって製作した商品の検品を、モデリストが行うと、落とし穴もあります。
常にモデリストにとっての最適な環境、つまり、納品にたいしての時間的ゆとりが確保されていれば良いのですが、現実は、一つの仕事が終われば、また次の仕事が控えており、納期も厳守となっている場合が多い状況で、
はたして、どこまで関わった商品に、厳しいジャッジができるか。
全体的なスケジュールを前にして、自分が引いたパターンの改善点や、縫製での気になる点(不良と言わずとも、もっとより良く直せる状態)、またそれ以外に新たな気づきがあったとしても、納期という絶対的なスケジュールとの対峙で、引き戻すのは、難しいことです。
また、時には、何度も何度もやり直し、製作に難航して完成したドレスなどは、もうこのまま納品に行ってくれと、祈るような思いで出荷検品することもあります。
そんなモデリストが格闘した姿を、そばで見ていれば、このままどうか納品させて欲しいと情が湧いてしまうこともあります。
顧客満足とわたしたちの評価が直結する品質管理
でも、「ダメなものはダメです」という、社内のヒール役になる検品者の役割も必要です。
自社の商品を最後に確認する検品チームは、他の製造元のドレスにも触れていて、
海外工場に依頼する場合は、工場専属のパタンナーにパターンから依頼することもあるのですが、その工場のパタンナーやグレーダーの技量が高いと、その技を学ぶこともあり、そういうものに一番触れているのが、検品チームです。
莫大な商品データや経験の上で、やはり、どんな状況であっても、品質に対し(ダメ)だと判断するということは、検品チームの重要な役割です。
商品の品質管理とは
いわゆる、QCDとなる、この要素の相関関係がどれも最適というのが、品質管理の基本となる概念ですが、
ものつくりの過程では、いろいろなことが起こります。
品質を重視するあまり、納期が守られないようであってはならないし
品質を上げていけば、コストも同時に引き上がり、完成品を出荷するまでに時間がかかり、納期を守ることが難しくなり、またコストを下げれば、品質面では妥協しないとならないこともでてくる
(こうやって書いているだけで、むずむずしてきます(汗))
そして、お客様の(顧客満足)ばかりを満たすことを必要以上に会社側が、現場に課せば、モデリストに相当な負担がかかることもあります。
お客様と現場、相互が【最適な関係】となることも大切です。
お客様と現場が最適な関係を結ぶために
そして、それは社内においても、同じことが言えると思っています。
モデリストの立場が重んじられすぎて、検品側が不良や、不具合に思われる点をモデリストに指摘できなくなることが生じてもならないし、
検品側が、品質管理のレベルを下げたりすれば、お客様との信頼関係が損なわれかねません。
ゆえに、両者のパワーバランスは拮抗しているのがベストなのではないかと思っています。
両者が、それぞれの1番の理解者であるというのが理想です。
それぞれの視点、視座があり、それぞれに持っている知見があります。
それらを共有することで、商品の品質も向上されていきます。
今日も、また検品チームと、モデリストチームの(攻防戦)対話が、社内で繰り広げらています。