ありがとう「はむちゃんニュース」


毎週野菜や乳製品といった食材を配達してくれる某生協で、来週注文用のカタログや明細書と共に入っていた「はむちゃんニュース」が先週の配達分で最終号となっていた。理由は著者の異動らしい。「はむちゃんニュース」はA4の原稿用紙に手書きで書いたのを印刷したものだ。最終号は44号(たぶん)だった。内容は、カジュアルな時候の挨拶、オススメの商品紹介(使ってみた感想等)、プライベート(旅行に行った〜等)で構成されている。メインは商品紹介のはずだが、それがない日もあり、知らない人の日常をA4一枚分読む、不思議な体験だった。私は30号くらいから読み始めた。始めは、せっかく手書きで書いてるから、カタログの袋から出しといてあげようか、というようなモチベーションだった。「はむちゃんニュース」を取り出した状態でカタログを返却すれば、はむちゃんも喜ぶんじゃないかと思ってそうしていた。当時の私が、人が読むことを想定して文章を書く人を尊敬していたからだと思う。私は誰も読めないところで書いていたから、邪険にはできないなと思っていた。最終号の”今回が最終回”の文字を読んだ時はかなり食らった。一人でこっそり聴いてるラジオ番組が終わることを知った時の感覚と似ていた。200字程の他愛もない文章だったから、内容は全然覚えていないけど、でも確実に読んだ。はむちゃん、将来エッセイ集出してくれないかな。

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