見出し画像

OTT1500mを終えて

OTT初参戦

福男や400mトライアルでは参加したことがあったが、今回初めてOTTの1500mに参加した。何度か出ようと思った機会はあったのだが、仕事やコロナの影響もあり出場する機会はなく初参戦となった。会場などの雰囲気は言わずもがなだと思うので、なぜ1500mに出ようと思ったかと書いておこう思う。

長距離耐性ができた中学時代

中学時代に東葛駅伝という地域では最大級の1区間平均3km、10区間で繋ぐ当時で70年以上続く大きな駅伝大会があった。
10月半ばくらいに開催されることもあって、夏の各部活の市内大会、県大会が終わったタイミングで全部活を対象に体力テストの1500mとシャトルランの成績上位者が招集され駅伝部が結成される。私も中1の時には6分半もかかった1500mだったが、中3の春には5分一桁で走れるようになり、声がかかり駅伝部としてデビューした。(県大会では200mをやっており23秒台で走った)
たまたまではあるが、この年はとても強く東葛駅伝優勝を狙える布陣であった。記憶が定かではないが、8分台のエース(全中入賞)、9分一桁が2枚、9分10秒台が1枚、9分20秒台が2枚、9分30秒台が1-2枚いた記憶がある。9分台で10枚揃うか揃わないかの布陣であった。それだけの厚みがあったので、練習もハードで夏休みの終盤に控える合宿までは毎日20km、200mトラックを100周を5min/kmで走るという練習を繰り返していた。短距離である私にとって、苦痛の何ものでもなく、ラスト1kmのフリーで飛ばし合うところが唯一の楽しみであった。最初は50周しかつけなかったが2週間たたずして最後までつけるようになった。良いか悪いかはわからないが、こうして自分自身の持久的な体力の素地は作り上げられた。
前置きが長くなってしまったが、こんな中学時代であったため比較的長距離に対しての抵抗感はない。むしろ適応する力はあるのかな?と感じていたので、スプリントへの影響を考えてなるべく控えてはいた。

ロングスプリントへの挑戦

今季は12年ぶりに200mの自己ベスト、400mではサードベストを記録をすることができ、社会人になってから最も記録的には充実したシーズンとなった。
この背景には、ロングスプリントへの取り組みが大きく影響をしたと感じている。昨年も”悪くない”状態ではあった。練習のタイムなどで言えば、今年と昨年と大きな差はなくほぼ横ばいである。しかしながら、現状を打破できない。希望的観測の中でのレースを繰り返すしかなかった。何かを変えるしかない。今までも何度も思ってきたが、色々な状況を考えると残されている時間はないと思い、チームメイトの草野にアドバイスを求めた。

「大西はいいジョグをしている。強みを行かせ。ロングから逃げるな」

どんな表現だったかは覚えていないが、端的に言えば上記の内容を言われたことははっきり覚えている。
ここでいうロングとは400m以上の距離を指す。この距離を走ることに対しての抵抗感があった。それは昔文献で読んだスローなペースはスプリントフォームから逸脱するということが記憶にあったからだ。しかし、国内外のエッセイやトレーニングをみていると案外スピード特化だけでないメニューもいくつも紹介されている。これまでスプリントを!と思いやってきたが、あまり変化がなかったこともあり、この冬はロングを攻めてみようということで積極的に500m-600mの距離を走った。オフシーズンだけでなく、シーズン中も本数や走り方などに変化をつけてとにかく走った。

厚底の恩恵

今まで抵抗を感じていたことに意欲的に取り組めた要因の一つに厚底シューズの存在がある。これに出会わなければこんなにも積極的に取り組むことは出来なかったのではないかと思う。昨年くらいからこう走れればいいなというイメージがあった。それは体幹部を弾ませる走りだ。厚底シューズではこのイメージが非常にしやすかった。これをどれだけ正確に続けられるか?という観点でロングを走れた。単純にバウンド感も楽しく、練習のボリュームも増えた。ただロングを速く走るという意識は持てておらず15-20秒ペースで走っていた。正確にラップを刻むこと、遅いペースをスプリントに繋げていくことを常に意識はできた。何より運動時間(競技時間よりも少し長い)が長くなることで最後まで動き続ける”感じ”が生まれてきた。これはペースを上げてしまうともがく確率が高くなってしまうので、スローペース、もしくはビルドアップのようなトレーニングでこの”感じが出てきた。

1500mの意図

昨シーズンの冬季の取り組みがもしかすると自分にあっていたのかな?と思うで、今年も同様にロング中心の冬を越すことになるだろう。10月半ばにシーズンアウトをし1週間何もせず移行期を過ごしていたが、何もしないから冬季を始めるよりも移行期前期(リカバリー中心)と移行期後期(トレーニングの準備)として分けたほうがスムーズかなと考えた。そこで一つモチベーションにもなるし、トレーニングの経過のチェックにもなると思い出場を決めたのが今回である。1000mを3分05秒で通過し、ラスト300mから頑張る作戦を立てていた。同級生の飯野さん(snow)のナイスペースメイクで予定通りの通過でき、ラスト300mを迎えることができた。ここまでの練習では最長でも600mまでしか走っていなかったこともあり、1000-1200mは長く感じてしまった。その分、300mのスパートも最後まで動き続けられず4分33-34秒となった。改めて中長距離の選手の凄さを体験できたし、その後も何度もペースメイクをしてくれるアスリート達には脱帽した。初参加となったが、やはり自分の競技の距離よりも長く走ることで距離に対する余裕度が出てくるんだなと今回走って感じられた。100m選手に120mや150mの必要性を感じるように400m選手も400m以上の距離を走ることの必要性があるのかもしれない。もちろんロングだけやれば良い訳でないことを追記しておく。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?