要らない、の伝え方

「今度、ルバーブケーキ焼いて持ってくるよ!」
なんて平和な、ある友人からの提案。
しかしあなたがもし、そこまでルバーブケーキが好きじゃなかったら。
あなたの心はそのキラキラした提案とは裏腹に、ざわつく。
「要らない」

個の好みより共同体の良好な関係性を優先する農耕民族気質の日本人である私は、この「要らない」という反応が自分から出てくると、戸惑う。
持ってこられても困る、訳ではない。
いつも通り、食べて、すごいおいしい、と下手ではあるが言えてしまう私は、嘘つきだからだ。

この「要らない」、どう伝えるのが自分にとってやりやすいのか。
ちなみに今回の流れは、二人の目の前にルバーブケーキがあり、相手が「ルバーブ好き?」と聞いてきたので、私は「うん」と答えた。これは嘘ではない。ルバーブジャムは好きだ。それを聞いて出てきた相手の言葉が、本文文頭の提案だ。
「要らないよ」それを言うには相手との距離がまだありすぎる。
「忙しいでしょ。大丈夫だよ〜」ただの遠慮と思われてスルーされる。
「ルバーブアレルギーやねん」はい嘘。一回好きって言うてもてるよ。
「ケーキアレルギーやねん」雑か。
「ルバーブケーキはそんな好きとちゃうねん」

これではないか。
なんてただの事実。
あなたがルバーブケーキを焼いてくると提案してくれたが、私はそれがそこまで好きではない。そうただのミスマッチ。あなたも私もルバーブも悪くない。

ただの事実伝えるの大事。かつ後が楽。
変にこねくり回さず、ただの事実をすぐ伝えたい。
ただ、その提案からすでに2日が経ち、直接会う機会が「今度ルバーブケーキ焼いて持ってくるよ」の日までないので、そこにルバーブケーキ好きの他の友達も連れて行く。