イノベーションとは?定義と2つのパターン|講義書き下ろし③
SCBイノベーションアカデミーオンライン特別講義(2020/9月開催)を開催しました。withコロナ社会における地域イノベーション をテーマにビジネス、デザイン、テクノロジーの各分野での先端研究、活動を行っている4名の講師に講義をいただきました。
2020年9月26日に実施された講義では、第4時産業革命を牽引する基盤技術で、SNSや仮想通貨、ブロックチェーンなどにも応用されているPeer to Peer(P2P)理論を世界で初めて提唱し、以来デジタルのネットワークだけでなく、地域資源同士のつながりを研究している「つながりの科学者」星合隆成教授にイノベーションを起こす科学的理論と哲学について講義をいただきました。
(通常アカデミー開校時の実施される全4回(初級編)の内容を1回にまとめたダイジェスト版講義です)
イノベーションとは?
さて、この講義はいくつかの教材を使って行われるのですが、そのうちの一つを紹介します。
いま日本に必要なのはブロックチェーンを応用した地域創生論です!P2P提唱者が実証する地域活性化手法。これからの地域活性化にはICT理論をビジネスで実践することが必要です。という風に帯に書かれていますが、このつながりを科学する「地域コミュニティブランド」英語でいうとSocial Community Brandという書籍を使っていますので、興味がある方はぜひご一読ください。
イノベーションの定義
イノベーションとは何なのか?いろんな定義がありますが、SCBではイノベーションのことを簡単に定義してます。
「新たな発想で新たな価値観を創出すること」
誰でも思いつくこと、すでにやってるんことじゃダメだってことですよね。
新しい発想であるこ。それによってちゃんと新しい価値観が生まれることこれがイノベーションです。
ちょっと抽象的ですけど、これをイノベーションの定義としています。じゃあここで新しい価値観って何?と言うことになるんですが、先程見ていただいたDNPさんの例ですと、クラウチングスタートですね。
あの映像でもありましたようにそれまでは誰もが立ってスタートするのが当たり前の時代。オリンピック選手と言うトップレベルの選手の中にあってクラウチングスタートというのが新しい価値だというのは容易に想像がつきますよね。
そこに1人だけ手をついてたら、「あいつ頭おかしいんじゃないか」って周りが思いますよね?なぜならば見たことも聞いたこともないからです。
ということは、まだ誰も見たことも聞いたことも、やってこともない新たな発想。これが新しい価値なんですよね。理解されずに受け止められたと思います。これがまさにイノベーションですよね?この選手は金メダルを獲得しました。そこから、選手が手をついて(クラウチング)スタートするようになったと。
そして、新たな発想というのは、その時代の常識じゃないということです。
ただし、その時代の常識ではない、新しい発想ということだけじゃなく、新しい価値(つまり成果)を出すことが必要になってくるということですね。
これが、イノベーションである。
技術革新と新結合
このイノベーションは、2つに大別されます。
1つが技術革新、もう1つが新結合。
技術革新とは技術の進展により新たな価値観を生み出すこと。
皆さんが多分イメージしているイノベーションはこちらだと思います。われわれは技術革新ではなくもう一つの新結合こそ地域で実施すべきイノベーションだと考えています。
じゃあその新結合って何かと言うと新たなつながりにより新たな価値観を生み出すことです。ここで「つながりを科学する」とつながりが大事なんだということにつながってくるんですけど、何か新しいものを生み出すんじゃなくて、新しいつながりを作っていく、そこに新しい価値観を生み出していく。これが新結合型のイノベーションです。
それに対して、新しいテクノロジーから新しい商品ものを作っていくっていうのが技術革新型のイノベーション。一般の方はこちらの技術革新をイメージしていて、新結合という言葉も知らない人が多いんですけど、実は私はこの新結合こそ地方創生、地域活性化の救世主なんだと思っています。技術革新ではなくて、新結合こそ大切だと。もちろん両輪なので、両方大事なんですけど新結合を大事にしていきましょうってことをずっと提案させていただいています。
技術革新とは具体的に?
具体的な例で言うとどう言うものがあるのか、技術革新の成功例、これは誰もが知っている産業革命です。第一次産業革命っていうのは蒸気の発明でした。それまで牛とか馬とか人力といった生き物が動力源だったんですけど、蒸気と言う新たな価値観が生まれたわけですね。それによって、人類は当たらな動力を手に入れ蒸気機関車や蒸気汽船などいろんな蒸気を使ったものが生まれていきました。そして、第二次産業革命は電気の発明です。
生き物から蒸気の動力も得たのに対して、今度は電気と言う新たな動力、これが第二次産業革命です。この電気っていうのは動力だけじゃなくて光高にもなりますし、冷却するなどいろんな波及効果があったんですね。
電気の発明が第二次産業革命。そして、第三次産業革命がコンピューターの発明です。コンピューターによって人類が初めて自動化を手に入れたわけですね。コンピューターで自動制御するこれが第三次産業革命です。
第4次産業革命。
インダストリー4.0って言うような言い方をしますけど、この時代はIoT(インターネットオブシングズ)、AI(人工知能)P2Pなど第4次産業革命のキーテクノロジーとして位置付けられています。
この第4次産業革命のこういった先進的なテクノロジーが超スマート社会と言われている、Society5.0を実現する。最近スマートシティとかスーパーシティとかいろんな言い方してますけど、超スマート社会を作っていくそのための原動力になるIoTやAI、P2Pと言った第4次産業革命に位置づけられているテクノロジーの開発。こういったものが技術革新型のイノベーションです。
新結合とは?へ続く・・・
参考資料
産経新聞連載記事
講義書き下ろしのマガジン
SCBイノベーションアカデミー オンライン特別講義
Program1 イノベーション人材の求められる素養 飛田努氏
Program2 イノベーションを作るためのAbility Emulusion Model 八木田一世氏
Program3 個を活かす関係づくり インターナルコミュニケーション 北見幸一氏
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