【ネタバレ雑感】宮﨑駿監督作『君たちはどう生きるか』

宮﨑駿監督の最新作『君たちはどう生きるか』。

たくさんの方が、公開を楽しみにしていたと思います。
自分もそんな中の一人。

観たときには整理がつかず、漠然としていたことも、
日が経つにつれてまとまってきた感があるので、
まだ1回しか観ていないのですが、
雑文を記してみようと思います。

ネタバレになる部分もありますので、
未見の方はご注意ください。


※以下は本文とは関係ありませんが、京都の鴨川で遭遇したアオサギ

さて、以下はちょっとした思いつきの、
感想もどきみたいなもの。

内容を紹介するわけではないので
書きたいことだけを書きますし、
個人的な単なる思いつきなので、
違う感想を持たれた方、
そんな話には同意できないと思われる方、
あるいは似たように感じる方、
いろいろいらっしゃると思いますが、
自分自身の覚え書きみたいなものですので、
スルーしていただければ大丈夫です。


ふと思いついたこと、というのは、
「君たち」について。

つまりそれは、「私たち」ということ。

この映画で印象的なことの一つに、
インコ人間たちの存在があります。

彼らは一体何か、と考えていて、
ハッと気づいたことが。

彼らは、狭い塔の中にひしめき合って暮らしている。

紛れ込んできた異分子は、食い散らかしてもいい、
むしろ、嬉々としてそうする。

“禁忌”を犯したものは絶対に許すべきではない。

世界は現状維持こそが大事で、変化させてはならない。

英雄視されていた代表者(大王)が、
結局全てをぶち壊す

外の世界に放たれると、
フンを垂れ流して騒ぐだけの存在に。


これはまさに、「大衆」の象徴ではないか、
と思ってしまったわけです。

「君たち」すなわち「私たち」は、
こんなインコ人間みたいな生き方を
これからも続けるのか? 
と問われているのではないか、
と感じてしまったわけです。

それに対して、様々な葛藤があるとしても
現実に帰ることを選んだ、主人公の眞人や
ヒミ、ナツコたち。

彼らは、自分で考えて、「人間」として生きていく、
ということなのかな、と。

主人公の名前が「眞の人」というのも
象徴的に思えました。

この、本当の現実においては、
世界が大きく変わろうとしている
近年の状況の中で
(それはすでに変わりつつある、
 とも言えるでしょうが)

中にいれば広い世界のように見えて、
その実は石に囲まれた塔に過ぎない
狭いところで生きるのか、

自分で判断して行かざるを得ない、
広い世界で生きるのか。

「君たちはどう生きるか」
とは、そういうことでもあるのかな。

物語の中で、主人公・眞人が、
何か指示や依頼を受ける前に
行動に移していることが多い
印象もありました。
(人力車?に乗り込むシーンや、
 キリコの船を押すシーンなど)

これも、自分の頭で考えて、
そのときに適した行動をしている、
ということを表しているのかもしれません。

そんな個人的な感想も抱えつつ、
2回目の鑑賞、近いうちに行ってみたいと
思っています。

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