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ジェレイントの話していい?

いいよ!(やった!)

初めて読んだ時からドラゴンラージャの中ではジェレイントが好きなんです。この度読み直してみてもやっぱり好きだったので、ヤツの好きなところを書くだけのnoteやります。


サモエド犬はもとの顔つきが笑ってるように見えるだけでいつも笑っているわけではないでしょうが、ジェレイントはいつも笑っているように見えて本当にいつもヘラヘラニコニコしている、そんな男です。なんかほんとうに生きてて楽しそうなんですよねこいつ…

ドラゴンラージャはエクセルハンドやアフナイデル、ターナー一行など、ほのめかす程度でも前振りがあってから掘り下げ活躍回が来るキャラが多いですが、ジェレイントはマジでなんの脈絡もなく六巻で初登場します。横の関係の広がりがすごいドラゴンラージャですが、ジェレイントは後にも先にも実はここと関わりがあったとかいうエピソードもなく、ただただ「途中から仲間に加わった神官」以上の何者でもないわけですよ。彼の来歴については彼が自己紹介がてら勝手にゲロった分で概ね終わり。隠し玉も仕込みようのないストロングスタイルです。

彼の直後、ほぼ同時期に初登場するレニは彼とは対照的で、因縁の煮凝りの中、存命する数少ないドラゴンラージャとして数奇な役目を背負わされています。彼女と比べると、ジェレイントは別にフチたちの旅に同行するのはちゃんとテペリの加護を受けている聖職者なら彼でなくても、それこそ彼のいた神殿にいた他の人でもよかったといえます。もとは三日くらい一緒にいてくれればいいって話でしたし。彼自身、テペリのプリーストとしてまともに働くだけの実力はあれど、世紀の大魔術師やら位の高いキャラがごろごろいるフチ周りだとそこまですごい力がある方とは言えない。

そんな「特別でない」彼が、デルハーパを発つに際して不安を見せるレニに、いつものように笑って「きみが宇宙を救う人間だとしても、きみの人生がほかのたくさんの人生に比べて特別な意味を持つわけじゃないんだ。(中略)われわれは等しく高貴だから、誰も特別ではない。」と諭し、前向きにむしろこれもまた冒険らしくていいと楽しそうにするわけです。

そういうとこやぞ!!!!!

ジェレイントという人間を見ていると、結局その人にとっての世界はその人が捉えた形になるのだと思い知らされます。彼の幼い頃に両親を亡くして神殿暮らしをしてきたという来歴は、人によっては重く暗くその後の人格形成に影を落としかねないものだと思います。ですが、ジェレイントの場合それはそれとしてなんだか毎日楽しそうなのがこいつーーーーーーって感じですよ! 彼は神殿暮らしの中でゆっくり自分に起こったことについて整理をつけて、世界を前向きに楽しくとらえる考え方を自分で身につけたわけです。だからおぞましい兵器利用セイグリッドランドを目の当たりにして対処のために働いて疲れ切っていても、やっぱりニコニコ笑っていつも通り神にお祈りできるメンタルを見せつけて来るわけです。キェーーッ

地頭はまあいい方で教養もある方で世の中に対して善良な理想を持つジェレイントですが、似たようなタイプでそれでも現実のままならなさにシニカルに構えてしまうカールやカールに影響を受けるフチと比べると、ポジティブでシンプルな信念で彼は彼の世界観の中生きていると言えるでしょう。

為政者とかにはまあ向かないしマジで朴訥とした聖職者が天職なんでしょうね。


あとドラゴンロードとの対話のシーンのジェレイント好きじゃない人いる?? いやいない。

ドラゴンロードに向かって間の抜けた爆笑とともに「自分か仲間かなら自分が死にますよ」ってさっくり言うの何???? 「夏は暑くてまいっちゃいますねぇ」みたいな当たり前のことを言うノリで「私が死にますよ。あはは。」って言う男is何?????? 「人間なら誰でもそういう」って本気で言う男?????? フチですら「そうはならんやろ!」って突っ込んじゃってるじゃん。陽気で変わり者で図々しくてどうしようもなく善性の聖職者ムーブを膝に受けていたいけな小学生の性癖がしっちゃかめっちゃかになったんですが?????? 

ダークなキャラカッコいいよねって素直な中二病の道を歩んでいたキッズが「そこ抜けの善性は一周回って"効く"」という味を知ってしまったんじゃが??????

彼は彼でなくてもよかったはずの役目をたまたま引き受けただけの同行者で、彼でなくてはいけないようなすごい力や因縁のしがらみもないのに、彼が彼自身の人生をマイペースに楽しんでる様がすごく気に入ってしまってずっと推しているというわけです。

好きなキャラの話を描き散らかしただけの文章をここまで読んでくださった方がいたらありがとうございます。

みんなも推しキャラの話、しよ!



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